104 / 195
本編
素敵なモノをお持ちですね
しおりを挟む
「これはお手伝いして下さったファル坊っちゃまへのご褒美です。中にお菓子が入れてあるのでよかったら食べて下さいね」
渡されたのはショルダーバッグだ。
黄色い大きなお花の形をしているが、これは女児向けではないだろうか。
一応、小さいが自分の性別は男なのだがお花型のバッグは本当に男女兼用か疑問に思ってしまう。
だがメイドさん5人が全員、期待して待っているのでとりあえず着けてみた。
長さも丁度良く、斜めに付けると腰の位置にお花が咲いた。
「坊っちゃま、お似合いです!」
セイバースさんとメイドさん達は大興奮で誉めてくれたので、似合ってはいるのだと思う。
早くカッコいいデザインが似合う大人になりたい。
次は何処に行こうか迷っていると前から狸獣人の兄弟と狼獣人の従僕トリオが歩いて来た。
彼らは3人とも素晴らしい立派な尻尾をお持ちである。
いつも尻尾で遊んでくれるので毎回尻尾に抱きついてしまうのも仕方がないだろう。
「おてちゅだい、ありましゅかぁ」
3人一緒という事は今から何か仕事をするのだと思う。
着いて行きたいが邪魔をしてはいけない。
従僕さん達は毎回重い物を運んだり、高いところで作業したりするのでチョロチョロしているだけで迷惑だろう。
「坊っちゃま!今から旧書庫の整理をするのですが、自分らはいつも尻尾が揺れてしまって埃が舞ってしまうのです。尻尾を押さえていてもらえますか?」
素晴らしい。
役得すぎるお手伝いだ。
「まかしぇて!ちっぽ、おしゃえるよぉ」
ウキウキしながら旧書庫まで移動する。
旧書庫といってもキチンと掃除が行き届いている様で、そんなに埃は溜まっている様には見えなかったが彼らの尻尾は立派なので埃が吸着しやすいのかもしれない。
「まじゅは、ロウしゃんの、ちっぽねぇ」
狼獣人の彼の名前はロウ。
因みに狸獣人兄はタッソ。
弟はテホンだ。
やはり男同士なのでメイドさんよりも仲良くなったと思う。
「お願いします」
白いふさふさの尻尾に抱きついて押さえ込む。
何という心地よさだろう。
たまに左右に揺れるので気は抜けないが、全身で堪能する。
「うごいちゃ、だめよぉ。いいこ、おとなちく、しゅるのぉ」
動かない時を見計らい、ヨシヨシと撫でておく。
「ちゅぎは、タッショしゃんねぇ」
ロウが梯子に昇ると言うので続いてタッソの尻尾に抱きついた。
ロウよりはふさふさ感は少ないが、尻尾先だけ黒色でとても可愛らしい。
タッソは本棚の最下層の整理らしく床に膝をついているので尻尾もおのずと床の上だ。
尻尾が動くと箒の様になってしまうので慌てて尻尾に跨り固定した。
「いちゃくない?」
「はい。そのまま座っても大丈夫ですよ。坊っちゃまは軽いですから」
魅力的なお誘いをもらったので、もちろん座らせてもらう。
ふかふかしているのでとても気持ちがよかった。
座り込んでの固定が良かったのかあまり動く事がなくタッソの仕事はすぐに終わってしまった。
渡されたのはショルダーバッグだ。
黄色い大きなお花の形をしているが、これは女児向けではないだろうか。
一応、小さいが自分の性別は男なのだがお花型のバッグは本当に男女兼用か疑問に思ってしまう。
だがメイドさん5人が全員、期待して待っているのでとりあえず着けてみた。
長さも丁度良く、斜めに付けると腰の位置にお花が咲いた。
「坊っちゃま、お似合いです!」
セイバースさんとメイドさん達は大興奮で誉めてくれたので、似合ってはいるのだと思う。
早くカッコいいデザインが似合う大人になりたい。
次は何処に行こうか迷っていると前から狸獣人の兄弟と狼獣人の従僕トリオが歩いて来た。
彼らは3人とも素晴らしい立派な尻尾をお持ちである。
いつも尻尾で遊んでくれるので毎回尻尾に抱きついてしまうのも仕方がないだろう。
「おてちゅだい、ありましゅかぁ」
3人一緒という事は今から何か仕事をするのだと思う。
着いて行きたいが邪魔をしてはいけない。
従僕さん達は毎回重い物を運んだり、高いところで作業したりするのでチョロチョロしているだけで迷惑だろう。
「坊っちゃま!今から旧書庫の整理をするのですが、自分らはいつも尻尾が揺れてしまって埃が舞ってしまうのです。尻尾を押さえていてもらえますか?」
素晴らしい。
役得すぎるお手伝いだ。
「まかしぇて!ちっぽ、おしゃえるよぉ」
ウキウキしながら旧書庫まで移動する。
旧書庫といってもキチンと掃除が行き届いている様で、そんなに埃は溜まっている様には見えなかったが彼らの尻尾は立派なので埃が吸着しやすいのかもしれない。
「まじゅは、ロウしゃんの、ちっぽねぇ」
狼獣人の彼の名前はロウ。
因みに狸獣人兄はタッソ。
弟はテホンだ。
やはり男同士なのでメイドさんよりも仲良くなったと思う。
「お願いします」
白いふさふさの尻尾に抱きついて押さえ込む。
何という心地よさだろう。
たまに左右に揺れるので気は抜けないが、全身で堪能する。
「うごいちゃ、だめよぉ。いいこ、おとなちく、しゅるのぉ」
動かない時を見計らい、ヨシヨシと撫でておく。
「ちゅぎは、タッショしゃんねぇ」
ロウが梯子に昇ると言うので続いてタッソの尻尾に抱きついた。
ロウよりはふさふさ感は少ないが、尻尾先だけ黒色でとても可愛らしい。
タッソは本棚の最下層の整理らしく床に膝をついているので尻尾もおのずと床の上だ。
尻尾が動くと箒の様になってしまうので慌てて尻尾に跨り固定した。
「いちゃくない?」
「はい。そのまま座っても大丈夫ですよ。坊っちゃまは軽いですから」
魅力的なお誘いをもらったので、もちろん座らせてもらう。
ふかふかしているのでとても気持ちがよかった。
座り込んでの固定が良かったのかあまり動く事がなくタッソの仕事はすぐに終わってしまった。
110
お気に入りに追加
3,385
あなたにおすすめの小説
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
俺の異世界先は激重魔導騎士の懐の中
油淋丼
BL
少女漫画のような人生を送っていたクラスメイトがある日突然命を落とした。
背景の一部のようなモブは、卒業式の前日に事故に遭った。
魔王候補の一人として無能力のまま召喚され、魔物達に混じりこっそりと元の世界に戻る方法を探す。
魔物の脅威である魔導騎士は、不思議と初対面のようには感じなかった。
少女漫画のようなヒーローが本当に好きだったのは、モブ君だった。
異世界に転生したヒーローは、前世も含めて長年片思いをして愛が激重に変化した。
今度こそ必ず捕らえて囲って愛す事を誓います。
激重愛魔導最強転生騎士×魔王候補無能力転移モブ
腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います
たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか?
そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。
ほのぼのまったり進行です。
他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。
贖罪公爵長男とのんきな俺
侑希
BL
異世界転生したら子爵家に生まれたけれど自分以外一家全滅という惨事に見舞われたレオン。
貴族生活に恐れ慄いたレオンは自分を死んだことにして平民のリオとして生きることにした。
一方公爵家の長男であるフレドリックは当時流行っていた児童小説の影響で、公爵家に身を寄せていたレオンにひどい言葉をぶつけてしまう。その後すぐにレオンが死んだと知らされたフレドリックは、以降十年、ひたすらそのことを悔いて生活していた。
そして十年後、二人はフレドリックとリオとして再会することになる。
・フレドリック視点は重め、レオン及びリオ視点は軽め
・異世界転生がちょいちょい発生する世界。色々な世界の色々な時代からの転生者の影響で文明が若干ちぐはぐ。
・世界観ふんわり 細かいことは気にしないで読んでください。
・CP固定・ご都合主義・ハピエン
・他サイト掲載予定あり
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
【本編完結済】前世の英雄(ストーカー)が今世でも後輩(ストーカー)な件。
とかげになりたい僕
BL
表では世界を救った英雄。
裏ではボクを狂ったほどに縛り付ける悪魔。
前世で魔王四天王だったボクは、魔王が討たれたその日から、英雄ユーリに毎夜抱かれる愛玩機となっていた。
痛いほどに押しつけられる愛、身勝手な感情、息苦しい生活。
だがユーリが死に、同時にボクにも死が訪れた。やっと解放されたのだ。
そんな記憶も今は前世の話。
大学三年生になった僕は、ボロアパートに一人暮らしをし、アルバイト漬けになりながらも、毎日充実して生きていた。
そして運命の入学式の日。
僕の目の前に現れたのは、同じく転生をしていたユーリ、その人だった――
この作品は小説家になろう、アルファポリスで連載しています。
2024.5.15追記
その後の二人を不定期更新中。
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる