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記憶喪失の少女
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少女が目覚めた場所は、見知らぬ家の寝台の上だった。
(ここは一体……)
上体を起こし、辺りを見回す。木製の棚に並べられた書物、紗幕が引かれた窓、扉の横には綴れ織壁掛けが掛けられている。その脇に鏡が置かれており、少女は自分の姿を見た。
ゆるゆると波打つ黄金色の髪。胡桃色の二重の瞳。肌はやや日焼けしていて健康的な小麦色。敷布までこぼれる長い髪に合わせて視線を下げていく。くっきりと浮き立つ鎖骨、小さな胸の膨らみ、くびれた腰、その先は敷布に隠れていて見えなかった。
少女は自分以外が部屋にいないことを理解し、そして自分が衣服を身につけていないことを認める。掛けられていた敷布をまとい、立ち上がって窓の外を覗いてみた。
陽は高く外は明るい。この部屋は建物の二階にあるらしく、窓の下には赤い庇があり、さらに下には石畳と行き交う人々の頭が見える。
白っぽい頭巾をかぶった女性、麦で作られた帽子をかぶる少女、鉄製の兜を乗せた青年、亜麻色の髪を揺らす少年……。
様々な格好をした人々が楽しそうに歩いている。
(何故、あたしはこのような場所に……?)
「痛っ……」
あまりの痛みに、少女はこめかみに手を当てる。記憶を遡ろうとしたのだが、頭痛がひどくて思い出せない。さらに過去に何があったのか思い出せないだけでなく、自分の名前さえ忘れていることがわかり、困惑する。
(あたしは……誰?)
ここがどこなのか、どうしてここに全裸でいたのか、自分が何者なのかわからなくて不安になる。
「――あぁ、やっと気付かれたのですね」
「!」
窓から一歩ほど離れたところで急に声を掛けられ、少女は声にならない悲鳴を上げると素早く声の主に身体を向ける。
部屋に入ってきたのは一人の青年だった。焦げ茶色の短髪、紺碧の瞳、日焼けした肌。白い上着に袖のない胴着を合わせた格好をしている。優しげな表情ときちんとした身なりに、少女は警戒を少々緩めつつも、相手の次の挙動を窺う。
「安心してください。僕はあなたを害するつもりはありません」
「あなた、誰?」
肩の高さまで両手を小さく挙げて攻撃の意志がないことを表現する彼に、少女は睨んだまま問う。
「僕はキース。キース=グレイスワーズです。このグレイスワーズ商店の主ですよ」
彼は部屋の扉は閉めたものの、それ以上少女には近付かずに説明する。
「あたしは、どうしてここに?」
「それはこちらが聞きたいことだったのですが……そうですね。朝、この店を開けようとしたらあなたが店の前で倒れていたのですよ」
「倒れて……?」
どういうことだろう。少女は理解できずに額に手を当てる。
「衣服も身につけておらず、もちろん身元がわかりそうな荷物も近くにはない。追剥ぎにでも遭ったのかと考えたのですが、あなたの身体を見たところ外傷はない」
「み、見た、ですって?」
少女は思わず敷布を握る手を引き上げて身を硬くする。
「え、あ、いえっ、いやらしいことはしていないつもりですよっ!? 助け起こしたときにちょっと見てしまっただけでっ」
全身を赤く染める少女に、キースは慌てて補足する。キースも真っ赤になっていた。
「そ……それで、ここに運んでくださった、と?」
気を取り直し、少女は話を促すために問う。
「は、はい。まずは部屋で介抱すべきかと思ったものですから。――あ、あの、気分が悪かったり、どこか痛かったりしていませんか? 必要であれば医者を呼びますが」
「い、いえ。そこまでしていただくわけにはいきませんから」
少女はキースの申し出に首を振る。
(彼は行き倒れになっていたあたしを拾ってくれた恩人と言うわけね。……彼が言っていることが本当だとするなら)
すべてが真実であると受け入れるには早計である気がして、少女は自分の身体に違和感がないかどうか意識を向ける。露出している腕や足の肌はとても滑らかだ。
(鏡を見たところでは変なところはなかったし、傷も痣もないみたいね。頭痛がひどいこと以外は、特に気分が悪いってことはないし……)
「あの……」
黙りこんで自分の容姿を確認している少女に、おずおずとキースが声を掛けた。
「は、はい?」
「お名前を伺ってもよろしいでしょうか? どうお呼びしたらいいのかわからなくて」
「あぁ、そうですね……」
彼に名乗らせておきながら自分が名乗っていないことに気付き、少女は申し訳なさそうな顔をする。しかし、名前すら忘れているために自己紹介ができない。
「……名前を教えたいのですが、あいにく自分の名前を思い出せませんで……」
しぶしぶ正直に少女は伝えることにする。適当な偽名を使おうかとも思ったのだが、ぱっとすぐに浮かばなかったのだ。
「え?」
少女の台詞に、キースはあからさまに驚いた顔をした。
「記憶喪失ということですか?」
「えぇ、まぁ……そういうことのようでして……」
困った。視線を外して少女が答えると、キースは哀れむような表情をした。
「それはさぞかしお困りのことでしょう」
「い、いえっ。きっと一時的なことですから、心配には及びませんわ」
少女は首を横に振る。彼にこれ以上迷惑を掛けるわけにはいかない、そう思って少女は続ける。
「あ、あの、すぐに出て行きますので」
「その格好で、ですか?」
「え、う、あ……えぇ」
意外と冷静な指摘に、少女は首を縦に振る。衣服を身につけずに倒れていたと言うのだから、着る服は今のところない。
おろおろしながら答えた少女に、キースのくすっと笑う声が重なる。
「わ、笑わないでくださいっ!」
「僕のこと、嫌いですか? そんなに慌てて出て行こうとしなくてもいいのに」
あまりにも寂しげにキースが言うので、少女は自分の調子を崩される。とにかくこの場を繋いで、追い出される前に自分から出て行こうと懸命に台詞を考える。
「で、ですが、ご迷惑でしょうから――」
「迷惑だと思っていたら、助けてこちらに運んだりしませんよ」
それもそうかも知れない。そう納得しかけて、少女はあることに気付く。
「じゃ、じゃあ、あたしの身体が目的で――」
「えっと、その発想はさすがになかったな……でも、違いますよ」
一瞬だけきょとんとした顔をして、キースは苦笑しながら否定する。
「ですが……」
(この男は何を考えているのだろう……)
会話をしている限りでは悪い人間には思えない。少なくとも今は味方でありそうだ。
(商人らしいけど、あたしを売ったりしないわよね……?)
疑惑の目を向けると、キースはやんわりと微笑んで見せた。
「そんなに信用ありませんか? まぁ、あなたの過去に何があったのかは存じませんので何とも言えませんが、頼ってくださって構いませんよ。僕は独り身でして、親も兄弟もここには住んでいませんから」
(……独りぼっち?)
そう説明されて、少女はふと思う。
(あたしは今、右も左もわからない上、自分自身もわからない。正直に言って不安だわ。どこに行けばいいのかもわからないし、頼る場所もない。つまりそれって――)
孤独だということだ――そんな結論を導いて、彼が自分を保護してくれた動機に思い当たる。親切にしてくれた一番の理由は、寂しさが彼にあったからだ。
少女の表情から警戒の色が消えていく。
「あなたの面倒をしばらく見ることができる程度には蓄えもあるつもりです。もし、行く当てがあるのでしたら無理に引き止めたりはしませんが、遠慮せず記憶が戻るまでこちらにいてください」
「そ……そうおっしゃるなら」
このままの状況で外に出たとしても、大海に落ちた一枚の葉のごとくもみくちゃにされて沈んでしまうことだろう。ならば、せっかく差し伸べられた手があるのだ、その手にすがるのも悪くはない。
少女がゆっくりと頷くと、キースはにっこりと笑んだ。
「――あの、あたしのことは好きに呼んでくださって構いませんから」
「ならば、そうですね……サンドラはいかがでしょう?」
「サンドラ?」
しばし悩んだような顔をした後の提案。少女は与えられた名を繰り返す。
「思い付きですので、深い意味はないのですが。嫌でしたら他に考えますよ」
「いえ。――サンドラ、か。いい名前ですね。ありがとうございます」
特に拒否する理由もない。何度か呟いてみて、不思議と馴染む響きだと感じられた。
「気に入っていただけたら何よりです。――では、サンドラさん。服を用意いたしますから、着替えてください。その間に食事を用意しましょう」
「は、はい。キースさん、ありがとうございます!」
こうして少女――サンドラはキースの家で厄介になることにしたのだった。
(ここは一体……)
上体を起こし、辺りを見回す。木製の棚に並べられた書物、紗幕が引かれた窓、扉の横には綴れ織壁掛けが掛けられている。その脇に鏡が置かれており、少女は自分の姿を見た。
ゆるゆると波打つ黄金色の髪。胡桃色の二重の瞳。肌はやや日焼けしていて健康的な小麦色。敷布までこぼれる長い髪に合わせて視線を下げていく。くっきりと浮き立つ鎖骨、小さな胸の膨らみ、くびれた腰、その先は敷布に隠れていて見えなかった。
少女は自分以外が部屋にいないことを理解し、そして自分が衣服を身につけていないことを認める。掛けられていた敷布をまとい、立ち上がって窓の外を覗いてみた。
陽は高く外は明るい。この部屋は建物の二階にあるらしく、窓の下には赤い庇があり、さらに下には石畳と行き交う人々の頭が見える。
白っぽい頭巾をかぶった女性、麦で作られた帽子をかぶる少女、鉄製の兜を乗せた青年、亜麻色の髪を揺らす少年……。
様々な格好をした人々が楽しそうに歩いている。
(何故、あたしはこのような場所に……?)
