237 / 330
225 名付け
しおりを挟む
「「「わーわー」」」
世界樹さんの発言を受けて、ものの数分で広場に集まる主要魔物達。
世界樹さんの名前ねぇ……世界樹さんが外の人と接触する事を考えていませんでしたし、そもそも世界樹と言えば大体納得するでしょうから、全然気にしていませんでした。
あーでもない、こーでもないと、ワーワー話し合う姿をながめる。どれぐらい時間経ちましたかね~、軽く半日は経ちましたかね~。確かに大事な事かもしれませんが、君ら本気過ぎるでしょ。
「お母様の名前ですわよ!? お父様みたいに適当に決めて良いものではありませんわ!!」
「「「そうだそうだーーー!!」」」
「ちょ、酷くない?」
名は体を表すでは無いですが、シンプル且つ分かり易くて良いではありませんか。ルナさんだって、その後何も言わなかったじゃ無いですか。
「その場のノリで決めたお父様がイケないのですわ! 相談する暇すらなかったではありませんか!?」
いや、確かにあの時は必要に迫られて、その場のノリと勢いで決めましたけどね? そんな事言ったら、世界樹さんの方が酷いですよ?
「お母様の名付け方?」
「なの!?」
何故に驚くのですか。俺が皆さんの名前を決めた時もスパッと決めましたが、世界樹さんの方がよっぽど酷いでしょうに。
「モフモフしてるからモフモフなの~……とか、フワフワしてるからフワフワなの~……とか、命名理由も、掛けた時間も一瞬「な~の! どんどんアイディアを出すなの!」お~い」
都合が悪くなると、す~ぐ話を逸らすんですからこの植物は……まぁ、良いですけどね。
しかし、名前ですか……う~ん、世界樹にちなんだものが良いですよね。もしくは、神様の名前からとるとか?
「お母様がその程度の存在から名前を取るなど、有り得ませんわ!」
「神は敵だー」
「「「だーーー!」」」
えぇ……ほぼほぼ全員拒絶って、何故にそこまで嫌がるのですか?
「お父様を攫いましたわ!」
「「「そうだそうだーーー」」」
あぁ、そんな事も有りましたね~。いやはや懐かしい。
……そう言えば、以前コンタクトしようと念じてから、反応無いままでしたね。機能しているのか、称号?
「見えない、感じない、干渉しないならまだしも、邪魔する上に管理もできない! そんな存在、意味がないを通り越して害悪でしかありませんわ!」
「神様全部が、ショタ神みたいな存在じゃ無いと思いますがね。寧ろ幼いだけで、真っ当な部類かと」
下界の生物は崇めるものと思っている同僚とか、自分の物に手を出した相手を自分が寝込むまで報復する上司とか……そんな中に居ながらあれだけ素直なら、十分に当りでしょう。
「そもそも、お母様はそんなちっぽけな存在に収まる方ではありませんわ! もっと、こう……そう! 世界の象徴、世界そのもの! 森羅万象、全てを内包する、そんな存在ですわ!」
お~、過剰評価……と、一概に言えない評価だ~。なんせ世界樹ですからね~。
因みに世界樹って、どんな言い方がありましたっけ?
「世界の龍脈の一端を担うモノ?」
「大地に根を張り繋ぎ止めるモノ?」
「魔力を留め潤すモノ?」
世界樹を表す表現として、抽象的なモノを上げるとこんな感じらしい。はっはっは、規模がちげぇ。
「後は……ユグドラシル?」
「それじゃ結局、世界樹様って呼ぶことになるじゃん」
「ユグ様? シル様?」
「「「安直だから却下」」」
ック! 早速案が潰された。
世界樹に由来するモノ全般がだめだとすると、自然や世界に関する名前が良いでしょうかね? 山や海などは直接関係無いですし植物では役不足、宇宙とか星とかでしょうかね……あ、一番大事な事を忘れていました。
「世界樹さんは、何か要望とか有りますか?」
「名乗る時に必要なだけだから、何でも良いなの」
「では、そうで「分かり易くて、覚えやすくて、優雅で、大きくて、強くて、カッコイイ私に相応しい名前なら、何でも良いなの!」ア、ハイ」
うん。それ、何でもよくないね。まったく、この植物は……自分大好きか。
う~ん、世界樹さんを連想させる言葉ね~……ぱっと思いつくものが無い。仕方が無いのでコアさんネットで検索っと。何か良いものありません?
