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4:私の選択
休憩時間にしようか
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「ここは利点が多い土地なんだよ。うっかり壊しても、始末書で済ませられるし」
「近隣に大きな街がないからですか? あの研究施設も廃墟でしたし、この瘴気があるから人は住めないですよね」
昨日訪ねた研究施設のことを思い出す。その周辺は深い森で、人家があるようには感じられなかった。
そもそも瘴気が濃く活動に向かない。森なのだから小動物や鳥がいてもいいだろうけれど、そんな気配もないのだった。
「そういうことだ。精霊使いは耐性があるし、鉱物人形で浄化できる。一般人は生活できないし、魔物は活動できるとはいえ、結界を張っていればそう心配は要らないからなあ」
「なるほど……」
空いているからという理由だけで選ばれたわけではないということだ。
オパールが周囲を見渡して、両手をポンと叩いて合わせた。
「――よし、片付けも終わったし、少し休憩にするか。昼食はオレが担当するから、料理に興味があったら昼前にここに手伝いに来てくれ。ま、ひとりでも充分だから、休みたければ休んでいていいぞ」
「じゃあ、一度部屋に戻りますね」
「昼食の時間は前に知らせた通りだからな。あまり遅れてくれるなよ?」
そう告げて、オパールはアメシストとシトリンに釘を刺すようにそれぞれを見つめる。
ふたりはハッとするような顔をした。たぶん、朝食に呼ばれたことを思い出したのだろう。
「はーい」
「遅れないように気をつける」
反省しているという顔をして返事をするので、オパールはニコッと笑った。
「わかっているならそれでいい。じゃ、解散」
オパールの号令で、私はふたりを引き連れて厨房を出る。その後ろで、スタールビーがオパールに呼び止められているのが目に入った。
私が聞いていたら困る話、かな?
スタールビーの事情聴取はまだだったと思う。オパールは協会から任されているのかもしれない。
「どうかしたか?」
シトリンに声をかけられて、私は小さく首を横に振った。
「ううん。部屋に戻りましょう」
あれ? この流れだと私の部屋に案内することにならないか?
一抹の不安を抱えながら、私は食堂を出たのだった。
※※※※※
私室に戻ってきた。私を部屋に送ると、アメシストとシトリンは自室に帰るらしい。
そうだよねえ。
護衛でもあるのだ。私の部屋のほうが食堂から遠いのだし、そこまで送り届けるのは自然ではある。
ほうけた顔をしてしまったのだろう、アメシストがいたずらっぽく笑う。
「――ふふ。お部屋にいれてくれるのかい?」
「ああ、いえ」
私は慌てて首を横に振った。そばにくっついているのが当然だと考えてしまうくらい、彼らに気を許してしまっている事実を認めて恥ずかしくなる。
ステラに対してはずっとうっとうしいと思っていたのにな……
シトリンが首を傾げる。
「近隣に大きな街がないからですか? あの研究施設も廃墟でしたし、この瘴気があるから人は住めないですよね」
昨日訪ねた研究施設のことを思い出す。その周辺は深い森で、人家があるようには感じられなかった。
そもそも瘴気が濃く活動に向かない。森なのだから小動物や鳥がいてもいいだろうけれど、そんな気配もないのだった。
「そういうことだ。精霊使いは耐性があるし、鉱物人形で浄化できる。一般人は生活できないし、魔物は活動できるとはいえ、結界を張っていればそう心配は要らないからなあ」
「なるほど……」
空いているからという理由だけで選ばれたわけではないということだ。
オパールが周囲を見渡して、両手をポンと叩いて合わせた。
「――よし、片付けも終わったし、少し休憩にするか。昼食はオレが担当するから、料理に興味があったら昼前にここに手伝いに来てくれ。ま、ひとりでも充分だから、休みたければ休んでいていいぞ」
「じゃあ、一度部屋に戻りますね」
「昼食の時間は前に知らせた通りだからな。あまり遅れてくれるなよ?」
そう告げて、オパールはアメシストとシトリンに釘を刺すようにそれぞれを見つめる。
ふたりはハッとするような顔をした。たぶん、朝食に呼ばれたことを思い出したのだろう。
「はーい」
「遅れないように気をつける」
反省しているという顔をして返事をするので、オパールはニコッと笑った。
「わかっているならそれでいい。じゃ、解散」
オパールの号令で、私はふたりを引き連れて厨房を出る。その後ろで、スタールビーがオパールに呼び止められているのが目に入った。
私が聞いていたら困る話、かな?
スタールビーの事情聴取はまだだったと思う。オパールは協会から任されているのかもしれない。
「どうかしたか?」
シトリンに声をかけられて、私は小さく首を横に振った。
「ううん。部屋に戻りましょう」
あれ? この流れだと私の部屋に案内することにならないか?
一抹の不安を抱えながら、私は食堂を出たのだった。
※※※※※
私室に戻ってきた。私を部屋に送ると、アメシストとシトリンは自室に帰るらしい。
そうだよねえ。
護衛でもあるのだ。私の部屋のほうが食堂から遠いのだし、そこまで送り届けるのは自然ではある。
ほうけた顔をしてしまったのだろう、アメシストがいたずらっぽく笑う。
「――ふふ。お部屋にいれてくれるのかい?」
「ああ、いえ」
私は慌てて首を横に振った。そばにくっついているのが当然だと考えてしまうくらい、彼らに気を許してしまっている事実を認めて恥ずかしくなる。
ステラに対してはずっとうっとうしいと思っていたのにな……
シトリンが首を傾げる。
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