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僕たちの新しい伝説
僕を忘れたあっくん
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涼兄と目が合ってからの展開は、もはやドタバタどころじゃなかったみたいだ。僕はすぐさま駆けつけたドクターにあれこれされて、直ぐに疲れて眠くなっちゃったし。ていうか眠っちゃったし。
僕が眠りに落ちる瞬間、僕を見つめる眼差しが皆、不安そうなのがちょっと面白かった。何だか、僕が二度と目覚めないって思ってるみたいで。
でも後から僕が、事故後病院に運び込まれた時に心臓が止まったって聞いて、うわ、だからあんなに不安そうだったのかって納得したけども。
涼兄が残しておいてくれた事故のニュース動画であっくんの車がベッコベコになってるのを見て、僕はその時初めてゾッとしたんだ。信号無視だから不可抗力だったし、良く助かったと思う。
相手の大型トラックの運転手さんは、心臓麻痺で信号無視したらしくて、その後亡くなったって聞いた。僕も多分家族も、やるせない感情に襲われたのは確かだ。
特に僕は目覚めるのに時間は掛かったけれど、取り敢えず脳の後遺症はなかったみたい。でも、あっくんが僕をすっかり忘れてるとは思わなかったよ。ほんと。
断片はキッカケがあれば少しづつ思い出してるみたいだけど、丸忘れ。マジで。僕はこの腹立たしい感情を何処にぶつけて良いものか分からないよ。
「理玖、まだムカついてるのか?しょうがないだろう?理玖を庇って頭打ったんだろ?それに理玖の事は覚えてなくても、俺たちから見たら、前と何処が違うんだって感じの溺愛ぶりじゃん。」
何度目かのお見舞いに来てくれた尊が、僕の病室にあったお見舞いのゼリーを貪り食いながら言い放った。そんな尊を呆れた様に見ながら、悠太郎は僕に言った。
「理玖たちは番なんだから、直ぐに前の様になるさ。それに何かキッカケがあれば思い出すんだろう?大事なのは過去じゃなくてこれからなんじゃないか?
二人の命が助かった、それ自体が奇跡みたいなものなんだから。な?」
僕が悠太郎の言葉を噛み締めていると、尊が急に真面目な顔をして僕に言った。
「そうだぞ。お前が事故ったって聞いて、俺たちメシも喉を通らなかったんだ…。しばらく危篤だったし、涼介さんに細かい事聞ける様な状況じゃなかっただろ?もう連絡を待つしかなくって。
理玖が生きてるのか死んでるのかも分からない状況だったんだ。元気になったから、そんなにムカつく事も出来るって事だろ?生きてるって素晴らしいよ。な?」
僕は何だかムカついてるのも馬鹿らしくなって肩をすくめると、二人ににっこり笑って言った。
「そうだね。僕、贅沢だったかも。二人に散々心配かけて、本当にごめんね。多分これから学校でも迷惑かけるかもだけど、よろしくお願いします。」
僕が見上げた二人の目が潤んでるのを見て、僕も泣きそうになったのは内緒だ。
僕が眠りに落ちる瞬間、僕を見つめる眼差しが皆、不安そうなのがちょっと面白かった。何だか、僕が二度と目覚めないって思ってるみたいで。
でも後から僕が、事故後病院に運び込まれた時に心臓が止まったって聞いて、うわ、だからあんなに不安そうだったのかって納得したけども。
涼兄が残しておいてくれた事故のニュース動画であっくんの車がベッコベコになってるのを見て、僕はその時初めてゾッとしたんだ。信号無視だから不可抗力だったし、良く助かったと思う。
相手の大型トラックの運転手さんは、心臓麻痺で信号無視したらしくて、その後亡くなったって聞いた。僕も多分家族も、やるせない感情に襲われたのは確かだ。
特に僕は目覚めるのに時間は掛かったけれど、取り敢えず脳の後遺症はなかったみたい。でも、あっくんが僕をすっかり忘れてるとは思わなかったよ。ほんと。
断片はキッカケがあれば少しづつ思い出してるみたいだけど、丸忘れ。マジで。僕はこの腹立たしい感情を何処にぶつけて良いものか分からないよ。
「理玖、まだムカついてるのか?しょうがないだろう?理玖を庇って頭打ったんだろ?それに理玖の事は覚えてなくても、俺たちから見たら、前と何処が違うんだって感じの溺愛ぶりじゃん。」
何度目かのお見舞いに来てくれた尊が、僕の病室にあったお見舞いのゼリーを貪り食いながら言い放った。そんな尊を呆れた様に見ながら、悠太郎は僕に言った。
「理玖たちは番なんだから、直ぐに前の様になるさ。それに何かキッカケがあれば思い出すんだろう?大事なのは過去じゃなくてこれからなんじゃないか?
二人の命が助かった、それ自体が奇跡みたいなものなんだから。な?」
僕が悠太郎の言葉を噛み締めていると、尊が急に真面目な顔をして僕に言った。
「そうだぞ。お前が事故ったって聞いて、俺たちメシも喉を通らなかったんだ…。しばらく危篤だったし、涼介さんに細かい事聞ける様な状況じゃなかっただろ?もう連絡を待つしかなくって。
理玖が生きてるのか死んでるのかも分からない状況だったんだ。元気になったから、そんなにムカつく事も出来るって事だろ?生きてるって素晴らしいよ。な?」
僕は何だかムカついてるのも馬鹿らしくなって肩をすくめると、二人ににっこり笑って言った。
「そうだね。僕、贅沢だったかも。二人に散々心配かけて、本当にごめんね。多分これから学校でも迷惑かけるかもだけど、よろしくお願いします。」
僕が見上げた二人の目が潤んでるのを見て、僕も泣きそうになったのは内緒だ。
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