84 / 187
再びの学校生活へ
聖side腕の中の雪
しおりを挟む
俺は腕の中で疲れ切って、すやすやと眠る雪を見つめていた。昨夜最後に湯船に意識を飛ばしている雪を抱えて入ったのは、ほとんど夜明けに近かった。俺はここまで精魂尽きた経験はなかったけれど、一方でみなぎるこの元気さは何だろう。
日課の朝のジョギングの習慣で起きてしまったが、この温かで甘やかな存在を手放してまで走りに行く気にはなれなかった。
俺が格闘をやり始めたキッカケは忘れてしまった。たぶん家が道場やってたとか、環境が有ったんだろうけど、心から強くなりたいと思ったのはやっぱり高校へ上がった頃だっただろう。
それ以前にも負け知らずでは来ていたが、それは格闘技が楽しかったからだ。けれど、俺のその強さが、雪を狙う奴らへの威嚇に効果があると身に染みてからは、もっと強くなりたいと思うようになった。
加えて、虫も殺さない顔をしていながら、強いものが好きで、案外粗雑な性格をしている意外に男らしい雪が、俺の強さに惚れ惚れしている事が手に取るようにわかるからだ。
あの蕩け出すような金属の様な何とも言えない眼差しでうっとりと見つめられたら、俺のやる気、まぁ、色々なやる気は漲ってきた。
案外俺も可愛いところが有るなと苦笑して、俺はもう一度起こさない様に雪の額にキスすると、満たされた気持ちでもう一度眠った。
俺は何か動く気配とささやき声で目を覚ました。目の前の雪が赤い顔で怒ってる?
「聖、起きろって!俺漏らしそうっ。」
俺はハッと飛び起きると、赤い顔の雪を見つめた。
「お前が俺のこと離さないから、トイレに行けなかったんだ。ていうか、多分腰やられて歩けないから、トイレまで連れてけよ…。」
俺は自体の深刻さに慌てて雪を抱き上げると、慌ててトイレまで連れて行った。
ドアからは閉め出されたけれど、別に手伝ってやっても良かったんだけどね。閉じられたドアの向こうからノックが聞こえて、逆ノックだなと可笑しさを堪えてドアを開けると、赤い顔をした雪が立っていた。
「やっぱり歩けそうもないから、抱っこして。」
そう言って恥ずかしげに、少し怒りながら俺に手を伸ばす雪が、あんまりにも愛らしくて俺はまた押し倒したくなった。とはいえ、歩けないほど腰が逝っちゃってる雪の事だ。俺の提案に賛成はしてくれないだろうな。俺は残念な気持ちだったが、雪と二人きりの時間を楽しもうと気持ちを入れ替えた。
「雪、ご飯食べるのと、マッサージどっちを先にする?」
日課の朝のジョギングの習慣で起きてしまったが、この温かで甘やかな存在を手放してまで走りに行く気にはなれなかった。
俺が格闘をやり始めたキッカケは忘れてしまった。たぶん家が道場やってたとか、環境が有ったんだろうけど、心から強くなりたいと思ったのはやっぱり高校へ上がった頃だっただろう。
それ以前にも負け知らずでは来ていたが、それは格闘技が楽しかったからだ。けれど、俺のその強さが、雪を狙う奴らへの威嚇に効果があると身に染みてからは、もっと強くなりたいと思うようになった。
加えて、虫も殺さない顔をしていながら、強いものが好きで、案外粗雑な性格をしている意外に男らしい雪が、俺の強さに惚れ惚れしている事が手に取るようにわかるからだ。
あの蕩け出すような金属の様な何とも言えない眼差しでうっとりと見つめられたら、俺のやる気、まぁ、色々なやる気は漲ってきた。
案外俺も可愛いところが有るなと苦笑して、俺はもう一度起こさない様に雪の額にキスすると、満たされた気持ちでもう一度眠った。
俺は何か動く気配とささやき声で目を覚ました。目の前の雪が赤い顔で怒ってる?
「聖、起きろって!俺漏らしそうっ。」
俺はハッと飛び起きると、赤い顔の雪を見つめた。
「お前が俺のこと離さないから、トイレに行けなかったんだ。ていうか、多分腰やられて歩けないから、トイレまで連れてけよ…。」
俺は自体の深刻さに慌てて雪を抱き上げると、慌ててトイレまで連れて行った。
ドアからは閉め出されたけれど、別に手伝ってやっても良かったんだけどね。閉じられたドアの向こうからノックが聞こえて、逆ノックだなと可笑しさを堪えてドアを開けると、赤い顔をした雪が立っていた。
「やっぱり歩けそうもないから、抱っこして。」
そう言って恥ずかしげに、少し怒りながら俺に手を伸ばす雪が、あんまりにも愛らしくて俺はまた押し倒したくなった。とはいえ、歩けないほど腰が逝っちゃってる雪の事だ。俺の提案に賛成はしてくれないだろうな。俺は残念な気持ちだったが、雪と二人きりの時間を楽しもうと気持ちを入れ替えた。
「雪、ご飯食べるのと、マッサージどっちを先にする?」
21
お気に入りに追加
1,204
あなたにおすすめの小説
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる