32 / 44
魔導人形がうまれた場所
覗き見だなんて人が悪い
しおりを挟む
***
同じ頃、ウィルドラドのローズ邸。
地下にあるスピリアの研究室に光が灯っている。
(なるほど。やっぱりそういうことなのね)
操作中の魔導人形から意識を自分の身体に戻す。スピリアは疲れた身体を大きく伸びをしてほぐした。
(さすがにギューフェオーまで追いかけるのは厳しいわね)
扉が開き、使用人の代わりに使役している魔導人形が紅茶を注いだ碗を持って入ってくる。これもスピリアが操作していた。
「ありがと」
持ってきた碗を受け取って一口すする。温かな紅茶が身体に染み渡っていくのがわかる。
「あぁ、生き返るわ」
プリムとリーフの会話を聞き取るために集中していたスピリアは、しばらくぶりに自分の身体を動かしてほっとする。生きているという実感を得るには食べたり飲んだりするに限るなとしみじみ思っていた。
(さて、このままあの二人をいちゃつかせたままにしておくのは問題よね)
魔術書やら雑記帳を開きっぱなしにしたままの机の空いている場所に碗を置くと、スピリアは腕を組んで考え込む。
(このまま放置していれば、やがてリーフの呪縛は解けるでしょう。それはそれで構わないけど、わたしの計画としては問題があるのよ。どうにかして彼を……)
「!」
急に感覚がおかしくなる。痛みが走ったのだが、身体に異変はない。
「な、何?」
慌てるスピリアであったが、その異変が何に起因するものなのかようやくわかって意識を集中させる。
『あなたが黒幕ですか?』
声が聞こえてきた。
(この声は……)
スピリアの視界に魔導人形の視界が重なる。ギューフェオーに飛ばした小型の人形の視界に映っているものに、スピリアは驚愕した。
「な!」
『覗き見だなんて人が悪い』
視界に映りこんでいたのは真っ黒い人形。狼のような姿をした魔導人形が喋っているのだった。
「あなた、ミール=クリサンセマムですね!」
『そういうあなたはスピリア=ローズさんですね?』
(まさか、こんなところで! あの男に計画を邪魔されるわけには)
スピリアは焦っていた。魔導人形協会会長に見つかったとなれば、計画の見直しどころか自分の身が危うい。ここを何とか切り抜けねば、明日が来ないかもしれなかった。
「そ……そうですが、それが? 妹が無事かどうか見守っていて何かおかしいところでもあります?」
とにかくシラを切ることにした。証拠はすべて燃やしたはずであり、リーフの記憶にことの顛末についてが残っていたとしても、彼は簡単にその事実を他言したりしないはず。それならば簡単に尻尾を捕まれることもあるまい、スピリアは瞬時に判断した。
その反応に対し、狼の人形は小さく笑う。
『私を敵に回すつもりで?』
低い声で脅すように呟かれた台詞に、スピリアは背筋を凍らせる。
「敵に回すなんてとんでもない。事実を述べただけですわ」
『そうでしょうか?』
なおも黒い狼は食い下がる。スピリアの鼓動はどんどん早くなる。
(あの男の本体はどこ?)
ミール本人の姿が見えないことが気に掛かる。彼は今、どこで何をしているのか。それがわかるだけでも対策を立てやすいというのに、とスピリアは人形の操作にさらに集中する。
「他に何があるというのです?」
『リーフ=バズを眺めていたんじゃないかと思いまして。興味があるでしょう? 人間の人形化には』
(ここは慎重に答えねば……)
これは鎌をかけてきているのだとスピリアは判断した。自分がどんなことを研究の主題に据えているのか、ミールは知っている。それゆえの問いなのだとわかっていた。
「彼がその状態であると、あなたは考えていらっしゃるのですか?」
問いを問いで返して自分から話題が離れるように仕向ける。うまくすれば相手の持つ自分の知らない情報を引き出せるかもしれない。これは賭けだ。
『さぁね』
スピリアの問いに対し、ミールははぐらかすことを選択する。黒い狼はくるりと身体の向きを変えた。
「ど、どちらへ?」
『これでも私は多忙でしてね。あなたからこれだけの情報を手に入れられたなら充分ですよ』
(なんですって?)
スピリアの鼓動はますます早くなる。何か失敗を犯しただろうか。気付いていない間違いを犯しただろうか。
『またどこかでお会いしましょう、スピリアさん』
黒い狼の背を眺め、完全に見えなくなるのを待つとスピリアは意識を自分の身体に戻した。とたんにじっとりと身体にまとわりつく衣服の感覚がやってくる。全身から汗が吹き出ていた。
「は……はははは」
(まさか、ばれるわけがない。そうよ、ばれるわけがないわ)
ようやく鼓動が正常になってくる。
(証拠はない。もうあの魔術を使う必要はないんだから)
そう思うと顔がにやけてくる。普段の表情を作ろうとしても、湧き上がる高揚感で口元が自然と上がってしまう。
「いいことを思いついたわ」
机の上に転がしていた筆記具を取り、開きっぱなしの雑記帳の余白に今の思い付きを書き込む。書きながら、焦っていた気持ちがどこかに消え去っていくのを感じていた。
(この方法なら、彼を手に入れられる!)
自分の思い付きを自分で褒めながら、碗に残っていた冷めた紅茶を飲み干した。
同じ頃、ウィルドラドのローズ邸。
地下にあるスピリアの研究室に光が灯っている。
(なるほど。やっぱりそういうことなのね)
操作中の魔導人形から意識を自分の身体に戻す。スピリアは疲れた身体を大きく伸びをしてほぐした。
(さすがにギューフェオーまで追いかけるのは厳しいわね)
扉が開き、使用人の代わりに使役している魔導人形が紅茶を注いだ碗を持って入ってくる。これもスピリアが操作していた。
「ありがと」
持ってきた碗を受け取って一口すする。温かな紅茶が身体に染み渡っていくのがわかる。
「あぁ、生き返るわ」
プリムとリーフの会話を聞き取るために集中していたスピリアは、しばらくぶりに自分の身体を動かしてほっとする。生きているという実感を得るには食べたり飲んだりするに限るなとしみじみ思っていた。
(さて、このままあの二人をいちゃつかせたままにしておくのは問題よね)
魔術書やら雑記帳を開きっぱなしにしたままの机の空いている場所に碗を置くと、スピリアは腕を組んで考え込む。
(このまま放置していれば、やがてリーフの呪縛は解けるでしょう。それはそれで構わないけど、わたしの計画としては問題があるのよ。どうにかして彼を……)
「!」
急に感覚がおかしくなる。痛みが走ったのだが、身体に異変はない。
「な、何?」
慌てるスピリアであったが、その異変が何に起因するものなのかようやくわかって意識を集中させる。
『あなたが黒幕ですか?』
声が聞こえてきた。
(この声は……)
スピリアの視界に魔導人形の視界が重なる。ギューフェオーに飛ばした小型の人形の視界に映っているものに、スピリアは驚愕した。
「な!」
『覗き見だなんて人が悪い』
視界に映りこんでいたのは真っ黒い人形。狼のような姿をした魔導人形が喋っているのだった。
「あなた、ミール=クリサンセマムですね!」
『そういうあなたはスピリア=ローズさんですね?』
(まさか、こんなところで! あの男に計画を邪魔されるわけには)
スピリアは焦っていた。魔導人形協会会長に見つかったとなれば、計画の見直しどころか自分の身が危うい。ここを何とか切り抜けねば、明日が来ないかもしれなかった。
「そ……そうですが、それが? 妹が無事かどうか見守っていて何かおかしいところでもあります?」
とにかくシラを切ることにした。証拠はすべて燃やしたはずであり、リーフの記憶にことの顛末についてが残っていたとしても、彼は簡単にその事実を他言したりしないはず。それならば簡単に尻尾を捕まれることもあるまい、スピリアは瞬時に判断した。
その反応に対し、狼の人形は小さく笑う。
『私を敵に回すつもりで?』
低い声で脅すように呟かれた台詞に、スピリアは背筋を凍らせる。
「敵に回すなんてとんでもない。事実を述べただけですわ」
『そうでしょうか?』
なおも黒い狼は食い下がる。スピリアの鼓動はどんどん早くなる。
(あの男の本体はどこ?)
ミール本人の姿が見えないことが気に掛かる。彼は今、どこで何をしているのか。それがわかるだけでも対策を立てやすいというのに、とスピリアは人形の操作にさらに集中する。
「他に何があるというのです?」
『リーフ=バズを眺めていたんじゃないかと思いまして。興味があるでしょう? 人間の人形化には』
(ここは慎重に答えねば……)
これは鎌をかけてきているのだとスピリアは判断した。自分がどんなことを研究の主題に据えているのか、ミールは知っている。それゆえの問いなのだとわかっていた。
「彼がその状態であると、あなたは考えていらっしゃるのですか?」
問いを問いで返して自分から話題が離れるように仕向ける。うまくすれば相手の持つ自分の知らない情報を引き出せるかもしれない。これは賭けだ。
『さぁね』
スピリアの問いに対し、ミールははぐらかすことを選択する。黒い狼はくるりと身体の向きを変えた。
「ど、どちらへ?」
『これでも私は多忙でしてね。あなたからこれだけの情報を手に入れられたなら充分ですよ』
(なんですって?)
スピリアの鼓動はますます早くなる。何か失敗を犯しただろうか。気付いていない間違いを犯しただろうか。
『またどこかでお会いしましょう、スピリアさん』
黒い狼の背を眺め、完全に見えなくなるのを待つとスピリアは意識を自分の身体に戻した。とたんにじっとりと身体にまとわりつく衣服の感覚がやってくる。全身から汗が吹き出ていた。
「は……はははは」
(まさか、ばれるわけがない。そうよ、ばれるわけがないわ)
ようやく鼓動が正常になってくる。
(証拠はない。もうあの魔術を使う必要はないんだから)
そう思うと顔がにやけてくる。普段の表情を作ろうとしても、湧き上がる高揚感で口元が自然と上がってしまう。
「いいことを思いついたわ」
机の上に転がしていた筆記具を取り、開きっぱなしの雑記帳の余白に今の思い付きを書き込む。書きながら、焦っていた気持ちがどこかに消え去っていくのを感じていた。
(この方法なら、彼を手に入れられる!)
自分の思い付きを自分で褒めながら、碗に残っていた冷めた紅茶を飲み干した。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
荷車尼僧の回顧録
石田空
大衆娯楽
戦国時代。
密偵と疑われて牢屋に閉じ込められた尼僧を気の毒に思った百合姫。
座敷牢に食事を持っていったら、尼僧に体を入れ替えられた挙句、尼僧になってしまった百合姫は処刑されてしまう。
しかし。
尼僧になった百合姫は何故か生きていた。
生きていることがばれたらまた処刑されてしまうかもしれないと逃げるしかなかった百合姫は、尼寺に辿り着き、僧に泣きつく。
「あなたはおそらく、八百比丘尼に体を奪われてしまったのでしょう。不死の体を持っていては、いずれ心も人からかけ離れていきます。人に戻るには人魚を探しなさい」
僧の連れてきてくれた人形職人に義体をつくってもらい、日頃は人形の姿で人らしく生き、有事の際には八百比丘尼の体で人助けをする。
旅の道連れを伴い、彼女は戦国時代を生きていく。
和風ファンタジー。
カクヨム、エブリスタにて先行掲載中です。
新人神様のまったり天界生活
源 玄輝
ファンタジー
死後、異世界の神に召喚された主人公、長田 壮一郎。
「異世界で勇者をやってほしい」
「お断りします」
「じゃあ代わりに神様やって。これ決定事項」
「・・・え?」
神に頼まれ異世界の勇者として生まれ変わるはずが、どういうわけか異世界の神になることに!?
新人神様ソウとして右も左もわからない神様生活が今始まる!
ソウより前に異世界転生した人達のおかげで大きな戦争が無い比較的平和な下界にはなったものの信仰が薄れてしまい、実はピンチな状態。
果たしてソウは新人神様として消滅せずに済むのでしょうか。
一方で異世界の人なので人らしい生活を望み、天使達の住む空間で住民達と交流しながら料理をしたり風呂に入ったり、時にはイチャイチャしたりそんなまったりとした天界生活を満喫します。
まったりゆるい、異世界天界スローライフ神様生活開始です!
精霊のジレンマ
さんが
ファンタジー
普通の社会人だったはずだが、気が付けば異世界にいた。アシスという精霊と魔法が存在する世界。しかし異世界転移した、瞬間に消滅しそうになる。存在を否定されるかのように。
そこに精霊が自らを犠牲にして、主人公の命を助ける。居ても居なくても変わらない、誰も覚えてもいない存在。でも、何故か精霊達が助けてくれる。
自分の存在とは何なんだ?
主人公と精霊達や仲間達との旅で、この世界の隠された秘密が解き明かされていく。
小説家になろうでも投稿しています。また閑話も投稿していますので興味ある方は、そちらも宜しくお願いします。
半身転生
片山瑛二朗
ファンタジー
忘れたい過去、ありますか。やり直したい過去、ありますか。
元高校球児の大学一年生、千葉新(ちばあらた)は通り魔に刺され意識を失った。
気が付くと何もない真っ白な空間にいた新は隣にもう1人、自分自身がいることに理解が追い付かないまま神を自称する女に問われる。
「どちらが元の世界に残り、どちらが異世界に転生しますか」
実質的に帰還不可能となった剣と魔術の異世界で、青年は何を思い、何を成すのか。
消し去りたい過去と向き合い、その上で彼はもう一度立ち上がることが出来るのか。
異世界人アラタ・チバは生きる、ただがむしゃらに、精一杯。
少なくとも始めのうちは主人公は強くないです。
強くなれる素養はありますが強くなるかどうかは別問題、無双が見たい人は主人公が強くなることを信じてその過程をお楽しみください、保証はしかねますが。
異世界は日本と比較して厳しい環境です。
日常的に人が死ぬことはありませんがそれに近いことはままありますし日本に比べればどうしても命の危険は大きいです。
主人公死亡で主人公交代! なんてこともあり得るかもしれません。
つまり主人公だから最強! 主人公だから死なない! そう言ったことは保証できません。
最初の主人公は普通の青年です。
大した学もなければ異世界で役立つ知識があるわけではありません。
神を自称する女に異世界に飛ばされますがすべてを無に帰すチートをもらえるわけではないです。
もしかしたらチートを手にすることなく物語を終える、そんな結末もあるかもです。
ここまで何も確定的なことを言っていませんが最後に、この物語は必ず「完結」します。
長くなるかもしれませんし大して話数は多くならないかもしれません。
ただ必ず完結しますので安心してお読みください。
ブックマーク、評価、感想などいつでもお待ちしています。
この小説は同じ題名、作者名で「小説家になろう」、「カクヨム」様にも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる