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お兄様と約束した秘密のアレ

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今日は2人の秘密のレッスンの日なんだ。

お兄様は何度かお屋敷に帰ってきてはいたんだけど、他の日に閨のお勉強を受けてる事で月末に泊まらないで学院に帰っちゃったりしてた。

お兄様がお勉強や剣術の訓練で忙しいのはわかってるんだけど、やっぱりお泊まりがないってのは悲しすぎる。従者のセブにお兄様と添い寝はもうダメだって言われちゃったから、ゆっくり会えないのもあって余計に凹んでた僕なの。


先月閨のお勉強でお屋敷に帰ってきた時に、お兄様は誰もいない階段の踊り場で僕をいつもの様にゆっくり抱き寄せた。そして僕の耳元に唇を寄せて甘く囁いたんだ。

「月末はいつもの様にゆっくり屋敷に帰ってくる予定だよ。リオンと朝まで添い寝は出来ないけれど、夜は早めに一緒にベッドへ入っていつもの様にゆっくりおしゃべりしようか。

もしリオンが望むなら、僕がちょっとだけ例の秘密のレッスンをしてあげても良いし…。」


僕は耳元にお兄様の吐息がかかって、ちょっとゾクゾクして涙目になりながら、お兄様を見上げた。

「…お兄様、僕とっても嬉しいです。最近お兄様不足で僕、元気が出なかったですし。秘密のレッスンも…お願いします。」

お兄様は僕をぎゅっと強く抱きしめると、困った顔で僕を見つめながら僕の唇を指でなぞった。

「リオンにそんなに可愛い顔でお願いされると、流石の僕も月末が待ちきれなくなりそうだよ。」

そう言うと僕の唇にお兄様の唇を押し当てて、ゆっくりと何度かふにふにと動かしてからにっこり微笑んで離れていった。僕はいつもの音のする軽いものと違うお兄様の口づけに、ちょっぴりふわふわしながらお兄様の後ろ姿を見つめる事しか出来なかった。


夕食後お兄様が学院へ戻っていくのを見送ってからひとり、部屋でベットに転がっていた僕は自分の唇に指を押し当てた。自分でやってみても、お兄様にされるそれとは違うみたいで、ふわふわとした気持ちにはならなかった。

最近僕はベッドに入ると、お兄様にお仕置きされた時の事をふと思い返すことが多くなっていた。正直くすぐったいし、もじもじする様な、ある場面ではドキドキし過ぎてあまりハッキリとは覚えてない部分もあるんだけどね。


特に僕の胸のポッチにお兄様の指が触れた痺れる様な衝撃は忘れられなかった。

しかも大きな声が出てしまってお兄様にお口を塞いでもらった時のあの甘い様な、柔らかな濡れた感触は思い出すと身体の奥が疼く様な気がして、腿を擦りあわせてしまいがちだ。

それがちょっと困ってるので、今度お兄様の秘密のレッスンで相談してみようかなと思ってる。


ああ、早くお兄様とお会いできる月末にならないかなぁ?
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