「痛っ……」
あまりの痛みに、少女はこめかみに手を当てる。記憶を遡ろうとしたのだが、頭痛がひどくて思い出せない。さらに過去に何があったのか思い出せないだけでなく、自分の名前さえ忘れていることがわかり、困惑する。
(あたしは……誰?)
ここがどこなのか、どうしてここに全裸でいたのか、自分が何者なのかわからなくて不安になる。
「――あぁ、やっと気付かれたのですね」
「!」
窓から一歩ほど離れたところで急に声を掛けられ、少女は声にならない悲鳴を上げると素早く声の主に身体を向ける。
部屋に入ってきたのは一人の青年だった。焦げ茶色の短髪、紺碧の瞳、日焼けした肌。白い上着に袖のない胴着を合わせた格好をしている。優しげな表情ときちんとした身なりに、少女は警戒を少々緩めつつも、相手の次の挙動を窺う。
「安心してください。僕はあなたを害するつもりはありません」
「あなた、誰?」
肩の高さまで両手を小さく挙げて攻撃の意志がないことを表現する彼に、少女は睨んだまま問う。
「僕はキース。キース=グレイスワーズです。このグレイスワーズ商店の主ですよ」
彼は部屋の扉は閉めたものの、それ以上少女には近付かずに説明する。
「あたしは、どうしてここに?」
「それはこちらが聞きたいことだったのですが……そうですね。朝、この店を開けようとしたらあなたが店の前で倒れていたのですよ」
「倒れて……?」
どういうことだろう。少女は理解できずに額に手を当てる。
「衣服も身につけておらず、もちろん身元がわかりそうな荷物も近くにはない。追剥ぎにでも遭ったのかと考えたのですが、あなたの身体を見たところ外傷はない」
「み、見た、ですって?」
少女は思わず敷布を握る手を引き上げて身を硬くする。
「え、あ、いえっ、いやらしいことはしていないつもりですよっ!? 助け起こしたときにちょっと見てしまっただけでっ」
全身を赤く染める少女に、キースは慌てて補足する。キースも真っ赤になっていた。
「そ……それで、ここに運んでくださった、と?」
気を取り直し、少女は話を促すために問う。
「は、はい。まずは部屋で介抱すべきかと思ったものですから。――あ、あの、気分が悪かったり、どこか痛かったりしていませんか? 必要であれば医者を呼びますが」
「い、いえ。そこまでしていただくわけにはいきませんから」
少女はキースの申し出に首を振る。
(彼は行き倒れになっていたあたしを拾ってくれた恩人と言うわけね。……彼が言っていることが本当だとするなら)
すべてが真実であると受け入れるには早計である気がして、少女は自分の身体に違和感がないかどうか意識を向ける。露出している腕や足の肌はとても滑らかだ。
(鏡を見たところでは変なところはなかったし、傷も痣もないみたいね。頭痛がひどいこと以外は、特に気分が悪いってことはないし……)
「あの……」
黙りこんで自分の容姿を確認している少女に、おずおずとキースが声を掛けた。
「は、はい?」
「お名前を伺ってもよろしいでしょうか? どうお呼びしたらいいのかわからなくて」
「あぁ、そうですね……」
彼に名乗らせておきながら自分が名乗っていないことに気付き、少女は申し訳なさそうな顔をする。しかし、名前すら忘れているために自己紹介ができない。
「……名前を教えたいのですが、あいにく自分の名前を思い出せませんで……」
しぶしぶ正直に少女は伝えることにする。適当な偽名を使おうかとも思ったのだが、ぱっとすぐに浮かばなかったのだ。
「え?」
少女の台詞に、キースはあからさまに驚いた顔をした。
「記憶喪失ということですか?」
「えぇ、まぁ……そういうことのようでして……」