~ 了解。人族の名前一覧より抜粋。翻訳します ~
そんなデータがあるので? って、画面に文字の羅列がズラッと表示される。
これ、全部名前ですか。昔の英雄の名前やら言葉の意味などなどこみこみで……コアさん、マジでコアさん。
当然のことだが、意味が同じでも言語が違えば発音は違う。まぁ外国人の名前が何を意味するとか普通は知らんでしょうし、意味は参考程度に、最終的には音のニュアンスで決めるのが良さげでしょうかね?
「一覧が有るので、皆さん参考にどうぞ」
「丸投げなの!?」
だって~、俺ネーミングセンス無いんですも~ん。スキル解除と反動のせいで、割とマジで思考力落ちているんですよ。いや、本当にすまん。このままやってもロクな結果になりませんって~。
「言っておきますが、お父様に決めて貰いますわよ」
「え?」
「立場的にも格的にも、お父様しか居ないのですわ」
(親の名前を子が付けるって、変じゃない?)
「「「そうだそうだーーー!!!」」」
うぐ、言われてみれば、確かに一理ありますね。世界樹さんより上の存在となると、俺と……あとコアさんしか居ないのか。
「休めといった手前心苦しくもありますが、こればかりはお願いしますわ」
「まぁ確かに。あの姿を見るとね~」
「な~の! な~の! 名前なの~♪」
何がそんなに嬉しいのやら……短い足をプラプラさせながら、楽しそうになのなの言っている世界樹さん。適当でいいとか言っておきながら、とても嬉しそうですね。
「では手始めに……これはどうです? “カミラ”。高貴な、高潔な、気高い、立派な、自由などの意味合いがある様ですね。悪くないんじゃないですか?」
「「「う~ん、微妙」」」
クッソ、辛辣……妥協する気皆無ですねこいつ等。あ~もう次々、どんどん行きましょう。
「“クロエ”若々しく美しい、全盛の、咲き誇る……って、世界樹って花咲くので?」
「……分からないなの」
~ 解。極めて稀 ~
「「「うん、却下」」」
えぇい、次!
「“シャーロット”小さくて女性らしい、自由人」
「依り代はそうかもしれませんが……」
「世界樹の偉大さを出すには、少々可愛らし過ぎませんか?」
俺的には、自由人って所に着眼したのですが……まぁいいや。他に何か良いの無いかな~と。
「あ、主様主様!? これなんてどうです“カトリーヌ”! 純粋って意味です」
「……純粋?」
「なの?」
今のを言ったのは誰ですか、世界樹さんが純粋? 真っ黒なんだよな~。いやある意味純粋かな? まっくろくろすけ的な意味で。
「……その目はな何なの?」
「いえ、なんでもっ……と、これとかどうですか? “ジェニー”肥沃なって意味ですね」
「おぉ~おぉ? ……それってどっちかと言うと、私じゃ無くて土地の事にならないなの?」
「そんな当たり前な事じゃな~」
「名前が、世界樹様に完負してるよね~」
「「「却下」」」
好感触でしたが、もう一歩が足りないご様子。グヌヌ、世界樹さんもそうですが、周りの皆さんの評価に遠慮がない。ちくせう。
「では、もう少し規模を大きくして……“エマ”全宇宙、全てを抱える、ですね。規模的にも語呂的にも悪くないのでは?」
「「「おぉ!」」」
お? 漸く審査員の方々から好感触をいただきました。後は世界樹さん次第ですが。
「気に入ったなの! エマが良いなの!」
「理由は?」
「二文字なの! ダンとコアとお揃いなの!」
随分簡単に決断したと思って理由を聞いてみれば……あ ん ち ょ く ! やっぱり人のこと言えないですよね?
「外用の名前なの。人は、自分の役割や役職、所属を名前に入れることが有るって、コアの一覧に在るなの。それなら、ダンマスのマスが立場を表すマスターの略なら、お揃いにした方が都合が良いなの。ダンマスも、外ではダン・マスで通ってるはずなの。なら私も、マスを取って、エマ・マスにすればいいなの!」
訂正、結構ちゃんとした理由が有ったわ。
なるほど、マスを苗字にして仕舞えって事ですね。そうすれば、俺の身内って事で紹介もし易いですし、身元保証も容易……あれ、結構有りなのでは?
「では、エマって事で良いので?」
(名前だけで良いの~? 人族用の名前な訳だし、人寄りの名を付けるべきじゃない~?)
「でしたら、マスを役職として、ファミリーネームも付けましょう!」
「「「賛成―――!」」」
折角決まりそうだったのに、プルさんの指摘にルナさんが乗って周りが便乗した。あ、この流れは面倒になる流れだ。あまりに長ったらしいのは嫌ですよ~?
この世界の人の名前って、どんな感じで付けているんでしょうね? ちょちょっと検索。
え~……生まれた土地や士族、部族名・信仰している神や貴族名・名・職業や階級・苗字……等々、一般市民は個人を現す名しか無かったり、最後に職業を付けたりしたりしなかったり、順番が違ったりと言った感じで、地域や種族によって違いはありますが、名前の付け方としてはこんな感じでしょうか。
身近な人で言うと……ポー・チェットさんだと、ポー士族のチェットさん。エッジさんは名しか無いので、そのまんまエッジさん。ゼニー・バランさんは、バラン商会所属(主人)でゼニー・バランさん……てな感じですね。
今回ですと、ダン・マス・何とか。エマ・マス・何とか。ついでに、コア・マス・何とかとなる感じでしょうか。
「ダンジョンはお父様のダンで使っているので、他が宜しいですわよね」
「迷宮とか?」
迷宮と言うと……ラビリンスとかメイズですかね? ……あ、一覧の中にあったわ。
「“ラビリア” 迷宮の覇者って意味ですね。迷宮攻略で王国貴族にまで至った一族が元になっているみたいですね」
「「「おぉ」」」
攻略はしていませんがね~。寧ろ創る方だ。覇者って意味なら、別に間違いでも無いでしょう。
……あれ、否定意見が上がらない。良し、このまま押し切ってしまいましょう。もう疲れたっす。
「これから世界樹さんはエマ・マス・ラビリア。俺はダン・マス・ラビリアって事で……否定意見はありませんね、ハイ決定!」
~ 了解。これよりマスターの氏名に、ダン・マス・ラビリアを追加登録します ~
~ サブマスター世界樹の氏名を、エマ・マス・ラビリアへ変更・登録します ~
「「「ワーワー」」」
よしよし、漸く命名の儀が終わりま……ん? なんか……なんか体の中に、なんか、なんだ?
~ 名付けにより、サブマスターエマと、マスターとの間に魂の回路が形成されました ~
~ 番となった事により、マスターとサブマスターの魂の回路が拡張します ~
~ 魂への負担が一定値を超えました。マスターへの負担を一部請け負います ~
~ 警告。マスターの負担が危険域に到達しました ~
~ 魂の保護の為、強制スリープモードに移行します ~
「るぅれ?」
視界が暗転する。あぁ、この感覚、なんか久々だな~。
世界樹さんの発言を受けて、ものの数分で広場に集まる主要魔物達。
世界樹さんの名前ねぇ……世界樹さんが外の人と接触する事を考えていませんでしたし、そもそも世界樹と言えば大体納得するでしょうから、全然気にしていませんでした。
あーでもない、こーでもないと、ワーワー話し合う姿をながめる。どれぐらい時間経ちましたかね~、軽く半日は経ちましたかね~。確かに大事な事かもしれませんが、君ら本気過ぎるでしょ。
「お母様の名前ですわよ!? お父様みたいに適当に決めて良いものではありませんわ!!」
「「「そうだそうだーーー!!」」」
「ちょ、酷くない?」
名は体を表すでは無いですが、シンプル且つ分かり易くて良いではありませんか。ルナさんだって、その後何も言わなかったじゃ無いですか。
「その場のノリで決めたお父様がイケないのですわ! 相談する暇すらなかったではありませんか!?」
いや、確かにあの時は必要に迫られて、その場のノリと勢いで決めましたけどね? そんな事言ったら、世界樹さんの方が酷いですよ?
