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誰にしようかな?手相の言うとおり
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「漂流者が自分で守護者を決める?今、そうおっしゃいましたか?」
「さよう。過去の経緯がどういったものかは分からぬが、この国の法令では漂流者が現れたら、守護者は漂流者自らが選ぶことが出来るのじゃ。
漂流者はこの国では幸運を運ぶ者として誰もが側に置いておきたいものじゃ。が、漂流者がこの世界について右も左も分からぬ状態で名もなきものに任せるのも不安があるでのう。
20年に一度、ある一定の権力、財力、善なる者が守護者としての権利を得ることが出来るのじゃ。今回はたまたま去年新しい守護者に変わったばかりで、新しい守護者達はまさに幸運じゃとて。フォホホホ。」
神殿長と呼ばれていたお爺さんは僕を見つめて更に言った。
「漂流者が守護者を選ぶ前には、この世界の物事を知らせてはならんのじゃよ。悪いが多くの事はヌシに言えぬ。ヌシは2日後の裁定の日に、選ばれし者達から自分の守護者を決めよ。
自らの感覚を大事に選ぶのじゃ。」
そんなこんなで、僕は10人の選ばれし幸運者達から一人を選ぶことになって、今ここに座っている。
僕は9人まで手相を見たけれど、皆似たり寄ったりで、突出して際立っている者は居なかった。というより、さすがに僕に選ばれる幸運者だけあって、自分で言って笑える…、誰もが素晴らしい手相だった。
決め手がないなーとぼんやり思いながら、僕は流れ作業のように最後の人の両手の掌を見つめた。
その掌の手首から中指まで運命線が真っ直ぐ一直線に濃く伸びていた。天下取りの線だ。
しかも二重線だ。こんな最強線は僕がこれまで見た中には居なかった。
僕は顔を上げて最強線の持ち主を見上げた。
目の前には何を考えているのか分からない冷酷な眼差しの御仁が居た。
赤みを帯びた金髪は肩まで伸びて、身に付けているものは簡素だが上質な素材なのは間違いなかった。僕からすれば外国人風の顔は日に焼けていて、もし微笑んだら外国映画のポスターになりそうだなと思う様な色男だった。
もちろん冷酷そうな冷たい湖の様な薄い青色の瞳は笑顔など見せもせず、憮然としている。
僕はふと思った。
変にねちっこい視線の相手が自分の守護者になって貞操の危機に怯えるより、自分に興味の無さそうな相手の元で衣食住を保証されて慣れるまでのんびり過ごし、そのままフェードアウトするのは良い考えじゃないかと。
「僕、貴方を守護者にします。」
「さよう。過去の経緯がどういったものかは分からぬが、この国の法令では漂流者が現れたら、守護者は漂流者自らが選ぶことが出来るのじゃ。
漂流者はこの国では幸運を運ぶ者として誰もが側に置いておきたいものじゃ。が、漂流者がこの世界について右も左も分からぬ状態で名もなきものに任せるのも不安があるでのう。
20年に一度、ある一定の権力、財力、善なる者が守護者としての権利を得ることが出来るのじゃ。今回はたまたま去年新しい守護者に変わったばかりで、新しい守護者達はまさに幸運じゃとて。フォホホホ。」
神殿長と呼ばれていたお爺さんは僕を見つめて更に言った。
「漂流者が守護者を選ぶ前には、この世界の物事を知らせてはならんのじゃよ。悪いが多くの事はヌシに言えぬ。ヌシは2日後の裁定の日に、選ばれし者達から自分の守護者を決めよ。
自らの感覚を大事に選ぶのじゃ。」
そんなこんなで、僕は10人の選ばれし幸運者達から一人を選ぶことになって、今ここに座っている。
僕は9人まで手相を見たけれど、皆似たり寄ったりで、突出して際立っている者は居なかった。というより、さすがに僕に選ばれる幸運者だけあって、自分で言って笑える…、誰もが素晴らしい手相だった。
決め手がないなーとぼんやり思いながら、僕は流れ作業のように最後の人の両手の掌を見つめた。
その掌の手首から中指まで運命線が真っ直ぐ一直線に濃く伸びていた。天下取りの線だ。
しかも二重線だ。こんな最強線は僕がこれまで見た中には居なかった。
僕は顔を上げて最強線の持ち主を見上げた。
目の前には何を考えているのか分からない冷酷な眼差しの御仁が居た。
赤みを帯びた金髪は肩まで伸びて、身に付けているものは簡素だが上質な素材なのは間違いなかった。僕からすれば外国人風の顔は日に焼けていて、もし微笑んだら外国映画のポスターになりそうだなと思う様な色男だった。
もちろん冷酷そうな冷たい湖の様な薄い青色の瞳は笑顔など見せもせず、憮然としている。
僕はふと思った。
変にねちっこい視線の相手が自分の守護者になって貞操の危機に怯えるより、自分に興味の無さそうな相手の元で衣食住を保証されて慣れるまでのんびり過ごし、そのままフェードアウトするのは良い考えじゃないかと。
「僕、貴方を守護者にします。」
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