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ドラゴンスレイヤーになる

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ーー 社交界激震、下着革命


「お母様、今回売り出すものは、髪用の石鹸とリンスそれと下着でよろしいですね。」
と私は、王都にあるセロン商会から売り出す商品の確認をした。
「ええそうよ、でも一つ注意してね。下着は肌触りの最も良い物は私が直接売り込むから、商会では売らないでね。それとリンスも同じ私が特別に売り出すから髪ようの石鹸だけにしてね。」
「はい承知しました、お母様。」
と言う会話が行われた後、セロン商会からの販売が行われ始め、直ぐに王都に住む女性の顧客を虜にし始めた。
なお下着については、一つ一つが高価な物となったが耐久性から言うとかなりお安めと言えた。
だって初めに作った下着は、何年経っても全くヨレていないんですもの慌てて少し耐久性を下げたけどそれでも3年は問題ないわ。

予想通りお母様の作戦はズバリ大当たり、セロン商会からの販売でも数に限りがある女性用下着は、中々購入することが出来ない羨望の商品でありながら、さらに高品質の下着が存在するなど興味を惹かれないはずがなかった。
見えないところのオシャレこそが、貴婦人のお金をかけるところと言える。

「ただいま私の手元に最高品品質の生地が10人分ほどございます、この生地はなかなか手に入らないもので、一度使われたら二度と手放せないものと自信を持っています。今回10名と少ない数でありますがお一人5枚分の生地を用意しました。その後もここにいらしている人を優先的に販売いたします予定です。」
と言うと我先にと貴婦人たちが群がってきた。
当然お母様と親しい貴族の方は、この数には当てはまらないので余裕を持って状況を見ている。
さらにお母様が
「今回、髪を美しく保つリンスという新製品を販売することにしましたが、これについても一般には販売しておりません。数、量には制限がありますが、可能な限り販売いたします。」
と言うと我先にと注文をしていた、女性の美に対する想いは貪欲です。


かなり良い結果があったのだろう、お母様が社交から戻ると鼻歌混じりに入浴していました。
そこで新たなボディーソープを見つけます、
「これは新しい商品?またあの子が作ったのね。仕様書には・・・タオルで泡立てて泡で体を軽く包み込むように・・まあ!とても良いわ。」
と言う呟きが聞こえていた。

お風呂から出たお母様がいい笑顔で私を見ると
「あの商品いいわね。後で説明お願いね。」
と言うと部屋に戻っていった。

その後私は、何種類かのボディーソープを持ち込み説明をすることになった。


ーー 学園生活

「ベティーさん、貴方は成績及び剣技や魔法について既に学生の基準を大きく上回る成績を見せています。飛び級制度で2年ほどで卒業できるでしょう、でも貴方のやめを思えばもう少し学生を続けるのも貴方のためだと思うの。」
私を前に担任の教師が今後の話をする。
確かに久しぶりの学生生活、私ももう少し経験したいと考えていた。
前世では、女子校に通い女の醜いいじめにあった経験があるが、今度はそのような陰湿な物はまだ経験していない。
お友達もまだ少ないから、もう少し学生として友達と色々な経験をするのもいいかもしれないわね。
「はい、先生。もう少し学園で勉強してみようと考えています。」
と答えると、担任教師もホッとした顔を見せた。

その後もAクラスから授業ごとに移動しては、講義を受ける毎日が続いた。
そして今日は、友達になった同級生の家に呼ばれての誕生パーティーだ。
前世でもそれほど呼ばれた経験がなかったが、さすがは貴族社会、こう言うお披露目は必ず人を呼ぶようで小さな社交と言えそうです。

私はお母様に相談して、いくつかのプレゼントを用意していった。
子供のプレゼンhとの枠で、自領の品物または流行りの小物を贈ることがほとんどらしい。
少女と言えども貴族の子弟である以上は、それなりの物が必要で自分の家の格相当のプレゼントが要求されるようだ。
「ちょっとめんどくさいわね。」

馬車に乗りお呼ばれした少女の屋敷に着くと、既に何人かがついていたようで広間に案内されると半分ほどの席が埋まっていた。
挨拶を交わして用意してきたプレゼントを渡して席に着く。
料理は、基本的に軽い昼食にデザートと言うのが主流のようだ。

パーティーが始まり佳境になったとこで、主賓の少女がプレゼントを開くイベントに移る。
ここで各招待者の家格やセンスが問われることになる。
「これは〇〇子爵様からのプレゼントですわね、まあー素晴らしいアクセサリーだこと。」
という感じでプレゼントの中身と差し上げた家の紹介を行うのだ。
私のプレゼントの紹介の番になった、私は主役の少女のそばに移動するとプレゼントの包みを手渡す。
少女が期待の目でプレゼントの包装を開くと、そこには美しい生地と綺麗なガラス瓶3本に入った液体が。
「ベティー様これは?」
と首を傾げる少女に
「これはホワイト侯爵家で生産された、最高級下着用生地と身体と髪を美しく保つものよ。」
と答えると、様子をそばで見ていた少女の母親が目の色を変えた。
「まあー、なんて素敵なプレゼントでしょう。うちの娘に王族でも潤沢に使えない貴重な品を、ありがとうございますと侯爵夫人にお伝えください。」
と言うや商品をすぐにどこかに持って行かせた。
あまりの早業に少女が御礼を言言わすれるほでだった。

その後は特段面白いこともなくお開きとなったが、お見送りに家族全員が揃うなど手のひらを返す態度だった。
しかもその後は、同級生や上級生から誕生日のパーティーにやけに誘われるようになったが、お母様が許すもの以外は出席していなかった。

そんな学園生の生活を送っていたある日、王国騎士団から一つの依頼が舞い込んできた。
~大森林において近々大規模な魔物討伐が予定されております。ベティー殿にあっても是非ご参加をお持ちしております。騎士団団長。~
と言う文面だった。

私はお父様の許しをもらい、騎士団との合同の魔物討伐に向かうことになった。


ーー 大森林での無双


王国の騎士団と大森林と領地が接する、辺境伯の兵士合同の魔物狩りが行われる運びとなった。
数年に一度行われる行事で、大森林の魔物をできるだけ間引いてスタンピードを未然に防ぐ意味がある。
今回の魔物狩りは、予定よりも少し早いが辺境伯から、魔物が目立つようになったと言う情報を元に行われることになったのだ。

私は、我が家の快適な馬車に乗り騎士団の後方からついて行く。
5日ほどかけて大森林の外郭部にたどり着いた兵士らは、野営と拠点の設営に入る。
私はと言うと持参したログハウスを適当な場所に出して、旅の疲れを取ることにする。
連れてきたのは、侍女のスージーとメイドのカフェそれに御者のカイジの3人だ。

私はログハウスの周囲に結界の魔道具を設置して、守りを強化する。
飲み水やお風呂のお湯は、魔道具に魔石をセットすれば誰でも使うことができる。
馬車の馬用の飼い葉を馬小屋のそばに準備すれば、特にすることはなくなる。

魔物狩りは明日の早朝からと連絡が来ているので、今日は早めに休むことにした。


次の日。
騎士団の副隊長の招きで、辺境伯の兵士長と顔合わせをする、始めは驚いていた兵士長も騎士団長の言葉に納得するしかなかったようだ。
ここでの行程は5~7日、魔物を予定の数か効果を確認できたら終了という運びだ。

騎士団は300人、辺境伯の兵は100人が参加している。
33人の小隊単位で森に入る、間隔は100m幅で。
森に入るとすぐに、ゴブリンとコボルトの魔物が現れ始める。
問題なく狩る騎士ら、魔石や貴重な素材はホワイト侯爵が献上した魔法袋に収めて移動する。
今回この魔法袋が大活躍するのだが、移動がこれまでの数倍早く狩る魔物の数も数倍に上った。

移動が楽なため、騎士たちの疲れが少なく当然怪我などの被害も少なくて済む。

「ベティー殿には感謝であるな。この魔法袋は大変有用なアイテムだとお父上にお伝えください。」
騎士団団長がそう声をっけてくれた。

快調に森を進む騎士たちの前に、大型魔物が姿を現し始めた。
「あれはフオーハンドベアー、向こうがビッグボアです。」
と言う言葉に私は、
「ライジン」
と唱える。
すると素早く甲高い雷の音が魔物を包み命を刈り取る。

素早く血抜きを始める騎士たち、時間停止の魔法袋に収納する。
食料となる魔物を狩った時は、時間停止で鮮度保つのだ。
400人からの食料といえば馬鹿にならない、次々に倒す魔物を収納する騎士。

その日の夕方のは、大型の魔物50頭ほど倒したが時間停止の魔法袋はそこまで入らないので、私の収納魔法でも収納することにした。

夕食は当然魔物の肉でBBQであるが、これが強い魔物ほどうまく大森林の魔物は美味い魔物が多いのだ。

大いに食べて英気を養うと明日が最終日、そこで折り返すのだ。
今回はかなりの量の魔物を倒し、例年の3倍程にはなっていると団長が言っていた。

最終日の昼頃に事件が起きた、これで今回の魔物狩りも終わりだと折り返しの準備をしている時に、アイツは現れたのだ。
地面が揺れるような地響きが、
「何がきた!」
隊長の声が響く中、物見の兵から
「報告!地竜が現れました!」
と言う声が聞こえてきた。

ドラゴンは災悪の生き物であるがそれでも地竜はまだマシだ。
地を歩くドラゴンで移動速度が一番遅いので避難する時間があるからだ、ただし被害は壊滅的なものであるが。

地竜の弱点は強いて言えば「腹」である、硬い鱗に覆われていない唯一の場所。
しかし地流が腹を見せる可能性は非常に低い、ひっくり返すほどの衝撃を与えれば別だが。

「退避せよ!しんがりは、第一小隊が行う。俺に続け!」
隊長の声で退避行動の部隊としんがり部隊が分かれる。
「盾隊構え!魔法部隊土魔法で壁を作れ!」
「弓隊は目を狙え!」
次々に号令を発し、巨大な地竜の進行を遅らせるのが目的だ。

「ドゴーン!」
魔法部隊の土壁が粉々に飛び散る。
「撃て!」
矢が地竜の目をめがけて飛来するが、直前で壁にぶつかったように地に落ちる。
「無理か。」
「対峙しながら下がれ!」

これに対し地竜イライラしたのか、ブレスを吐く前段階の予備動作に入った。
「盾隊構え!魔法部隊結界張れ!」
鋭い号令に部隊が従うが、ドラゴンブレスには耐えられないだろうと、皆覚悟を決めた。
そこに「結界4」と言う声が聞こえたと思うと、盾隊のさらに先に新たな結界が張られた。
「ゴーッ」
ドラゴンブレスが騎士らを襲うが、新たな結界は見事にブレスを防いだ。
さらに「ライジング5」と言う少女の声が聞こえた。

「ズドドドーン!」
連続した地を震わせる音と目を焼くような光が周囲を包んだ。
「「何だ?」」
隊員たちの声が響いた後、静寂が森を包む。
「トドメ!アイアン・ランス」
と言う少女の声がさらに響くと、地面から上空に突き上がるように地竜が舞い上がり。
地竜の腹には無数の鉄の槍が突き刺さったまま、地面に叩きつけられその勢いで地竜の背に槍が突き抜けた!

「グオー」
最後の一鳴きが響くと力無く頭を地面に落とす地竜。

「倒したのか?地竜を。」
誰かが呟くと、少女が地竜の前に現れ
「討伐確認」
と一言。

唖然とする騎士団の団長に少女が
「団長!地竜を討伐しました。持って帰って良いでしょうか?」
と聞くと、「・・どうぞ。」と呟く団長に一礼した少女は、巨大な地竜を収納して見せた。


ーー ドラゴンスレイヤー


その後我に帰った団長が
「ベティー殿、地竜を討伐した、でいいのでしょうか?」
と確認してきた
「はい、討伐しました。」
とニコリと微笑む少女。
「ドラゴンスレイヤーだ・・。お見事です。」
と讃えた。

その後は特に問題なく拠点まで戻った騎士団らは、全員揃って王都に戻ることになった。
途中辺境伯の屋敷で討伐の魔物を、大量に届けて大いに感謝された。

5日後王都にもどった騎士団たちは、3日間の休養をもらい解散したが、ベティーは、団長、副団長に連れられて国王の元に。

「今回の大森林の魔物討伐大儀であった。そして地竜の単独討伐、見事である。ワシにその地竜を見せてくれんか?」
と言われたベティーは、裏庭に収納から地竜を取り出した、体長40mもある地竜は圧巻だった。
「見事である、これ程の地竜とは想像できなかった。ベティー=ホワイトその方に子爵への陞爵
を褒美としよう。」
と国王が言うと王宮に戻って行った。

その後地竜は、裏庭で解体されて素材が競売にかけられたが、その様子は公開されて多くの王都民が見物に訪れた。

競売額は、全てで金貨35000枚。
最近では最高額の売り上げであった。
騎士団の要請で参加して討伐したベティーには、金貨2000枚が報酬として渡され、それ以外は国金として王国が得たが、当然騎士団にも特別手当が渡されていた。
みんながベティーを見るとお礼を言うのがおかしかった。

そしてこの討伐でベティーには内緒にしているが、ある得点が得られていた。
それは転生者特典と言えるものだった。
レベルアップとスキルの取得だ。
レベルは当然地竜ほどの魔物を倒したのだ、かなりのレベルアップがきたがそれ以上に地竜の持っていたスキルが手の入ったのだ。
・叡智~数千年の記憶と魔法の理解
・竜力の取得~魔法及び物理無効の効果のある竜力
・不老の効果~あまりのレベルアップと魔力増加に伴い、ほぼ不老の身体に変化

「私これからどう生きればいいのかしら?また1人になるの?」
と一瞬不安を覚えたが、精神耐性スキルのおかげで前向きに変わる。
「したいことをやりまくるわ。」
と宣言していた。
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