「お母様の名付け方?」
「なの!?」
何故に驚くのですか。俺が皆さんの名前を決めた時もスパッと決めましたが、世界樹さんの方がよっぽど酷いでしょうに。
「モフモフしてるからモフモフなの~……とか、フワフワしてるからフワフワなの~……とか、命名理由も、掛けた時間も一瞬「な~の! どんどんアイディアを出すなの!」お~い」
都合が悪くなると、す~ぐ話を逸らすんですからこの植物は……まぁ、良いですけどね。
しかし、名前ですか……う~ん、世界樹にちなんだものが良いですよね。もしくは、神様の名前からとるとか?
「お母様がその程度の存在から名前を取るなど、有り得ませんわ!」
「神は敵だー」
「「「だーーー!」」」
えぇ……ほぼほぼ全員拒絶って、何故にそこまで嫌がるのですか?
「お父様を攫いましたわ!」
「「「そうだそうだーーー」」」
あぁ、そんな事も有りましたね~。いやはや懐かしい。
……そう言えば、以前コンタクトしようと念じてから、反応無いままでしたね。機能しているのか、称号?
「見えない、感じない、干渉しないならまだしも、邪魔する上に管理もできない! そんな存在、意味がないを通り越して害悪でしかありませんわ!」
「神様全部が、ショタ神みたいな存在じゃ無いと思いますがね。寧ろ幼いだけで、真っ当な部類かと」
下界の生物は崇めるものと思っている同僚とか、自分の物に手を出した相手を自分が寝込むまで報復する上司とか……そんな中に居ながらあれだけ素直なら、十分に当りでしょう。
「そもそも、お母様はそんなちっぽけな存在に収まる方ではありませんわ! もっと、こう……そう! 世界の象徴、世界そのもの! 森羅万象、全てを内包する、そんな存在ですわ!」
お~、過剰評価……と、一概に言えない評価だ~。なんせ世界樹ですからね~。
因みに世界樹って、どんな言い方がありましたっけ?
「世界の龍脈の一端を担うモノ?」
「大地に根を張り繋ぎ止めるモノ?」
「魔力を留め潤すモノ?」
世界樹を表す表現として、抽象的なモノを上げるとこんな感じらしい。はっはっは、規模がちげぇ。
「後は……ユグドラシル?」
「それじゃ結局、世界樹様って呼ぶことになるじゃん」
「ユグ様? シル様?」
「「「安直だから却下」」」
ック! 早速案が潰された。
世界樹に由来するモノ全般がだめだとすると、自然や世界に関する名前が良いでしょうかね? 山や海などは直接関係無いですし植物では役不足、宇宙とか星とかでしょうかね……あ、一番大事な事を忘れていました。
「世界樹さんは、何か要望とか有りますか?」
「名乗る時に必要なだけだから、何でも良いなの」
「では、そうで「分かり易くて、覚えやすくて、優雅で、大きくて、強くて、カッコイイ私に相応しい名前なら、何でも良いなの!」ア、ハイ」
うん。それ、何でもよくないね。まったく、この植物は……自分大好きか。
う~ん、世界樹さんを連想させる言葉ね~……ぱっと思いつくものが無い。仕方が無いのでコアさんネットで検索っと。何か良いものありません?
~ 了解。人族の名前一覧より抜粋。翻訳します ~
そんなデータがあるので? って、画面に文字の羅列がズラッと表示される。
これ、全部名前ですか。昔の英雄の名前やら言葉の意味などなどこみこみで……コアさん、マジでコアさん。
当然のことだが、意味が同じでも言語が違えば発音は違う。まぁ外国人の名前が何を意味するとか普通は知らんでしょうし、意味は参考程度に、最終的には音のニュアンスで決めるのが良さげでしょうかね?
「一覧が有るので、皆さん参考にどうぞ」
「丸投げなの!?」
だって~、俺ネーミングセンス無いんですも~ん。スキル解除と反動のせいで、割とマジで思考力落ちているんですよ。いや、本当にすまん。このままやってもロクな結果になりませんって~。
「言っておきますが、お父様に決めて貰いますわよ」
「え?」
「立場的にも格的にも、お父様しか居ないのですわ」
(親の名前を子が付けるって、変じゃない?)
「「「そうだそうだーーー!!!」」」
うぐ、言われてみれば、確かに一理ありますね。世界樹さんより上の存在となると、俺と……あとコアさんしか居ないのか。
「休めといった手前心苦しくもありますが、こればかりはお願いしますわ」
「まぁ確かに。あの姿を見るとね~」
「な~の! な~の! 名前なの~♪」
何がそんなに嬉しいのやら……短い足をプラプラさせながら、楽しそうになのなの言っている世界樹さん。適当でいいとか言っておきながら、とても嬉しそうですね。
「では手始めに……これはどうです? “カミラ”。高貴な、高潔な、気高い、立派な、自由などの意味合いがある様ですね。悪くないんじゃないですか?」
「「「う~ん、微妙」」」
クッソ、辛辣……妥協する気皆無ですねこいつ等。あ~もう次々、どんどん行きましょう。
「“クロエ”若々しく美しい、全盛の、咲き誇る……って、世界樹って花咲くので?」
「……分からないなの」
~ 解。極めて稀 ~
「「「うん、却下」」」
えぇい、次!
「“シャーロット”小さくて女性らしい、自由人」
「依り代はそうかもしれませんが……」
「世界樹の偉大さを出すには、少々可愛らし過ぎませんか?」
俺的には、自由人って所に着眼したのですが……まぁいいや。他に何か良いの無いかな~と。
「あ、主様主様!? これなんてどうです“カトリーヌ”! 純粋って意味です」
「……純粋?」
「なの?」
今のを言ったのは誰ですか、世界樹さんが純粋? 真っ黒なんだよな~。いやある意味純粋かな? まっくろくろすけ的な意味で。
「……その目はな何なの?」
「いえ、なんでもっ……と、これとかどうですか? “ジェニー”肥沃なって意味ですね」
「おぉ~おぉ? ……それってどっちかと言うと、私じゃ無くて土地の事にならないなの?」
「そんな当たり前な事じゃな~」
「名前が、世界樹様に完負してるよね~」
「「「却下」」」
好感触でしたが、もう一歩が足りないご様子。グヌヌ、世界樹さんもそうですが、周りの皆さんの評価に遠慮がない。ちくせう。
「では、もう少し規模を大きくして……“エマ”全宇宙、全てを抱える、ですね。規模的にも語呂的にも悪くないのでは?」
「「「おぉ!」」」
お? 漸く審査員の方々から好感触をいただきました。後は世界樹さん次第ですが。
「気に入ったなの! エマが良いなの!」
「理由は?」
「二文字なの! ダンとコアとお揃いなの!」
随分簡単に決断したと思って理由を聞いてみれば……あ ん ち ょ く ! やっぱり人のこと言えないですよね?
「外用の名前なの。人は、自分の役割や役職、所属を名前に入れることが有るって、コアの一覧に在るなの。それなら、ダンマスのマスが立場を表すマスターの略なら、お揃いにした方が都合が良いなの。ダンマスも、外ではダン・マスで通ってるはずなの。なら私も、マスを取って、エマ・マスにすればいいなの!」
訂正、結構ちゃんとした理由が有ったわ。
なるほど、マスを苗字にして仕舞えって事ですね。そうすれば、俺の身内って事で紹介もし易いですし、身元保証も容易……あれ、結構有りなのでは?
「では、エマって事で良いので?」
(名前だけで良いの~? 人族用の名前な訳だし、人寄りの名を付けるべきじゃない~?)
「でしたら、マスを役職として、ファミリーネームも付けましょう!」
「「「賛成―――!」」」
折角決まりそうだったのに、プルさんの指摘にルナさんが乗って周りが便乗した。あ、この流れは面倒になる流れだ。あまりに長ったらしいのは嫌ですよ~?
この世界の人の名前って、どんな感じで付けているんでしょうね? ちょちょっと検索。
え~……生まれた土地や士族、部族名・信仰している神や貴族名・名・職業や階級・苗字……等々、一般市民は個人を現す名しか無かったり、最後に職業を付けたりしたりしなかったり、順番が違ったりと言った感じで、地域や種族によって違いはありますが、名前の付け方としてはこんな感じでしょうか。
身近な人で言うと……ポー・チェットさんだと、ポー士族のチェットさん。エッジさんは名しか無いので、そのまんまエッジさん。ゼニー・バランさんは、バラン商会所属(主人)でゼニー・バランさん……てな感じですね。
今回ですと、ダン・マス・何とか。エマ・マス・何とか。ついでに、コア・マス・何とかとなる感じでしょうか。
「ダンジョンはお父様のダンで使っているので、他が宜しいですわよね」
「迷宮とか?」
迷宮と言うと……ラビリンスとかメイズですかね? ……あ、一覧の中にあったわ。
「“ラビリア” 迷宮の覇者って意味ですね。迷宮攻略で王国貴族にまで至った一族が元になっているみたいですね」
「「「おぉ」」」
攻略はしていませんがね~。寧ろ創る方だ。覇者って意味なら、別に間違いでも無いでしょう。
……あれ、否定意見が上がらない。良し、このまま押し切ってしまいましょう。もう疲れたっす。
「これから世界樹さんはエマ・マス・ラビリア。俺はダン・マス・ラビリアって事で……否定意見はありませんね、ハイ決定!」
~ 了解。これよりマスターの氏名に、ダン・マス・ラビリアを追加登録します ~
~ サブマスター世界樹の氏名を、エマ・マス・ラビリアへ変更・登録します ~
「「「ワーワー」」」
よしよし、漸く命名の儀が終わりま……ん? なんか……なんか体の中に、なんか、なんだ?
~ 名付けにより、サブマスターエマと、マスターとの間に魂の回路が形成されました ~
~ 番となった事により、マスターとサブマスターの魂の回路が拡張します ~
~ 魂への負担が一定値を超えました。マスターへの負担を一部請け負います ~
~ 警告。マスターの負担が危険域に到達しました ~
~ 魂の保護の為、強制スリープモードに移行します ~
「るぅれ?」
視界が暗転する。あぁ、この感覚、なんか久々だな~。
23
お気に入りに追加
5,428
あなたにおすすめの小説
宇宙からの侵略者と食堂はじめました。地球の激ウマご飯で宇宙人の様子が…?
ぽんぽこ@書籍発売中!!
ファンタジー
地球は宇宙人に侵略され、危険なダンジョンで溢れてしまった。なのに少年ナオトは、なぜかダンジョンで食堂を開くことになることに――。
主な客は、敵であるはずの宇宙人。
しかも美女・美少女ばかり。
最初は誰もがナオトを馬鹿にするのだが、彼の作る料理に魅了されていき……。
悪役令嬢?それがどうした!~好き勝手生きて何が悪い~
りーさん
恋愛
※ヒロインと妹の名前が似ているので、ヒロインの名前をシェリアに変更します。
ーーーーーーーーーーーーーー
ひょんな事からある国の公爵令嬢に転生した私、天宮 えりか。
前世では貧乏だったのに、お金持ちの家に生まれておおはしゃぎ!───かと思いきや、私って悪役令嬢なの?
そんな……!とショックを受ける私────ではなかった。
悪役令嬢がなんだ!若いうちに断罪されるって言うなら、それまでに悔いなく生きれば良いじゃない!前世では貧乏だったんだもの!国外追放されても自力で生きていけるわ!
だから、適当に飯テロや家族(妹)溺愛していたら、いろんな事件に巻き込まれるわ、攻略対象は寄ってくるわ……私は好き勝手生きたいだけなんだよー!
※完全に不定期です。主に12時に公開しますが、早く書き終われば12時以外に公開するかもしれません。タイトルや、章の名前はコロコロ変わる可能性があります。
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活
高梨
ファンタジー
ストレス社会、労働社会、希薄な社会、それに揉まれ石化した心で唯一の親友を守って私は死んだ……のだけれども、死後に閻魔に下されたのは願ってもない異世界転生の判決だった。
黒髪ロングのアメジストの眼をもつ美少女転生して、
接客業後遺症の無表情と接客業の武器営業スマイルと、勝手に進んで行く周りにゲンナリしながら彼女は異世界でくらします。考えてるのに最終的にめんどくさくなって突拍子もないことをしでかして周りに振り回されると同じくらい周りを振り回します。
中性パッツン氷帝と黒の『ナンでも?』できる少女の恋愛ファンタジー。平穏は遙か彼方の代物……この物語をどうぞ見届けてくださいませ。
無表情中性おかっぱ王子?、純粋培養王女、オカマ、下働き大好き系国王、考え過ぎて首を落としたまま過ごす医者、女装メイド男の娘。
猫耳獣人なんでもござれ……。
ほの暗い恋愛ありファンタジーの始まります。
R15タグのように15に収まる範囲の描写がありますご注意ください。
そして『ほの暗いです』
田舎貴族の学園無双~普通にしてるだけなのに、次々と慕われることに~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
田舎貴族であるユウマ-バルムンクは、十五歳を迎え王都にある貴族学校に通うことになった。
最強の師匠達に鍛えられ、田舎から出てきた彼は知らない。
自分の力が、王都にいる同世代の中で抜きん出ていることを。
そして、その価値観がずれているということも。
これは自分にとって普通の行動をしているのに、いつの間にかモテモテになったり、次々と降りかかる問題を平和?的に解決していく少年の学園無双物語である。
※ 極端なざまぁや寝取られはなしてす。
基本ほのぼのやラブコメ、時に戦闘などをします。
自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました
如月 雪名
ファンタジー
★2024年9月19日に2巻発売&コミカライズ化決定!(web版とは設定が異なる部分があります)
🔷第16回ファンタジー小説大賞。5/3207位で『特別賞』を受賞しました!!応援ありがとうございます(*^_^*)
💛小説家になろう累計PV1,820万以上達成!!
※感想欄を読まれる方は、申し訳ありませんがネタバレが多いのでご注意下さい<m(__)m>
スーパーの帰り道、突然異世界へ転移させられた、椎名 沙良(しいな さら)48歳。
残された封筒には【詫び状】と書かれており、自分がカルドサリ王国のハンフリー公爵家、リーシャ・ハンフリー、第一令嬢12歳となっているのを知る。
いきなり異世界で他人とし生きる事になったが、現状が非常によろしくない。
リーシャの母親は既に亡くなっており、後妻に虐待され納屋で監禁生活を送っていたからだ。
どうにか家庭環境を改善しようと、与えられた4つの能力(ホーム・アイテムBOX・マッピング・召喚)を使用し、早々に公爵家を出て冒険者となる。
虐待されていたため貧弱な体と体力しかないが、冒険者となり自由を手にし頑張っていく。
F級冒険者となった初日の稼ぎは、肉(角ウサギ)の配達料・鉄貨2枚(200円)。
それでもE級に上がるため200回頑張る。
同じ年頃の子供達に、からかわれたりしながらも着実に依頼をこなす日々。
チートな能力(ホームで自宅に帰れる)を隠しながら、町で路上生活をしている子供達を助けていく事に。
冒険者で稼いだお金で家を購入し、住む所を与え子供達を笑顔にする。
そんな彼女の行いを見守っていた冒険者や町人達は……。
やがて支援は町中から届くようになった。
F級冒険者からC級冒険者へと、地球から勝手に召喚した兄の椎名 賢也(しいな けんや)50歳と共に頑張り続け、4年半後ダンジョンへと進む。
ダンジョンの最終深部。
ダンジョンマスターとして再会した兄の親友(享年45)旭 尚人(あさひ なおと)も加わり、ついに3人で迷宮都市へ。
テイムした仲間のシルバー(シルバーウルフ)・ハニー(ハニービー)・フォレスト(迷宮タイガー)と一緒に楽しくダンジョン攻略中。
どこか気が抜けて心温まる? そんな冒険です。
残念ながら恋愛要素は皆無です。
【改稿版】僕は最強者である事に無自覚のまま、異世界をうろうろする
風の吹くまま気の向くまま
ファンタジー
~なぜ僕にこの力が与えられたのか?~
当面、毎日お昼の11時50分頃更新して参ります。
気が付いたら異世界。
しかも不死身になっている。
何が何だか分からないけれど、とりあえず女の子を拾ったり、勇者と出会ったり、魔王に狙われてみたり。
異世界でうろうろする内に、段々明らかになっていく、規格外の自身の力。
そして、僕は世界の命運を委ねられることになった!
......ってな感じで展開していく予定の王道ファンタジー。
主人公は監禁されたり、タイムトラベルしちゃったりしますが、基本的には完敗はあり得ません。
不死身だし。
ついでに、色んな女の子から好意を寄せられますが、割と一途で行く予定。
※本作は、私が生まれて初めて書いてネットに投稿した小説を、基本、主人公視点で改稿した物となっております。
大筋の内容に大きな変更は有りませんが、改稿自体が生まれて初めての経験でございまして、果たしてうまくいくのか、多分に実験的小説になっていたりします。
お読みになろうという奇特な方は、その点を踏まえてご覧頂きますよう、お願い申し上げます。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる