上 下
63 / 122
バースの難しさ

篤哉side二人の初めて※

しおりを挟む
理玖は理玖だった。俺は常日頃から感じていた、理玖の育っていく魔性をこの時にまざまざと体感することになった。


本当は婚約する前にしておかなければいけなかった、お互いの気持ちの確認を今更したのは、俺のチキンな心の弱さだったんだろうか。理玖が俺のことを好きなのは分かっていたけれど、俺の重たい理玖への愛情を負担に思ったらどうしようかと、一抹の不安を感じていたんだ。

だけど、理玖もまた俺と育つスピードの違いゆえに、俺への愛情に苦悩していた事を知って俺は天にも舞い上がる気持ちだった。そして、理玖が一度俺のことを諦めたと言った時、俺は涼介の数々のサポートに酷く感謝したんだ。


目の前の理玖が涙をこぼしながら、美しい微笑みで俺のことを大好きだと言ってくれた時、俺はお互いのものになるのが自然に思えた。それは理玖も同じだった様で、俺たちは今結ばれることにしたんだ。


いつもよりじっくりと蕩けさせた理玖は、見るからに高まっていて俺は自分の理性を繋ぎ止めるのに必死だった。ねだる様な理玖の甘い懇願に、俺はゆっくりと理玖に自分自身を突き立てた。

理玖の窄みは散々指で解してあったはずなのに思いの外狭くて、理玖の苦しげな閉じられた瞼に口づけながら、俺は息を吐き出して身体を緩める様にささやいた。俺の先端を呑み込んだ理玖のそこは、熱くて狭くて蕩けるような気持ち良さだった。


馴染むようにじっとしていたが、不意に誘うように吸い付く感じがして俺が理玖の顔を見つめると、理玖は俺を真っ直ぐに見つめて戸惑いながらも、もっと欲しいと俺を誘った。

俺は理玖の天然の魔性ぶりに一気に煽られて、細くなった理性にしがみつきながら理玖の奥へと突き進んだ。俺の全てに反応して、気持ち良さげに追い立てられている理玖を感じながら、果たして貪られてるのはどちらなんだろうと一瞬頭をよぎったのは覚えている。


そこからはもう目の前の感じやすい理玖との快感しか見えなくて、ダラダラと吐き出す理玖の白濁を感じながら俺はグチグチと攻め立てた。

理玖の締め付けが俺を崖のてっぺんに連れ出して、俺は大きく呻きながら真っ逆さまに飛び落ちていった。真っ白に感じる世界で、俺の腕の中でビクビクと震える理玖の暖かさだけが、俺にこれが夢ではない事を教えてくれたんだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成) エロなし。騎士×妖精 ※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? いいねありがとうございます!励みになります。

誰よりも愛してるあなたのために

R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。  ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。 前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。 だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。 「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」   それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!  すれ違いBLです。 ハッピーエンド保証! 初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。 (誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります) 11月9日~毎日21時更新。ストックが溜まったら毎日2話更新していきたいと思います。 ※…このマークは少しでもエッチなシーンがあるときにつけます。 自衛お願いします。

末っ子オメガは近親相姦で妊娠してしまいました

ラフレシア
BL
 末っ子オメガは孕んでしまう!

悪役令息の兄には全てが視えている

翡翠飾
BL
「そういえば、この間臣麗くんにお兄さんが居るって聞きました!意外です、てっきり臣麗くんは一人っ子だと思っていたので」 駄目だ、それを言っては。それを言ったら君は───。 大企業の御曹司で跡取りである美少年高校生、神水流皇麗。彼はある日、噂の編入生と自身の弟である神水流臣麗がもめているのを止めてほしいと頼まれ、そちらへ向かう。けれどそこで聞いた編入生の言葉に、酷い頭痛を覚え前世の記憶を思い出す。 そして彼は気付いた、現代学園もののファンタジー乙女ゲームに転生していた事に。そして自身の弟は悪役令息。自殺したり、家が没落したり、殺人鬼として少年院に入れられたり、父に勘当されキャラ全員を皆殺しにしたり───?!?!しかもそんな中、皇麗はことごとく死亡し臣麗の闇堕ちに体よく使われる?! 絶対死んでたまるか、臣麗も死なせないし人も殺させない。臣麗は僕の弟、だから僕の使命として彼を幸せにする。 僕の持っている予知能力で、全てを見透してみせるから───。 けれど見えてくるのは、乙女ゲームの暗い闇で?! これは人が能力を使う世界での、予知能力を持った秀才美少年のお話。

動物アレルギーのSS級治療師は、竜神と恋をする

拍羅
BL
SS級治療師、ルカ。それが今世の俺だ。 前世では、野犬に噛まれたことで狂犬病に感染し、死んでしまった。次に目が覚めると、異世界に転生していた。しかも、森に住んでるのは獣人で人間は俺1人?!しかも、俺は動物アレルギー持ち… でも、彼らの怪我を治療出来る力を持つのは治癒魔法が使える自分だけ… 優しい彼が、唯一触れられる竜神に溺愛されて生活するお話。

闇を照らす愛

モカ
BL
いつも満たされていなかった。僕の中身は空っぽだ。 与えられていないから、与えることもできなくて。結局いつまで経っても満たされないまま。 どれほど渇望しても手に入らないから、手に入れることを諦めた。 抜け殻のままでも生きていけてしまう。…こんな意味のない人生は、早く終わらないかなぁ。

夢見がちオメガ姫の理想のアルファ王子

葉薊【ハアザミ】
BL
四方木 聖(よもぎ ひじり)はちょっぴり夢見がちな乙女男子。 幼少の頃は父母のような理想の家庭を築くのが夢だったが、自分が理想のオメガから程遠いと知って断念する。 一方で、かつてはオメガだと信じて疑わなかった幼馴染の嘉瀬 冬治(かせ とうじ)は聖理想のアルファへと成長を遂げていた。 やがて冬治への恋心を自覚する聖だが、理想のオメガからは程遠い自分ではふさわしくないという思い込みに苛まれる。 ※ちょっぴりサブカプあり。全てアルファ×オメガです。

成り行き番の溺愛生活

アオ
BL
タイトルそのままです 成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です 始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください オメガバースで独自の設定があるかもです 27歳×16歳のカップルです この小説の世界では法律上大丈夫です  オメガバの世界だからね それでもよければ読んでくださるとうれしいです

処理中です...