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貴族学院
エドワードに聞く
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結局数日経っても僕の頭の中は『お兄様契約』でいっぱいだった。僕はこれ以上考えたら脳みそが出てきそうだったし、執事さんが僕の様子がおかしい事に気づいてものすごく心配しているし、限界を感じて先輩に尋ねる事にした。
そう、エドワード先輩だ。よく考えたらエドワードにはあまり学院の事を聞いたことがなかったし、12歳になったエドワードは最近グッと大人びて、多分その手の事を済ましてしまったのではないかと邪推したんだ。
僕は久しぶりに週末に帰ってきたエドワードが、僕の部屋に添い寝に来てくれたそのタイミングで疑問をぶつける事にした。
「エドワード?あの、僕尋ねたい事があるんだけど。聞いても良いかな?」
エドワードは僕の多分赤らんだ顔を見つめて、しばらく黙っていたけれど諦めたように言った。
「…何だか凄く嫌な予感がするけど…。執事にサミュエルの悩みを聞いてあげてくださいって言われたばかりだしね。何だい?」
僕はエドワードにそう言われて待たれると、途端に喉が詰まって言えなくなってしまった。だいたい何て聞くのさ。でもこれ以上くよくよ考えるのも限界だった僕は思い切って尋ねた。
「あの、エドワードは誰に手解き受けたの!?」
僕はもっとやんわり聞く予定だったのに口から放たれた言葉は何とも真っ直ぐなものだった。しかも途端にエドワードの顔が真っ赤になってしまった。
そして口元に手を当てて俯くと何かぶつぶつ言っていた。僕が待っていると、諦めたように顔を上げて琥珀色の瞳を彷徨わせて話し始めた。
「…お兄様契約について聞いたんだね?いや、私たちもいつかサミュエルに話さないといけないとは思っていたんだけど…。ああ、こんな事なら兄上に頼むんだったよ。」
そう言うとエドワードは手元にあったグラスの水を一気に飲んで話し出した。
「サミュエル、これは貴族の令息は必ず通る道と言えばそうなんだ。契約したお兄様に、細かい貴族事情や振る舞いなど暗黙の了解のような微妙なところを教えてもらうんだ。
もちろんそれだけの場合もあるけれど、大抵は大人になる過程としての性教育的なものを実際に手解きを受ける事が多い。そうで無い場合もあると聞いているけど、ただ、その方が少ないだろうね。」
僕は目をパチパチさせながら、エドワードにもう一度尋ねた。
「…それで、エドワードはその手解きを誰に頼んだの?」
エドワードはバツが悪そうな視線を僕に送ると躊躇った。僕は急にドキドキしてきていた。ローリーが言っていたじゃないか。兄上の親友に頼んだって。エドワードだって、そのパターンになるんじゃないの?
じゃあ、もしかしてマシュー様?…それともエイデン様?僕は急に緊張して胸がドキドキと震え始めたのが分かった。エドワードが誰をお兄様にしたのか知りたかった。でも一方で絶対に聞きたくない気もしたんだ。
ああ、何だろう。この騒ついた気持ちは。僕はエドワードの唇から発するお兄様の名前を息を殺して待った。
~お知らせ~
昨日公開開始した新作『二人のアルファは変異Ωを逃さない?』ですが、早速のお気に入り登録をありがとうございました♡毎朝公開予定ですが、三話目にして三角関係が始まったような…。おぼこいサミュエルと違って18歳高校生は展開早そうですwサクッと読めますのでよろしくお願いします(*≧∀≦*)
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「エドワード?あの、僕尋ねたい事があるんだけど。聞いても良いかな?」
エドワードは僕の多分赤らんだ顔を見つめて、しばらく黙っていたけれど諦めたように言った。
「…何だか凄く嫌な予感がするけど…。執事にサミュエルの悩みを聞いてあげてくださいって言われたばかりだしね。何だい?」
僕はエドワードにそう言われて待たれると、途端に喉が詰まって言えなくなってしまった。だいたい何て聞くのさ。でもこれ以上くよくよ考えるのも限界だった僕は思い切って尋ねた。
「あの、エドワードは誰に手解き受けたの!?」
僕はもっとやんわり聞く予定だったのに口から放たれた言葉は何とも真っ直ぐなものだった。しかも途端にエドワードの顔が真っ赤になってしまった。
そして口元に手を当てて俯くと何かぶつぶつ言っていた。僕が待っていると、諦めたように顔を上げて琥珀色の瞳を彷徨わせて話し始めた。
「…お兄様契約について聞いたんだね?いや、私たちもいつかサミュエルに話さないといけないとは思っていたんだけど…。ああ、こんな事なら兄上に頼むんだったよ。」
そう言うとエドワードは手元にあったグラスの水を一気に飲んで話し出した。
「サミュエル、これは貴族の令息は必ず通る道と言えばそうなんだ。契約したお兄様に、細かい貴族事情や振る舞いなど暗黙の了解のような微妙なところを教えてもらうんだ。
もちろんそれだけの場合もあるけれど、大抵は大人になる過程としての性教育的なものを実際に手解きを受ける事が多い。そうで無い場合もあると聞いているけど、ただ、その方が少ないだろうね。」
僕は目をパチパチさせながら、エドワードにもう一度尋ねた。
「…それで、エドワードはその手解きを誰に頼んだの?」
エドワードはバツが悪そうな視線を僕に送ると躊躇った。僕は急にドキドキしてきていた。ローリーが言っていたじゃないか。兄上の親友に頼んだって。エドワードだって、そのパターンになるんじゃないの?
じゃあ、もしかしてマシュー様?…それともエイデン様?僕は急に緊張して胸がドキドキと震え始めたのが分かった。エドワードが誰をお兄様にしたのか知りたかった。でも一方で絶対に聞きたくない気もしたんだ。
ああ、何だろう。この騒ついた気持ちは。僕はエドワードの唇から発するお兄様の名前を息を殺して待った。
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