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思わぬ出来事
キースsideリオンの正体は
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馬車の中でロナルド先輩が話し出した、先見の賢者についての話は俺には初めて聞く話だった。
だが、内容を聞くにつれ、俺はまずい事になったと感じ始めた。
きっかけはロナルド先輩が話した鉄という鉱物の話に、いつものリオンのアレが炸裂した事だ。
昔からリオンはどうして皆が知らないのかわからないという口ぶりで、誰も知らない話をする事がある。
ロナルド先輩はリオンがなぜまだ殆どの人が知らない鉄の情報を知っているのか、それは先見の賢者みたいだと
とんでもない事を言い始めた。
確かに昔からリオンは僕たちの知らない事を話す事があった。
俺たちは不思議に思ったけれど、害のある事では無かったのでそれを含めてリオンだと受け止めてきた。
けれど今ロナルド先輩の話を聞いていると、全てのことがストンとハマるような気がした。
リオンが先見の賢者かもしれない?それは良い事なのか、悪い事なのか?
一方で執政に隠蔽されると言ったような話も聞くと、これが明るみに出たら大変なことになるのは明白だ。
俺はロナルド先輩のリオンへの疑いを引き離そうと誤魔化してはみたが、上手く誤魔化されてくれたようには思えなかった。
リオンは相変わらずリオンで、俺の必死な誤魔化しに見当違いに怒っている。
俺sは何だかひとりで慌ててるような気がして、ため息が出てしまった。
この先見の賢者については、過去の繋がりのある先祖が居るロナルド先輩の一族のような、多分ごく僅かな一部にしか知られていないと思う。
あるいは王族は知っているとしたら、これまでのリオンの僅かに示してきたものに反応しているんだろうか。
数術研究室でリオンが示した多くの改革は、先見の賢者としての一部なんじゃないだろうか。
先日第二王子と拝謁したのは、もしかすると王子がリオンを確認するための謁見だったのかもしれない。
考えれば考えるほどその通りに思えてきた。
俺は楽しいはずの地質実習が、思わぬ状況をもたらした事に頭を抱えた。
せめてアーサーやユアとこれについて話したいし、そうかと思うと肝心の本人は全く我関せずに行動しそうで。
リオンには余計なことを言わないように釘を刺しておくべきなんだろう。
でも本人は周囲の人間が知ってる前提で話すので、自分では判断できないかもしれない。
俺が背中に冷たい汗をかきながら色々考えていると、先ぶれをしに来たユアに見惚れたリオンがダダ漏れの蕩ける表情と色香を出していて、俺は気楽なリオンにイライラしてしまった。
俺が時々感じる、リオンの側にいる事の何とも言えない気苦労をこれほどまでに感じたことはなかった。
そしてそんなリオンの1番の被害者になりそうなユアに、無事でいられる様に祈りを捧げたくなったんだ。
だが、内容を聞くにつれ、俺はまずい事になったと感じ始めた。
きっかけはロナルド先輩が話した鉄という鉱物の話に、いつものリオンのアレが炸裂した事だ。
昔からリオンはどうして皆が知らないのかわからないという口ぶりで、誰も知らない話をする事がある。
ロナルド先輩はリオンがなぜまだ殆どの人が知らない鉄の情報を知っているのか、それは先見の賢者みたいだと
とんでもない事を言い始めた。
確かに昔からリオンは僕たちの知らない事を話す事があった。
俺たちは不思議に思ったけれど、害のある事では無かったのでそれを含めてリオンだと受け止めてきた。
けれど今ロナルド先輩の話を聞いていると、全てのことがストンとハマるような気がした。
リオンが先見の賢者かもしれない?それは良い事なのか、悪い事なのか?
一方で執政に隠蔽されると言ったような話も聞くと、これが明るみに出たら大変なことになるのは明白だ。
俺はロナルド先輩のリオンへの疑いを引き離そうと誤魔化してはみたが、上手く誤魔化されてくれたようには思えなかった。
リオンは相変わらずリオンで、俺の必死な誤魔化しに見当違いに怒っている。
俺sは何だかひとりで慌ててるような気がして、ため息が出てしまった。
この先見の賢者については、過去の繋がりのある先祖が居るロナルド先輩の一族のような、多分ごく僅かな一部にしか知られていないと思う。
あるいは王族は知っているとしたら、これまでのリオンの僅かに示してきたものに反応しているんだろうか。
数術研究室でリオンが示した多くの改革は、先見の賢者としての一部なんじゃないだろうか。
先日第二王子と拝謁したのは、もしかすると王子がリオンを確認するための謁見だったのかもしれない。
考えれば考えるほどその通りに思えてきた。
俺は楽しいはずの地質実習が、思わぬ状況をもたらした事に頭を抱えた。
せめてアーサーやユアとこれについて話したいし、そうかと思うと肝心の本人は全く我関せずに行動しそうで。
リオンには余計なことを言わないように釘を刺しておくべきなんだろう。
でも本人は周囲の人間が知ってる前提で話すので、自分では判断できないかもしれない。
俺が背中に冷たい汗をかきながら色々考えていると、先ぶれをしに来たユアに見惚れたリオンがダダ漏れの蕩ける表情と色香を出していて、俺は気楽なリオンにイライラしてしまった。
俺が時々感じる、リオンの側にいる事の何とも言えない気苦労をこれほどまでに感じたことはなかった。
そしてそんなリオンの1番の被害者になりそうなユアに、無事でいられる様に祈りを捧げたくなったんだ。
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