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309 疎外と阻害②

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 スキル<魔力操作>から派生して習得する、<魔力同調>。それは魔力を自分の支配下に置くのではなく、余所の支配下に置かれた魔力に、自身の魔力を合わせるスキルだ。効果範囲の変更や、結果の操作、更には効果の上乗せなどができる。実力差があれば、操作権そのものを奪う事すら可能になる上位スキルになる。これは、個人差が出る魔法と違い、意思が反映されず一定の効果を発揮する魔道具に対しては、殊更効果を発揮する。

 <結界>に干渉し、<結界>内に暴力的なまでの光と音が駆け巡る。殺傷能力はないが、相手の感覚と意識を奪うのに、これ程優良な方法はない。なにせこれは術者が設置した<結界>内で、術者と同じ波長の魔力で発生した現象であり、指向性を持った攻撃ではない・・・・・・のだ。自分で自分の力を阻害しないのと同じように、防御系のスキルの大半が反応せず、そのままを受け入れる事となる。

「!!!???」

 五感を潰された男は、<結界>を維持できずその場で蹲る。問題の<結界>が消滅し立ち塞がる障害が無くなったことで、衛兵たちは一斉に飛び掛かる。

 ローブ姿の方は他者の魔力と言う事で、通常通り抵抗できていたのだが、向かって来る相手に反応を示すも、衛兵たちがそれ以上の速度で迫り、余計な事をする前に切り伏せていく。
 そして、問題の男の隙を逃す訳が無く、確実に仕留めるとばかりに幾人も迫り、無防備な男に向けて、渾身の一撃を見舞う。

「■■!?」
「イィ゛!?」

 魔力による防御も無しに受ければ、普通であればただでは済まない。だが、振り下ろされた剣は肉に食い込むが切り裂くには至らず、人によっては突き出した槍が刺さらずに突っかかっている。

 傷らしい傷もつけられず、碌なダメージを与えられない。それは、体外に纏った魔力ではなく、純粋なステータスの差によって弾いていた。人に振るったとは思えない手応えを前に、衛兵たちは動揺のあまり目を見開く。

「クソ!」
「■■―――!」
「おわ!?」

 痛みで呻き声を上げた男に向けて、再度攻撃しようとする衛兵たちであるが、その前に男が一声上げると、<結界>を再展開し周囲の者を押し退ける。無差別に弾き出したのか、仲間であるローブ姿の者まで纏めて弾かれている。

「■■、■■、■■■!」
「識別選別はできないみたいだな……っと」

 息を荒げながら、見えない目を擦り、苛立たし気に悪態をつく男。その間に弾き出されたローブ姿の者達は、体勢を立て直す前に、衛兵たちが次々と首を刎ねていく。

 それに伴い、何重にも展開されていた<結界>を張っていた者が居なくなったのか……男の<結界>と、防壁の上に張られた<結界>だけが残された。

「防壁の上の<結界>を張っている奴は?」
「おそらく、防壁の奥に弾かれた奴らが張っているんだろう。奴の後ろに居た奴らだ、ここからでは手を出せない」
「つまり、奴を如何にかしないと、追跡は無理か」

 張られた<結界>の手前、避難場所の内側は鎮圧が済みつつある。だが、防壁の外ではローブ姿の者が数名残っており、その更に奥には、入場待ちをしていた民が襲われている姿が、防壁に空いた穴から見える。

 商隊に扮して紛れていたのか……外では今でも悲鳴と怒号が上がり、攫われて来た民が、天幕で偽装されていた檻付きの馬車に押し込まれ、詰め込み次第その場を離れている。その中には、引き摺られて運ばれる瀕死の者も見られる。
 迂回などしている暇もなく、既に離れた馬車を追える程、彼等は速くなく足も無い。壁に張られた<結界>が残っている現状、彼等ができる事と言えば、仲間を信じ、この厄介な男が他の邪魔にならない様に抑え込むくらいだ。

「駄目だ、先と違って密度が高い。俺のスキルレベルでは、もう一度干渉するのは無理だ」
「相手も警戒している様だし、同じ手は通用しないか」

 先程と同様に衛兵の一人が<結界>に触れ、男が張った<結界>に干渉しようとする。だが、警戒してかビビってか……男がガチガチに防御に徹している為、魔道具によって展開した<結界>に男の力が籠っており、干渉し他の効果を割り込ませる余裕が残されていない。また<結界>そのものを操作しようにも、<結界>を意識現状維持されてしまった今では、それもできなかった。

