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コントロール
椿side実験とゆきちゃん
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俺は思わず目を見張った。高山助教授の繰り出すフェロモンはとても強くて、自分の皮膚にピリピリと電気が走る様な感覚があった。
同時に腹の奥から湧き上がる闘争本能。自分のメスを奪われるような、獣が感じる様な怒りと恐れ。自分は人間だけど、動物なんだと感じた瞬間だった。
そして数秒遅れてユキちゃんから膨れ上がる甘いフェロモン。いつも感じるフェロモンと違って、俺の股間を直撃する様な強烈な匂い。なぜか警告さえ感じる。
俺が目の前のいつもと違うフェロモンに動揺してる間に、高山助教授は特に変化を見せずに淡々と次々にゆきちゃんに指示を出している。時間が経つと、さすがに助教授も身体をふらつかせて、机に手をついていた。
一方、離れた場所でメモを取っていた桐谷さんもまた、苦しげに赤い顔で項垂れていた。
気がつけば、ゆきちゃんの鋭いフェロモンは薄くなっていたけれど、煽られた身体は恥ずかしくも元気になっていて、俺たちは助教授の勧めの通りに抑制剤を飲んだ。
ゆきちゃんだけが、顔を赤らめた俺たちをキョトンとした顔で見回していたのが、笑えるような何とも言えない気持ちにさせた。でも俺はやっぱりゆきちゃんを、今は落ち着いてるとはいえ、こんな無防備に発情させたくは無かった。
さっさと寮へ連れ帰ると、コントロールが思いのほか上手くいったご機嫌なゆきちゃんは、俺の気持ちを知ってか知らずか実験の検証をしたがった。
俺は渋々実験に付き合ったけど、今度はいつもの甘やかなうっとりする様なフェロモンを感じた。やっぱりあの実験の時とは違う。
コントロールが上手くいって喜んでるゆきちゃんに、俺は今日散々振り回された自分の身体の疼きを押し付ける様に、ご褒美をねだるしか無かった。ゆきちゃんは、ちょっと目を見張ったけれど、直ぐに俺の腕の中へ体を預けた。
あの宣言?以来、ゆきちゃんが妙に素直で俺は戸惑ってしまう。ツンデレなゆきちゃんも可愛かったけれど、無条件な愛情を見せつけられると、胸がぎゅっと締め付けられてそれはそれで嬉しくてたまらない。
俺の腕の中でゆきちゃんが甘える様な上目遣いをするので、俺はすっかりやられてしまった。
「…?椿、俺を食べたいって言わなかった?食べないの?」
俺は心持ち興奮でかすかに震える指先に力を入れて、赤く色づいた甘い唇に優しく口づけると、ゆきちゃんの甘いため息を感じながら言った。
「…食べるよ。もちろん。ああ、ゆきちゃんが素直過ぎて、俺どうにかなっちゃいそう…。」
同時に腹の奥から湧き上がる闘争本能。自分のメスを奪われるような、獣が感じる様な怒りと恐れ。自分は人間だけど、動物なんだと感じた瞬間だった。
そして数秒遅れてユキちゃんから膨れ上がる甘いフェロモン。いつも感じるフェロモンと違って、俺の股間を直撃する様な強烈な匂い。なぜか警告さえ感じる。
俺が目の前のいつもと違うフェロモンに動揺してる間に、高山助教授は特に変化を見せずに淡々と次々にゆきちゃんに指示を出している。時間が経つと、さすがに助教授も身体をふらつかせて、机に手をついていた。
一方、離れた場所でメモを取っていた桐谷さんもまた、苦しげに赤い顔で項垂れていた。
気がつけば、ゆきちゃんの鋭いフェロモンは薄くなっていたけれど、煽られた身体は恥ずかしくも元気になっていて、俺たちは助教授の勧めの通りに抑制剤を飲んだ。
ゆきちゃんだけが、顔を赤らめた俺たちをキョトンとした顔で見回していたのが、笑えるような何とも言えない気持ちにさせた。でも俺はやっぱりゆきちゃんを、今は落ち着いてるとはいえ、こんな無防備に発情させたくは無かった。
さっさと寮へ連れ帰ると、コントロールが思いのほか上手くいったご機嫌なゆきちゃんは、俺の気持ちを知ってか知らずか実験の検証をしたがった。
俺は渋々実験に付き合ったけど、今度はいつもの甘やかなうっとりする様なフェロモンを感じた。やっぱりあの実験の時とは違う。
コントロールが上手くいって喜んでるゆきちゃんに、俺は今日散々振り回された自分の身体の疼きを押し付ける様に、ご褒美をねだるしか無かった。ゆきちゃんは、ちょっと目を見張ったけれど、直ぐに俺の腕の中へ体を預けた。
あの宣言?以来、ゆきちゃんが妙に素直で俺は戸惑ってしまう。ツンデレなゆきちゃんも可愛かったけれど、無条件な愛情を見せつけられると、胸がぎゅっと締め付けられてそれはそれで嬉しくてたまらない。
俺の腕の中でゆきちゃんが甘える様な上目遣いをするので、俺はすっかりやられてしまった。
「…?椿、俺を食べたいって言わなかった?食べないの?」
俺は心持ち興奮でかすかに震える指先に力を入れて、赤く色づいた甘い唇に優しく口づけると、ゆきちゃんの甘いため息を感じながら言った。
「…食べるよ。もちろん。ああ、ゆきちゃんが素直過ぎて、俺どうにかなっちゃいそう…。」
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