困った。視線を外して少女が答えると、キースは哀れむような表情をした。
「それはさぞかしお困りのことでしょう」
「い、いえっ。きっと一時的なことですから、心配には及びませんわ」
少女は首を横に振る。彼にこれ以上迷惑を掛けるわけにはいかない、そう思って少女は続ける。
「あ、あの、すぐに出て行きますので」
「その格好で、ですか?」
「え、う、あ……えぇ」
意外と冷静な指摘に、少女は首を縦に振る。衣服を身につけずに倒れていたと言うのだから、着る服は今のところない。
おろおろしながら答えた少女に、キースのくすっと笑う声が重なる。
「わ、笑わないでくださいっ!」
「僕のこと、嫌いですか? そんなに慌てて出て行こうとしなくてもいいのに」
あまりにも寂しげにキースが言うので、少女は自分の調子を崩される。とにかくこの場を繋いで、追い出される前に自分から出て行こうと懸命に台詞を考える。
「で、ですが、ご迷惑でしょうから――」
「迷惑だと思っていたら、助けてこちらに運んだりしませんよ」
それもそうかも知れない。そう納得しかけて、少女はあることに気付く。
「じゃ、じゃあ、あたしの身体が目的で――」
「えっと、その発想はさすがになかったな……でも、違いますよ」
一瞬だけきょとんとした顔をして、キースは苦笑しながら否定する。
「ですが……」
(この男は何を考えているのだろう……)
会話をしている限りでは悪い人間には思えない。少なくとも今は味方でありそうだ。
(商人らしいけど、あたしを売ったりしないわよね……?)
疑惑の目を向けると、キースはやんわりと微笑んで見せた。
「そんなに信用ありませんか? まぁ、あなたの過去に何があったのかは存じませんので何とも言えませんが、頼ってくださって構いませんよ。僕は独り身でして、親も兄弟もここには住んでいませんから」
(……独りぼっち?)
そう説明されて、少女はふと思う。
(あたしは今、右も左もわからない上、自分自身もわからない。正直に言って不安だわ。どこに行けばいいのかもわからないし、頼る場所もない。つまりそれって――)
孤独だということだ――そんな結論を導いて、彼が自分を保護してくれた動機に思い当たる。親切にしてくれた一番の理由は、寂しさが彼にあったからだ。
少女の表情から警戒の色が消えていく。
「あなたの面倒をしばらく見ることができる程度には蓄えもあるつもりです。もし、行く当てがあるのでしたら無理に引き止めたりはしませんが、遠慮せず記憶が戻るまでこちらにいてください」
「そ……そうおっしゃるなら」
このままの状況で外に出たとしても、大海に落ちた一枚の葉のごとくもみくちゃにされて沈んでしまうことだろう。ならば、せっかく差し伸べられた手があるのだ、その手にすがるのも悪くはない。
少女がゆっくりと頷くと、キースはにっこりと笑んだ。
「――あの、あたしのことは好きに呼んでくださって構いませんから」
「ならば、そうですね……サンドラはいかがでしょう?」
「サンドラ?」
しばし悩んだような顔をした後の提案。少女は与えられた名を繰り返す。
「思い付きですので、深い意味はないのですが。嫌でしたら他に考えますよ」
「いえ。――サンドラ、か。いい名前ですね。ありがとうございます」
特に拒否する理由もない。何度か呟いてみて、不思議と馴染む響きだと感じられた。
「気に入っていただけたら何よりです。――では、サンドラさん。服を用意いたしますから、着替えてください。その間に食事を用意しましょう」
「は、はい。キースさん、ありがとうございます!」
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