31 / 32
アイツは僕の彼氏
リョウの提案
しおりを挟む
結局今日もまたこの部屋に戻ってきてしまった。僕は何だか可笑しくなってクスリと笑った。マンションのチャイムを鳴らすと、バタバタと足音がして、ドアがサッと開いた。
「たっくん!遅かったね。俺迎えに行こうかと思ってたとこ。結構ここら辺暗いし、心配だったんだよ?」
うん、僕は女の子かな?僕はリョウの過保護ぶりにちょっと半笑いで、勝手知ったる玄関で靴を脱いで揃えた。僕が顔を上げると、リョウがニコニコと僕を見つめて言った。
「なんかさ、たっくんのそうゆうお行儀の良いところ見るとさ、いいお嫁さんになりそうだよね?あ?いいお婿さん?」
いやいや、どっちでもないだろ。僕は相変わらずのリョウの溺愛ぶりにちょっと気が削がれて、リョウの横をスルリと通り抜けながら言った。
「…どっちかというと、料理上手のリョウがいいダンナさんになれるんじゃない?」
背後で、何か『俺が、たっくんのダンナさん…。いいっ!』って聞こえたけど、知らんぷりしよう。そうしよう。
「たっくんの荷物ここに置いていいから。…ちょっとづつ、たっくんの荷物が増えていって、なし崩しに同棲するってのもいいかも⁉︎」
うん、わざと僕に聞こえるように言ってるよね?僕は学校帰りに、自分の服や授業に必要なものを取りに寄ってきた。今日はリョウがバイトの日だったから、帰る頃に合わせてリョウの家に来たんだ。
昨日の今日だから、別に来る必要はなかったんだけど、朝リョウに言われた「一緒に住もう」の話がしたいってメッセージを送ったら、泊まりに来てくれって言われたんだ。
僕はリョウとソファに座った。手を握られた上に、何だ凄く密着してる…。
「‥あのさ、リョウが朝言った話なんだけど…。」
急にリョウが僕をぎゅと抱きしめて言った。
「あー、聞きたくないけど、聞きたい!良い話しか聞こえない!」
僕はクスッと笑ってリョウの背中をポンポンと叩いた。
「じゃあ、聞こえるんじゃない?僕もリョウと一緒に住みたいから。」
リョウはバッと俺から離れると腕を掴んで俺の顔を見つめた。
「本当?マジで?俺と一緒に住んでくれるの⁉︎」
僕はリョウの少し赤らんだ顔をスルリと撫でると、自分から触れるだけのキスをして言った。
「…うん。だって僕もリョウと一緒にいたいから…。うわ、ドキドキして死にそう…。」
自分からキスしたくせに、僕はすっかり照れてしまって顔を手で覆って俯いた。そんな僕を、リョウがどんな気持ちで見つめていたか、その後で思い知らされることになるんだけど、僕はまだ恋愛初心者で、煽るとか、煽らないとか、自覚がなかったんだ。
「たっくん!遅かったね。俺迎えに行こうかと思ってたとこ。結構ここら辺暗いし、心配だったんだよ?」
うん、僕は女の子かな?僕はリョウの過保護ぶりにちょっと半笑いで、勝手知ったる玄関で靴を脱いで揃えた。僕が顔を上げると、リョウがニコニコと僕を見つめて言った。
「なんかさ、たっくんのそうゆうお行儀の良いところ見るとさ、いいお嫁さんになりそうだよね?あ?いいお婿さん?」
いやいや、どっちでもないだろ。僕は相変わらずのリョウの溺愛ぶりにちょっと気が削がれて、リョウの横をスルリと通り抜けながら言った。
「…どっちかというと、料理上手のリョウがいいダンナさんになれるんじゃない?」
背後で、何か『俺が、たっくんのダンナさん…。いいっ!』って聞こえたけど、知らんぷりしよう。そうしよう。
「たっくんの荷物ここに置いていいから。…ちょっとづつ、たっくんの荷物が増えていって、なし崩しに同棲するってのもいいかも⁉︎」
うん、わざと僕に聞こえるように言ってるよね?僕は学校帰りに、自分の服や授業に必要なものを取りに寄ってきた。今日はリョウがバイトの日だったから、帰る頃に合わせてリョウの家に来たんだ。
昨日の今日だから、別に来る必要はなかったんだけど、朝リョウに言われた「一緒に住もう」の話がしたいってメッセージを送ったら、泊まりに来てくれって言われたんだ。
僕はリョウとソファに座った。手を握られた上に、何だ凄く密着してる…。
「‥あのさ、リョウが朝言った話なんだけど…。」
急にリョウが僕をぎゅと抱きしめて言った。
「あー、聞きたくないけど、聞きたい!良い話しか聞こえない!」
僕はクスッと笑ってリョウの背中をポンポンと叩いた。
「じゃあ、聞こえるんじゃない?僕もリョウと一緒に住みたいから。」
リョウはバッと俺から離れると腕を掴んで俺の顔を見つめた。
「本当?マジで?俺と一緒に住んでくれるの⁉︎」
僕はリョウの少し赤らんだ顔をスルリと撫でると、自分から触れるだけのキスをして言った。
「…うん。だって僕もリョウと一緒にいたいから…。うわ、ドキドキして死にそう…。」
自分からキスしたくせに、僕はすっかり照れてしまって顔を手で覆って俯いた。そんな僕を、リョウがどんな気持ちで見つめていたか、その後で思い知らされることになるんだけど、僕はまだ恋愛初心者で、煽るとか、煽らないとか、自覚がなかったんだ。
10
お気に入りに追加
513
あなたにおすすめの小説
ひとりぼっちの180日
あこ
BL
付き合いだしたのは高校の時。
何かと不便な場所にあった、全寮制男子高校時代だ。
篠原茜は、その学園の想像を遥かに超えた風習に驚いたものの、順調な滑り出しで学園生活を始めた。
二年目からは学園生活を楽しみ始め、その矢先、田村ツトムから猛アピールを受け始める。
いつの間にか絆されて、二年次夏休みを前に二人は付き合い始めた。
▷ よくある?王道全寮制男子校を卒業したキャラクターばっかり。
▷ 綺麗系な受けは学園時代保健室の天使なんて言われてた。
▷ 攻めはスポーツマン。
▶︎ タグがネタバレ状態かもしれません。
▶︎ 作品や章タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
配信ボタン切り忘れて…苦手だった歌い手に囲われました!?お、俺は彼女が欲しいかな!!
ふわりんしず。
BL
晒し系配信者が配信ボタンを切り忘れて
素の性格がリスナー全員にバレてしまう
しかも苦手な歌い手に外堀を埋められて…
■
□
■
歌い手配信者(中身は腹黒)
×
晒し系配信者(中身は不憫系男子)
保険でR15付けてます
お隣の大好きな人
鳴海
BL
引っ越した先で友達ができず泣いていた幼稚園児の真。
そんな真に優しくしてくれたのは、お隣に住む小学生の直樹だった。
直樹と知り合ったおかげで、人見知りで引っ込み思案だった真は少しずつ変わっていく。
笑顔が増え、性格も明るくなっていった。友達が増え、もう寂しいと思うこともない。
それでも真にとっての一番は、世界で最も大好きなのは直樹なのだった。
どんな手を使ってでも、直樹くんを絶対に僕のモノにしてやるんだもんね!!
真はそう決意したのだった。
淫らに壊れる颯太の日常~オフィス調教の性的刺激は蜜の味~
あいだ啓壱(渡辺河童)
BL
~癖になる刺激~の一部として掲載しておりましたが、癖になる刺激の純(痴漢)を今後連載していこうと思うので、別枠として掲載しました。
※R-18作品です。
モブ攻め/快楽堕ち/乳首責め/陰嚢責め/陰茎責め/アナル責め/言葉責め/鈴口責め/3P、等の表現がございます。ご注意ください。
当たって砕けていたら彼氏ができました
ちとせあき
BL
毎月24日は覚悟の日だ。
学校で少し浮いてる三倉莉緒は王子様のような同級生、寺田紘に恋をしている。
教室で意図せず公開告白をしてしまって以来、欠かさずしている月に1度の告白だが、19回目の告白でやっと心が砕けた。
諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。
寺田絋
自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子
×
三倉莉緒
クールイケメン男子と思われているただの陰キャ
そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。
お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。
お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。
αなのに、αの親友とできてしまった話。
おはぎ
BL
何となく気持ち悪さが続いた大学生の市ヶ谷 春。
嫌な予感を感じながらも、恐る恐る妊娠検査薬の表示を覗き込んだら、できてました。
魔が差して、1度寝ただけ、それだけだったはずの親友のα、葛城 海斗との間にできてしまっていたらしい。
だけれど、春はαだった。
オメガバースです。苦手な人は注意。
α×α
誤字脱字多いかと思われますが、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる