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バースの難しさ
佐々木side震える
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「佐々木くん、僕昨日、大変な目に遭ったんだよ。」
目の前の三好は、困った様に僕に相談して来た。僕は気楽な気持ちで何が起きたのか尋ねた。
「…うん。あっくんと待ち合わせして大学の噴水のところに座ってたら、目の前に知らない大学生が立ったんだ。それで僕をじっと見つめていたと思ったら、変な事言うから。僕ちょっと怖かった。」
僕はドクンと心臓が鳴った。ドキドキと速まるその音が、三好に聴こえるかもしれないと怯えながら更に尋ねた。
「…その人、男?何て言われたの?」
三好は目線を下げながら声を落として言った。
「…うん。男の人だったんだけどね?名前何て言うのかって聞かれて、僕もちょっと気が緩んてたのが悪いんだけど、理玖だって言っちゃったんだ。そうしたら、その人僕の腕掴んでミヨシ リクなの?って凄いギラギラした目で言うから…。僕怖くなっちゃって、黙ってたんだけど。
そしたら、その人僕に顔寄せて、最近どうしたの?今度俺ともやってよって…。僕怖くて何も言えなくなってじっとしてたんだ。そしたらその人がニヤって笑って僕にキスしようとしてきたからびっくりして抵抗してたら、あっくんが走って来てその人のこと捕まえてくれて…。
凄い怖かった。もしかして僕、誰かと間違えられたのかな…。でもミヨシ リクって言ってた。あっくんが警備員に引き渡して何か話してたけど。あっくんが凄い怒ってて、それはそれで大変だったんだ。凉兄まで来ちゃって、凄い騒動になったの。」
三好が眉をしかめてヒソヒソと僕に打ち明ける話は、とんでもない事に発展しているって感じた。僕がちょっとした嫉妬心と悪戯心で三好の名前を騙ったせいで、噂になってるみたいだ。
僕は1人にしか名前を言わなかったけれど、そのあと何となくやばい気がして、それ以来Qとしてもマッチングはしていない。僕がミヨシ リクとして顔と名前が一致してるとは思わないけど、もっと用心した方がいいかもしれない。
今までもQとして会った大学生とは大抵1度しか会わない様にしていたけれど…。
僕はちょっと前に正門の所で三好の「あっくん」に品定めされた時のことを思い出していた。僕たちに遠慮なく向けられる上位アルファの威嚇のオーラは、経験したことのない強烈なものだった。あの人は三好を守るためにならどんな力でも使う人間だと分かってゾッとしたんだ。
僕は三好のことを舐めていたのかもしれない。でも後悔しても、ミヨシ リクと名乗ったあの事実は、既に僕の手に負えないところへ一人歩きしてしまっていた。
目の前の三好は、困った様に僕に相談して来た。僕は気楽な気持ちで何が起きたのか尋ねた。
「…うん。あっくんと待ち合わせして大学の噴水のところに座ってたら、目の前に知らない大学生が立ったんだ。それで僕をじっと見つめていたと思ったら、変な事言うから。僕ちょっと怖かった。」
僕はドクンと心臓が鳴った。ドキドキと速まるその音が、三好に聴こえるかもしれないと怯えながら更に尋ねた。
「…その人、男?何て言われたの?」
三好は目線を下げながら声を落として言った。
「…うん。男の人だったんだけどね?名前何て言うのかって聞かれて、僕もちょっと気が緩んてたのが悪いんだけど、理玖だって言っちゃったんだ。そうしたら、その人僕の腕掴んでミヨシ リクなの?って凄いギラギラした目で言うから…。僕怖くなっちゃって、黙ってたんだけど。
そしたら、その人僕に顔寄せて、最近どうしたの?今度俺ともやってよって…。僕怖くて何も言えなくなってじっとしてたんだ。そしたらその人がニヤって笑って僕にキスしようとしてきたからびっくりして抵抗してたら、あっくんが走って来てその人のこと捕まえてくれて…。
凄い怖かった。もしかして僕、誰かと間違えられたのかな…。でもミヨシ リクって言ってた。あっくんが警備員に引き渡して何か話してたけど。あっくんが凄い怒ってて、それはそれで大変だったんだ。凉兄まで来ちゃって、凄い騒動になったの。」
三好が眉をしかめてヒソヒソと僕に打ち明ける話は、とんでもない事に発展しているって感じた。僕がちょっとした嫉妬心と悪戯心で三好の名前を騙ったせいで、噂になってるみたいだ。
僕は1人にしか名前を言わなかったけれど、そのあと何となくやばい気がして、それ以来Qとしてもマッチングはしていない。僕がミヨシ リクとして顔と名前が一致してるとは思わないけど、もっと用心した方がいいかもしれない。
今までもQとして会った大学生とは大抵1度しか会わない様にしていたけれど…。
僕はちょっと前に正門の所で三好の「あっくん」に品定めされた時のことを思い出していた。僕たちに遠慮なく向けられる上位アルファの威嚇のオーラは、経験したことのない強烈なものだった。あの人は三好を守るためにならどんな力でも使う人間だと分かってゾッとしたんだ。
僕は三好のことを舐めていたのかもしれない。でも後悔しても、ミヨシ リクと名乗ったあの事実は、既に僕の手に負えないところへ一人歩きしてしまっていた。
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