「ちょっと邪魔するぜェ」

 攻撃しても効果がなく、干渉することもできない。周りの<結界>を剥し術者は仕留めたが、それまでだ。今も尚襲われている、避難民の救助には至れていない。手の出しようのない現状を前に、衛兵たちが行き詰っていると、彼等の後ろから声が掛けられる。

 その声の主は、衛兵たちの間をするりと抜けると、男の展開した<結界>の前までやって来た。

「■■? ■■■■■■」
「ハハハ、何言ってるか全くわかんねェや」

 やって来たのは、獣人……斑模様の体毛とすらりと長い手足が特徴の、豹の猫人だ。
 その姿を見た男は、場違いな奴がやって来たと言わんばかりに、訝しげに片眉を上げる。退けと言わんばかりにシッシと手を振るが、その仕草と視線は、まるで野良猫を見るかのように、人に対して向けるものではなかった。

 そんな男の態度に対して、豹人はウンザリとばかりに両手を上げる。

「稀にいるよなァ、お前みたいな奴。自分以外は全部道具か家畜と思っている奴の目だわ。人間至上主義ってやつぅ? ここら辺で出ないと思ったら、こんな形で出会うとはねェ」
「苦労を知らず他者を見下し思い通りに生きてきた奴か、もしくは他者を見下すだけの実力を持った奴か……能力はある様だが、強者が放つ独特の迫力がない。ふむ、判断に困るな」

 豹人の言葉に対し、大剣を担いだ牛人が、ずしずしと重い足取りで現れる。その他にも、建物の屋根や裏路地から……武装した多種多様な獣人たちがぞろぞろと、各々の足取りで集結する。

 集まって来たのは、避難場所の各地に散っていた、アルサーンの獣人達だ。近い者や足の速い者から続々と集まって来ており、今も尚、増え続けている。

「来てくれたか、助かる」
「こちらこそ、仲間の延命をしてくれて感謝する。ここからは我々が前へ出よう」
「外は他の奴に任せて、俺達はこれをヤルぜェ」
「壁に張られた<結界>の縁付近に居た他の奴や……騎士だったか? 足を持つそいつらが追っているらしい。故に、此奴に全力で当たるぞ」
「了解だ」

 衛兵たちに代わり、獣人達が前に出る。

 草人よりも獣人の方が、身体能力に優れた者が多い。彼等の方が前衛向きである事は、衛兵たちも承知の上、且つ事前に決めていた隊列でも獣人が前衛を張る陣形を採用して居た為、そこでもたつくことはしなかった。

「話を聞く感じ、触っても問題ない感じかァ?」
「うむ、後から来て申し訳ないが、そちらに手が無いのであれば、我々がやってみよう。そちらは後方支援を頼む。後から来る奴らは、好きに使ってくれて構わない」

 相手が動かない事を良いことに、獣人達に対し衛兵たちが、目の前で堂々と相手の説明をする。目の前の厄介な男と、その男が張った<結界>について、特に重点的に話す。それさえ潰せれば、後はそれ程邪魔でも危険でもないと判断した故だ。

 話を聞き終えると、豹人がコンコンと軽く<結界>を小突く。それに対して男が顔をしかめるが、反撃の手段がないのかそれ以上の行動はおこさない。
 反面、男の反応を見た豹人は、<結界>から伝わる感触と合わせ、ニヤリと笑みをこぼす。

 豹人が言えた事ではないかもしれないが、感情を表に出すのは愚の骨頂だ。嫌そうな顔をすると言う事は、やられたら不都合があると言っている様なものだからだ。
 それを利用して、相手にミスリードを誘っている可能性もあるが、目の前の男が、それ程優秀な相手には見えない為、その線は薄いだろうと豹人は判断する。

 ……もし、そこも含めて演技だとしたら、たいしたものである。

「愚者か強者か……うんじゃまァ、どっちか試してやりましょうかねっと」
「そうだな、どちらにせよ同胞をこれだけやられてタダで返す訳にもいかん。快気祝いだ。派手にやるぞ」

 豹人が腰を落とし、両拳を握る。
 牛人は肩に担いでいた大剣を両手に持ち、いつでも振るえる様にと構え直す。

「ふぅ……行くぜェ」

 そう言うと豹人は、握り拳を<結界>へと叩きつける。だがその拳は、音もなく<結界>によって防がれた。

「■」
「ウォラァァァーーー!」
「■■!?」

 豹人の行動に対し、男が小馬鹿にした様に鼻を鳴らす。だが、続けて放たれた攻撃に苦悶の声を上げる事となる。

 ラッシュ……文字通り目にも留まらぬ速さで撃ち込まれる拳は、風切り音を唸らせ、何十、何百と、止まることなく叩きこまれる。
<結界>に打ち付ける音はしないものの、まるでそこだけ暴風でも吹き荒れているかの様な激しさだ。

「おォう、変わった感触だな? ハハハ! 全っ然割れねェ!」
「退け」
「はいよッ!」

 一発一発の威力も決して軽くなく、ローブ姿が張っていた<結界>であれば、悠々と砕きうる猛攻。既に破壊できていても、なんら不思議ではないのだが、男が張った<結界>はびくともしない。

 空回りする己の攻撃に、笑い声を上げる豹人。そこへ牛人が一声かけると、豹人は瞬時に横へ除け、そこへ牛人が大剣を振りかぶる。すると、金属の板が引き千切れるかの様な、何とも言えない不快な音が鳴り響いた。

「成る程、この感じは<空間魔法>、いや<絶対防御>か。攻撃するだけ無駄だな」
「俺的には、その分厚い大剣をひん曲げる旦那の馬鹿力の方がおっかねェわ」

 牛人は、手に持った大剣を投げ捨て、代わりの剣を鞘から抜く。投げ捨てた大剣はひしゃげ、中ほどからくの字に折れ曲がっていた。

 弾かれるでも砕けるでもなく、折れ曲がる。衝撃が加わったのではなく、固定した状態で力が加わった、もしくは、頑丈な壁に押し付け、力任せに押し曲げたかのような壊れ方をした大剣を前に、牛人が相手の能力に当りを付ける。

<絶対防御>……過程を無視し、防いだという結果だけを引き起こす。

 例えそれが、竜による一撃であろうと必ず防いで見せる。幾ら強烈な攻撃であろうとも、彼の能力の影響下にある<結界>は、絶対に破壊されない。男が持つ余裕の根拠がここにあった。

 先ほどは不意を突かれ<結界>を解いてしまったが、もうそんなヘマはしないと意気込んでいる今の男が張る<結界>を、この場に居る彼等で破壊するのは困難である。

 ……そう、破壊しようとするのであれば、だ。

「この手の能力は、結果だけを引き起こす。この場合は、攻撃を防いだって結果だ。威力途中は要らねぇ、必要なのは結果の数、攻撃を防いだ結果だけを積み重ねろ。それだけ相手は消耗する」

 竜や牛人の一撃だろうと、それこそ羽虫による一撃も、この能力の前では等しく一発。それこそ、先ほど豹人が<結界>を小突いた程度のことでも、相手に消耗を強いることができるのだ。

 どれだけ相手のステータスが高かろうと、生物である限り保有する魔力には限界がある。そしてこの手の能力は、軒並み膨大な魔力を消費する。

 であれば、後は簡単だ……削り切れば良い。

「投石でもなんでもいい、攻撃の種類と手数を増やせ! 攻撃に加われない奴は後ろに回り込んで、あいつ等ローブ姿だ。壁に張られたちゃちな<結界>なら、簡単に壊せるだろう。ぶっ壊して、足の速い奴を突っ込ませて仕留めろ。その後は、裏からも叩く!」
「囲って叩け! 能力を使わせ続けろ! 守っているだけではジリ貧だと言う事を、この馬鹿に教えてやれ!」
「「「おぉ!!!」」」

 方針が決まれば、後は動くだけ。集まった獣人達が一斉に<結界>に群がり、小突き、引っ掻き回す。スペースが足りず接近できない者は、手頃な石や矢など<結界>の天井部を狙う。

 攻撃力と機動力に優れた者は、防壁の上に張られた<結界>へ向かい裏取りを狙う。男が張った<結界>とは違う為、すぐに穴が開くことだろう。いくら修復され様とも、それ以上の速度で破壊すれば良く、彼等の力であればそれが可能だ。
<結界>を抜けさえすれば、<結界>を張るローブ姿の者達は早々に処分できる。それさえいなく成れば、後方からも男が張った<結界>を叩く事ができる。

 滅多打ちリンチが、始まろうとしていた。
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