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再びの学校生活へ

聖side腕の中の雪

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俺は腕の中で疲れ切って、すやすやと眠る雪を見つめていた。昨夜最後に湯船に意識を飛ばしている雪を抱えて入ったのは、ほとんど夜明けに近かった。俺はここまで精魂尽きた経験はなかったけれど、一方でみなぎるこの元気さは何だろう。

日課の朝のジョギングの習慣で起きてしまったが、この温かで甘やかな存在を手放してまで走りに行く気にはなれなかった。

俺が格闘をやり始めたキッカケは忘れてしまった。たぶん家が道場やってたとか、環境が有ったんだろうけど、心から強くなりたいと思ったのはやっぱり高校へ上がった頃だっただろう。


それ以前にも負け知らずでは来ていたが、それは格闘技が楽しかったからだ。けれど、俺のその強さが、雪を狙う奴らへの威嚇に効果があると身に染みてからは、もっと強くなりたいと思うようになった。

加えて、虫も殺さない顔をしていながら、強いものが好きで、案外粗雑な性格をしている意外に男らしい雪が、俺の強さに惚れ惚れしている事が手に取るようにわかるからだ。


あの蕩け出すような金属の様な何とも言えない眼差しでうっとりと見つめられたら、俺のやる気、まぁ、色々なやる気は漲ってきた。

案外俺も可愛いところが有るなと苦笑して、俺はもう一度起こさない様に雪の額にキスすると、満たされた気持ちでもう一度眠った。


俺は何か動く気配とささやき声で目を覚ました。目の前の雪が赤い顔で怒ってる?

「聖、起きろって!俺漏らしそうっ。」

俺はハッと飛び起きると、赤い顔の雪を見つめた。

「お前が俺のこと離さないから、トイレに行けなかったんだ。ていうか、多分腰やられて歩けないから、トイレまで連れてけよ…。」

俺は自体の深刻さに慌てて雪を抱き上げると、慌ててトイレまで連れて行った。


ドアからは閉め出されたけれど、別に手伝ってやっても良かったんだけどね。閉じられたドアの向こうからノックが聞こえて、逆ノックだなと可笑しさを堪えてドアを開けると、赤い顔をした雪が立っていた。

「やっぱり歩けそうもないから、抱っこして。」

そう言って恥ずかしげに、少し怒りながら俺に手を伸ばす雪が、あんまりにも愛らしくて俺はまた押し倒したくなった。とはいえ、歩けないほど腰が逝っちゃってる雪の事だ。俺の提案に賛成はしてくれないだろうな。俺は残念な気持ちだったが、雪と二人きりの時間を楽しもうと気持ちを入れ替えた。


「雪、ご飯食べるのと、マッサージどっちを先にする?」
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