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侯爵家
アルバートの供給※
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「…では、一時間後にお呼びに参ります。」
そう言うとゼインは扉を閉めた。アルバートは絵都にあてがわれた部屋の鍵を閉めるとクルリと扉を背にしてこちらを振り返った。アルバートの部屋と違ってここは狭い。まして絵都よりひと回り大きな身体のアルバートでは圧迫感があって余計に狭くなる。
「アルバート、こっちに来て。そこに仁王立ちしていてもしょうがないでしょ?」
扉に耳を寄せてから、アルバートはベッドにギシリと音を立てて座った。
「流石にあの男が聞き耳を立てているとは思えないが、まぁ出来るだけ音は出さない方が良さそうだ。少なくともここは訓練の場であるのだろう?」
そうブツブツ独り言を言いながら、アルバートは忙しく手を動かして絵都の服を脱がせていく。絵都はそんなアルバートに呆れながらなされるがままにしていた。
「大魔法師にこの事を話したんだ。僕にはアルバートの生気が必要だってね。」
するとアルバートは窺う様にしながら、話の続きを促す様に絵都を見つめた。
「アルバートの生気の代わりは居ないのかって。その時大魔法師の口元を見たんだけど、ゼインよりは光が強かったから代わりにするならアドラー様かな。」
黙りこくったアルバートは、何を考えているのか分からない表情で脱がされた絵都の上半身の素肌を手でゆっくり撫でた。その慣れた手つきは絵都にその先の約束を思い出させる。
剣だこのある硬い指先で、自分の弱い胸の先端をぎゅっと摘まれたらどんなに気持ち良いだろう。けれどもアルバートの指先はまるで避ける様にしてそのままお腹まで撫で下ろした。
…まぁそれも悪くないけど。
小さく期待のため息をつきながら絵都はアルバートの首に手を回して引き寄せた。アルバートが諦めた様に絵都に唇を寄せると絵都は重なる寸前にアルバートに囁いた。
「ね、今日はアルバートを飲ませて。口づけより効果あるから。」
一瞬身体を強張らせたアルバートは、次の瞬間貪る様に絵都に口づけた。押し付けあうその唇が痛いほどで、すぐに口を開けて迎え入れたアルバートの舌はぬるりと熱かった。
少年の姿の絵都の口の中は狭くて、アルバートの攻め立てる舌ですぐにいっぱいになった。
絵都が息苦しさでアルバートの肩を拳で叩くと、アルバートはハッとした様子で身体を引き剥がした。
「ちょ、っと。息させてよ。」
絵都がそう言って睨み上げると、アルバートはそんな絵都をじっと見下ろした。
「エドが悪い。私の我慢を試す様な事を言うから。…その姿のエドにこんな事をするのは罪悪感があるんだ。」
絵都は少年の自分の姿と元の自分とそこまで差があっただろうかと思い起こしながら、アルバートがそう感じるのはもっともかもしれないと思った。
「…じゃあ、止めておく?口づけだけでも朝アルバートが来てくれたら持つと思うから。」
絵都がそう言うと一瞬アルバートは虚を突かれた顔をしたけれど、それから小さく呻いて呟いた。
「どうだろう。それではもはや身体が収まらない…。エド、私に任せてくれるか?」
そう言うと、アルバートは手早く絵都の下半身から布を剥ぎ取って、自分も下半身を曝け出した。目の前にすっかり持ち上がったアルバートの猛々しさを見て、絵都はコクリと唾を呑み込んだ。
「…エドに煽られてすっかり硬くなってしまった。それにエドの可愛らしいそれも期待してる様子だな。」
そう言うと、アルバートは自分のそれを扱きながら絵都の起き上がった自身をパクリと咥えた。確かに今までもそんなことが無かった訳じゃないけれど、夜中にアルバートのベッドでするのと、夕食前のこんな場所でするのとでは状況が違う。
「ああっ!急にそんな…!アル…!」
あっという間に快感を高められて思わず喘いだ絵都は、アルバートが身体を起こして覆い被さる様に自分に口づけるのを待ちかねた気持ちで受け入れた。
自分の興奮とアルバートの甘い味を感じたのは一瞬で、絵都はアルバートの猛々しい重みに揺さぶられて直ぐに訳が分からなくなった。アルバートの生気を身体が欲しがって、強請るように舌を絡めて喉を鳴らした。
自分が弾けた後を追い立てる様にアルバートが呻きながら腰を振るので、その淫らな動きに絵都は快感から降りることを許されずに更に追い詰められた。
再び弾ける間際で、アルバートが身体を起こして絵都の腹に吐き出したその光る生温かな体液を、絵都はぼんやり見つめた。
「アル、もうちょっとで僕危なかったよ。なんか違うものが出そうだった…。」
実際逝ったはずの絵都のそれはまだ張り詰めていて、かと言ってそれ以上触れられたい訳じゃ無かった。絵都は無意識にアルバートのその光る生気を手でなぞると、そのまま自身を宥める様にそっと撫で下ろした。
案の定それはそれで生気を得られる感覚があって、絵都は目を閉じて甘くため息をつきながら何度かそうした。
何処かでくぐもった呻き声が聞こえた気がして目を開けると、アルバートが暗い青い瞳を更に濃くして絵都の姿を強張った顔で見つめていた。
「…エドは間違いなく人ではない。私をこんなに振り回すのだから。」
絵都はアルバートの掠れ声にうっそりと笑みを浮かべると、手元の布で身体を拭ってからチラリとアルバートを見た。
「僕は魔物だもの。僕をこの世界に閉じ込めたアルバートは、その代償を払う必要があるんじゃない?だから僕に多少振り回されるからって文句は言いっこなしだよ。ね?」
アルバートは目の前で微笑む絵都を見つめながら、どこか諦めた様に呟いた。
「…多少?そんな言葉では済まされない気がするが。私は魔物に魅入られたのだから甘んじてその代償を払うよ。」
そう言うとゼインは扉を閉めた。アルバートは絵都にあてがわれた部屋の鍵を閉めるとクルリと扉を背にしてこちらを振り返った。アルバートの部屋と違ってここは狭い。まして絵都よりひと回り大きな身体のアルバートでは圧迫感があって余計に狭くなる。
「アルバート、こっちに来て。そこに仁王立ちしていてもしょうがないでしょ?」
扉に耳を寄せてから、アルバートはベッドにギシリと音を立てて座った。
「流石にあの男が聞き耳を立てているとは思えないが、まぁ出来るだけ音は出さない方が良さそうだ。少なくともここは訓練の場であるのだろう?」
そうブツブツ独り言を言いながら、アルバートは忙しく手を動かして絵都の服を脱がせていく。絵都はそんなアルバートに呆れながらなされるがままにしていた。
「大魔法師にこの事を話したんだ。僕にはアルバートの生気が必要だってね。」
するとアルバートは窺う様にしながら、話の続きを促す様に絵都を見つめた。
「アルバートの生気の代わりは居ないのかって。その時大魔法師の口元を見たんだけど、ゼインよりは光が強かったから代わりにするならアドラー様かな。」
黙りこくったアルバートは、何を考えているのか分からない表情で脱がされた絵都の上半身の素肌を手でゆっくり撫でた。その慣れた手つきは絵都にその先の約束を思い出させる。
剣だこのある硬い指先で、自分の弱い胸の先端をぎゅっと摘まれたらどんなに気持ち良いだろう。けれどもアルバートの指先はまるで避ける様にしてそのままお腹まで撫で下ろした。
…まぁそれも悪くないけど。
小さく期待のため息をつきながら絵都はアルバートの首に手を回して引き寄せた。アルバートが諦めた様に絵都に唇を寄せると絵都は重なる寸前にアルバートに囁いた。
「ね、今日はアルバートを飲ませて。口づけより効果あるから。」
一瞬身体を強張らせたアルバートは、次の瞬間貪る様に絵都に口づけた。押し付けあうその唇が痛いほどで、すぐに口を開けて迎え入れたアルバートの舌はぬるりと熱かった。
少年の姿の絵都の口の中は狭くて、アルバートの攻め立てる舌ですぐにいっぱいになった。
絵都が息苦しさでアルバートの肩を拳で叩くと、アルバートはハッとした様子で身体を引き剥がした。
「ちょ、っと。息させてよ。」
絵都がそう言って睨み上げると、アルバートはそんな絵都をじっと見下ろした。
「エドが悪い。私の我慢を試す様な事を言うから。…その姿のエドにこんな事をするのは罪悪感があるんだ。」
絵都は少年の自分の姿と元の自分とそこまで差があっただろうかと思い起こしながら、アルバートがそう感じるのはもっともかもしれないと思った。
「…じゃあ、止めておく?口づけだけでも朝アルバートが来てくれたら持つと思うから。」
絵都がそう言うと一瞬アルバートは虚を突かれた顔をしたけれど、それから小さく呻いて呟いた。
「どうだろう。それではもはや身体が収まらない…。エド、私に任せてくれるか?」
そう言うと、アルバートは手早く絵都の下半身から布を剥ぎ取って、自分も下半身を曝け出した。目の前にすっかり持ち上がったアルバートの猛々しさを見て、絵都はコクリと唾を呑み込んだ。
「…エドに煽られてすっかり硬くなってしまった。それにエドの可愛らしいそれも期待してる様子だな。」
そう言うと、アルバートは自分のそれを扱きながら絵都の起き上がった自身をパクリと咥えた。確かに今までもそんなことが無かった訳じゃないけれど、夜中にアルバートのベッドでするのと、夕食前のこんな場所でするのとでは状況が違う。
「ああっ!急にそんな…!アル…!」
あっという間に快感を高められて思わず喘いだ絵都は、アルバートが身体を起こして覆い被さる様に自分に口づけるのを待ちかねた気持ちで受け入れた。
自分の興奮とアルバートの甘い味を感じたのは一瞬で、絵都はアルバートの猛々しい重みに揺さぶられて直ぐに訳が分からなくなった。アルバートの生気を身体が欲しがって、強請るように舌を絡めて喉を鳴らした。
自分が弾けた後を追い立てる様にアルバートが呻きながら腰を振るので、その淫らな動きに絵都は快感から降りることを許されずに更に追い詰められた。
再び弾ける間際で、アルバートが身体を起こして絵都の腹に吐き出したその光る生温かな体液を、絵都はぼんやり見つめた。
「アル、もうちょっとで僕危なかったよ。なんか違うものが出そうだった…。」
実際逝ったはずの絵都のそれはまだ張り詰めていて、かと言ってそれ以上触れられたい訳じゃ無かった。絵都は無意識にアルバートのその光る生気を手でなぞると、そのまま自身を宥める様にそっと撫で下ろした。
案の定それはそれで生気を得られる感覚があって、絵都は目を閉じて甘くため息をつきながら何度かそうした。
何処かでくぐもった呻き声が聞こえた気がして目を開けると、アルバートが暗い青い瞳を更に濃くして絵都の姿を強張った顔で見つめていた。
「…エドは間違いなく人ではない。私をこんなに振り回すのだから。」
絵都はアルバートの掠れ声にうっそりと笑みを浮かべると、手元の布で身体を拭ってからチラリとアルバートを見た。
「僕は魔物だもの。僕をこの世界に閉じ込めたアルバートは、その代償を払う必要があるんじゃない?だから僕に多少振り回されるからって文句は言いっこなしだよ。ね?」
アルバートは目の前で微笑む絵都を見つめながら、どこか諦めた様に呟いた。
「…多少?そんな言葉では済まされない気がするが。私は魔物に魅入られたのだから甘んじてその代償を払うよ。」
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