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行きたい学部

眩しい摩天楼

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結局、俺はこの瀟洒なスイートルームで散々爛れた時間を過ごした。夜景を見ながら窓辺で突き上げられて、やっぱり窓加工は必須だったとどこか冷静な一瞬に、祥一朗の意味深な笑顔を思い浮かべたり…。

流石にジャグジーでは勘弁してくれと、朝焼けを見つめながらのんびり浸かったのは俺の希望通りだったけれど…。いや、マジで死ぬる。絶倫の二人相手ってどんだけなんだ。


すっかり昼の眩しい明るさに目が開かなくて、怠い腰の痛みに呻きながら俺はぼんやり考え込んでいた。しかも今日は月曜日なのに、そもそも授業へ行くって選択肢は、はなから無かったのか…。

俺はベッドに近づいてくる足音を感じて、重い瞼を持ち上げた。バスローブを着て髪から雫が垂れた秋良がそこに立って俺を覗き込んできた。頬に触れる秋良の唇に少し癒されて、俺は口元が緩んだみたいだ。

「…雪、そんな無防備な顔するとまた襲うぞ。流石に今日はやんねーけど。はは。」


はは、じゃない!一瞬絶望を感じたぞ、おい。俺は歩いて帰りたいんだ…。ただ俺は、余計なことを言わないだけの学習能力があった。俺は秋良に尋ねた。

「今、…何時?」 

秋良はベッドに座ると、俺の髪を指先に巻き付けながら何度も髪を撫で付けた。ああ、気持ちいい。俺はまた、うとうとと惰眠の睡魔に襲われそうだったけれど、秋良の声で意識を取り戻した。

「…ふふ、猫みたいだな。今、もう直ぐ12時だ。お昼何かルームサービスでも頼むか?流石に俺も腹減ったし。」


秋良の言葉に俺は急に空腹を感じて、パッチリ目を開けて頷いた。秋良が電話で頼んでる後ろ姿を見つめながら、俺は恐る恐る起き上がった。かなりあちこち筋肉痛で軋むけれど何とかなりそうだった。

あー、だるい。腰が鉛のように重い…。俺はやっぱりボフっとベッドに身体を投げ出して、恨めしげに近づいてくる秋良を見つめた。

「…あー、わかったって。シャワー浴びさしてやるから、あ、風呂のほうがいいか。ちょっと待ってろ。」


秋良の後ろ姿をみつめながら、俺は祥一朗の姿が見えないことに気づいた。祥一朗はタイムスケジュールに縛られてるくらい多忙だって聞いたことがある。

昨日はある意味ゆっくりしたから、きっと今朝はほとんど眠らないで出掛けたのかもしれない。俺はちょっとだけ寂しい気分で、ベッドの上から遠くまで続く都会の街並みをぼんやりと見つめていた。
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