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神さま(?)拾いました【本編完結】
7.むなしいと思っていたの?
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◆◇◆◇◆◇◆◇◆
バケットサンドをペロッと食べ終えて、私はコーヒーフロートのバニラアイスをつつく。ここのバニラアイスは甘味は控えめながらとっても濃厚で、コーヒーに溶かして飲んでも美味しいし、もちろんそのまま食べても美味しい。疲れているときは必ず頼む品だ。なお、ふだんコーヒーを飲むならブラック派である。
付属の木製スプーンでほどほどに溶けたアイスをすくってパクっと一口。ひんやり美味しい。求めていたいつもの味に安堵する。注文して正解だ。
「ねえ、弓弦ちゃん?」
「はい?」
馴れ馴れしい呼びかけだな、と思いつつも彼を見る。頬杖をついていた彼は私を優しい眼差しで見つめていた。
「僕にあーんってしてほしいなあ」
「アイスを、でしょうか?」
私が尋ねるとうんうんと頷く。私は彼の顔とその近くにあるコーヒーフロートを見て、首を傾げた。
「ご自分の、ありますよね?」
「してほしいんだよ」
そう答えて頬杖をつくのをやめると自身の唇を指先でツンツンとさした。
「弓弦ちゃんに、ね?」
「何言ってるんですか。恋人じゃあるまいし」
私は真面目に答えて、自分のバニラアイスを口に運ぶ。するとあからさまに悲しそうな顔をされた。
君は表情豊かだな。そんな顔をされても私はやらないよ。
無視して、私は残ったバニラアイスをコーヒーに溶かした。
「アイスを食べるなら、急いだほうがいいですよ」
「むむ……致し方ない」
納得しかねるといった様子で彼はアイスを食べ始めた。
木製スプーンでアイスを口に入れてすぐに、彼は目をぱちぱちとして私を見る。そしてふふっと笑った。口に合ったようでなによりである。
私と同じように数口をアイスとして味わったのち、コーヒーに溶かして飲み始める。それも美味しかったらしく、機嫌よさそうにしていた。
さっきのお願いはなんだったんだ……?
神様さんがなにを期待しているのか、私にはいまひとつわからない。傷心の私を慰めるためだとしたら申し訳ないが、私は恋人たちがするような甘える行為には興味がないのだ。
「――昨夜も思ったけどさ」
食べ終わったので片付けをしていると、不意に彼が言う。私は作業の手を止めずに返事をした。
「なんでしょう?」
「君は誰かに甘えたり頼ったりするのが下手だよね」
「そうですか? 自分のピンチにアニキを呼びましたよ、私」
「それはそうするように言われているから、でしょ? 自分の手に負えない超常現象に遭遇したら、身内を頼るように躾けられているから、条件反射でそうしているだけさ」
指摘されて、私はうーんと唸る。よくわからない。
ダイニングテーブルを拭き終えて、シンクで台拭きを洗う。いつものように定位置に広げて干すと、ちょうど自動洗濯乾燥機が終わりのアラームを鳴らした。
「僕がやろうか?」
自動洗濯乾燥機のある脱衣所の方をちらりと見やって、彼が問う。中にはシーツや枕カバーも入っている。それらを頼むのは悪くないが気が引けた。
「いえ、私がやりますよ。あなたは座っていてください」
「でも、疲れているんでしょ? ちゃんと休んだほうがいいと思うんだけどな」
食後で満腹になったとはいえ、身体が過労状態であることは間違いない。連勤による疲労に、昨夜の疲労もしっかり蓄積されている。
私が身体を動かしながらも返答に悩んでいたからだろう。彼はさっと立ち上がって先回りをしてきた。私のほうを向いて、安心させるように笑う。
「頼ってくれていいんだよ」
「借りを作りたくないんですよ」
げんなりしながら正直に告げて避けようとすれば、彼は私を抱き締めて行く手を阻んだ。
「ちょっ。片付けたら休むつもりですから。ね?」
私はもがくがびくともしない。そんなに強く拘束されているわけではないにもかかわらず、だ。
これ、相手が男性の姿だからとか、神様だからとかじゃないな……
