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再びの学校生活へ

椿の愛

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お昼を食べてのんびりしていた筈なのに、何だか椿のスイッチが入ってる気がするのは気のせいか?俺はゆっくり椿から離れながらソファから起き上がった。

「えっと、もうマーキングは完了って事で良いよね?」

俺はうっかり猛獣に背中を見せてしまった。気がつけば椿に背中から抱きかかえられて、再度ソファに横たわっていた。
椿は俺を抱き込みながら首の辺りに鼻を押し付けて深呼吸していた。


「…あぁ、いい匂い。ゆきちゃん、そんなつれないこと言わないで、ね?俺、中学からゆきちゃんの事思い続けて来てるから、結構拗らせてるんだよ。本当は監禁しちゃいたい所だけど、そしたらゆきちゃんに嫌われそうだからしないだけ。」

何だかサラッと怖い事言われた気がする…。

「椿、俺はさ、その…恥ずかしいんだよ。俺、あれの時の自分といつもの自分があんまりにも違うから、我に帰るというか。だから、居た堪れなくて…。椿が嫌だとかそんなんじゃないんだ。」


椿は黙って俺の話を聞いてたけれど、クスクス笑い始めた。俺はついに椿がヤバくなったと一瞬思ったけれど、椿は俺をくるっとひっくり返すと顔を合わせて言った。

「かーわいい、ゆきちゃん。俺、ゆきちゃんがこの手のことに初心者だって、つい忘れちゃってた。だって、エッチしてる時のゆきちゃんって凄い魔性なんだもん!俺どんだけ煽られたか…。」

そう言うと俺の唇に、頬に、鼻の頭に、顔中にチュチュと軽いキスを浴びせて来た。俺は椿のフェロモン?に当てられたのか、ドキドキと心臓が速くなって来たのが分かった。顔を離した椿はすごい悪い顔をして舌なめずりして言った。


「恥ずかしがるゆきちゃんって、本当美味しそうなんだよね。そーゆー事全然分かってないのがまたそそると言うか。ほら、顔だけじゃなくて首や耳まで赤くなって来た。」

俺は恥ずかしくなる事ばかり言う椿を押しのけようとするけれど、もう力も入らないし、何だか椿にもっとキスして欲しくなってしまって、そんな自分に慣れなくて、なんなら少し涙ぐんでいたかもしれない。

椿はそんな俺を見て、苦しげに微笑むと俺の目尻を指先で撫でると囁いた。


「あぁ、俺息をするのも辛い…。ゆきちゃんが好き過ぎて、嬉しいのに苦しいんだ。何でだろ。人を好きになるってもっと単純な事だと思ってたのに…。愛してるよ、ゆきちゃん。」

そう言う椿の柔らかな透明感のある茶色の眼差しに、俺は魅入られる様に手を伸ばして、椿の顔を指先でなぞって言った。

「俺も椿のこと、好きだよ…。」

くしゃりと歪んだ椿の笑った目元から俺の頬に落ちたのはやっぱり涙だったんだろうか。確認する間もなく、俺たちはまた快楽の波間に沈んでいったんだ。



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