疲れが溜まりすぎて力が出ないのだと実力行使をされて理解した。私は抵抗を止める。すると優しく頭を撫でられた。くすぐったい。
「ふふ。いいこいいこ。僕に甘やかされていればいいんだよ」
「これ以上生活力がなくなったら、婚期を逃しそうなんですけど」
「いいんじゃない? 僕がいるんだから」
なるほど、そうくるのか。
私は言葉を選び直す。
「んー。婚期を逃すっていうのは方便でしてね、結婚なんて実際は興味ないですよ。誰かと一緒に残りの人生を送れたらいいってくらいのニュアンスなので。でもですね、あなたとはないです」
「どうして?」
「どうしてって、当然じゃないですか?」
どんな表情でいるのだろうと見上げると、彼は心底不思議といった顔で私を見ていた。長い睫毛を上下させて目をぱちぱちっとさせた後に口を開く。
「なにが当然なのかな。僕が人間じゃないから? 見た目も中身も、君の好みから大きく外れてはいないと思うんだけどな。あと、身体の相性もいいよ?」
「私には都合がいいということは認めましょう」
「うん。素直な子は大好きだよ」
私を抱き締める力が増した。私はそうじゃないとばかりに彼の腰をとんとんと叩く。
「あなたはそれでいいんですか?」
「うん?」
「私に合わせてくれることはありがたいですし、嬉しいです。めっちゃ助かっています。でも、あなたはそれでいいんですか? むなしくないですか?」
「君はむなしいと思っていたの?」
最初のやり取りのときの明るい口調ではなく、低く刺さる声色による言葉に私は頭を殴られたような感覚に陥った。
私は……むなしかったの?
自問自答。俯いた私は頭を横に振った。
「違う。違います」
「じゃあ、今は僕を頼って。甘やかされておきなよ。君が僕を呼び覚ましてくれたんだ。そのお礼くらいはさせて」
もう一度見上げた私の額にチュッと口づけをして、私を解放した。私は自分の額に手を当てる。熱い。
「寝具は僕に任せて。弓弦ちゃんは衣類を片付けること。その辺に置きっぱなしにしたら駄目だよ」
自動洗濯乾燥機の扉を開けて彼は指示してくる。部屋に散乱していた衣類の惨状を知られているだけあって、駄目だよ、の言葉がキツい。
「わかってますよぉ」
小さく膨れて、私は彼に従ったのだった。
バケットサンドをペロッと食べ終えて、私はコーヒーフロートのバニラアイスをつつく。ここのバニラアイスは甘味は控えめながらとっても濃厚で、コーヒーに溶かして飲んでも美味しいし、もちろんそのまま食べても美味しい。疲れているときは必ず頼む品だ。なお、ふだんコーヒーを飲むならブラック派である。
付属の木製スプーンでほどほどに溶けたアイスをすくってパクっと一口。ひんやり美味しい。求めていたいつもの味に安堵する。注文して正解だ。
「ねえ、弓弦ちゃん?」
「はい?」
馴れ馴れしい呼びかけだな、と思いつつも彼を見る。頬杖をついていた彼は私を優しい眼差しで見つめていた。
「僕にあーんってしてほしいなあ」
「アイスを、でしょうか?」
私が尋ねるとうんうんと頷く。私は彼の顔とその近くにあるコーヒーフロートを見て、首を傾げた。
「ご自分の、ありますよね?」
「してほしいんだよ」
そう答えて頬杖をつくのをやめると自身の唇を指先でツンツンとさした。
「弓弦ちゃんに、ね?」
「何言ってるんですか。恋人じゃあるまいし」
私は真面目に答えて、自分のバニラアイスを口に運ぶ。するとあからさまに悲しそうな顔をされた。
君は表情豊かだな。そんな顔をされても私はやらないよ。
無視して、私は残ったバニラアイスをコーヒーに溶かした。
「アイスを食べるなら、急いだほうがいいですよ」
「むむ……致し方ない」
納得しかねるといった様子で彼はアイスを食べ始めた。
木製スプーンでアイスを口に入れてすぐに、彼は目をぱちぱちとして私を見る。そしてふふっと笑った。口に合ったようでなによりである。
私と同じように数口をアイスとして味わったのち、コーヒーに溶かして飲み始める。それも美味しかったらしく、機嫌よさそうにしていた。
さっきのお願いはなんだったんだ……?
神様さんがなにを期待しているのか、私にはいまひとつわからない。傷心の私を慰めるためだとしたら申し訳ないが、私は恋人たちがするような甘える行為には興味がないのだ。
「――昨夜も思ったけどさ」
食べ終わったので片付けをしていると、不意に彼が言う。私は作業の手を止めずに返事をした。
「なんでしょう?」
「君は誰かに甘えたり頼ったりするのが下手だよね」
「そうですか? 自分のピンチにアニキを呼びましたよ、私」
「それはそうするように言われているから、でしょ? 自分の手に負えない超常現象に遭遇したら、身内を頼るように躾けられているから、条件反射でそうしているだけさ」
指摘されて、私はうーんと唸る。よくわからない。
ダイニングテーブルを拭き終えて、シンクで台拭きを洗う。いつものように定位置に広げて干すと、ちょうど自動洗濯乾燥機が終わりのアラームを鳴らした。
「僕がやろうか?」
自動洗濯乾燥機のある脱衣所の方をちらりと見やって、彼が問う。中にはシーツや枕カバーも入っている。それらを頼むのは悪くないが気が引けた。
「いえ、私がやりますよ。あなたは座っていてください」
「でも、疲れているんでしょ? ちゃんと休んだほうがいいと思うんだけどな」
食後で満腹になったとはいえ、身体が過労状態であることは間違いない。連勤による疲労に、昨夜の疲労もしっかり蓄積されている。
私が身体を動かしながらも返答に悩んでいたからだろう。彼はさっと立ち上がって先回りをしてきた。私のほうを向いて、安心させるように笑う。
「頼ってくれていいんだよ」
「借りを作りたくないんですよ」
げんなりしながら正直に告げて避けようとすれば、彼は私を抱き締めて行く手を阻んだ。
「ちょっ。片付けたら休むつもりですから。ね?」
私はもがくがびくともしない。そんなに強く拘束されているわけではないにもかかわらず、だ。
これ、相手が男性の姿だからとか、神様だからとかじゃないな……
疲れが溜まりすぎて力が出ないのだと実力行使をされて理解した。私は抵抗を止める。すると優しく頭を撫でられた。くすぐったい。
「ふふ。いいこいいこ。僕に甘やかされていればいいんだよ」
「これ以上生活力がなくなったら、婚期を逃しそうなんですけど」
「いいんじゃない? 僕がいるんだから」
なるほど、そうくるのか。
私は言葉を選び直す。
「んー。婚期を逃すっていうのは方便でしてね、結婚なんて実際は興味ないですよ。誰かと一緒に残りの人生を送れたらいいってくらいのニュアンスなので。でもですね、あなたとはないです」
「どうして?」
「どうしてって、当然じゃないですか?」
どんな表情でいるのだろうと見上げると、彼は心底不思議といった顔で私を見ていた。長い睫毛を上下させて目をぱちぱちっとさせた後に口を開く。
「なにが当然なのかな。僕が人間じゃないから? 見た目も中身も、君の好みから大きく外れてはいないと思うんだけどな。あと、身体の相性もいいよ?」
「私には都合がいいということは認めましょう」
「うん。素直な子は大好きだよ」
私を抱き締める力が増した。私はそうじゃないとばかりに彼の腰をとんとんと叩く。
「あなたはそれでいいんですか?」
「うん?」
「私に合わせてくれることはありがたいですし、嬉しいです。めっちゃ助かっています。でも、あなたはそれでいいんですか? むなしくないですか?」
「君はむなしいと思っていたの?」
最初のやり取りのときの明るい口調ではなく、低く刺さる声色による言葉に私は頭を殴られたような感覚に陥った。
私は……むなしかったの?
自問自答。俯いた私は頭を横に振った。
「違う。違います」
「じゃあ、今は僕を頼って。甘やかされておきなよ。君が僕を呼び覚ましてくれたんだ。そのお礼くらいはさせて」
もう一度見上げた私の額にチュッと口づけをして、私を解放した。私は自分の額に手を当てる。熱い。
「寝具は僕に任せて。弓弦ちゃんは衣類を片付けること。その辺に置きっぱなしにしたら駄目だよ」
自動洗濯乾燥機の扉を開けて彼は指示してくる。部屋に散乱していた衣類の惨状を知られているだけあって、駄目だよ、の言葉がキツい。
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