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僕のバース

尊side俺たちの関係

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理玖が小走りで家の車へ乗り込むのを見送って、ついでに手を振りながら俺たちはなんとも言えない沈黙に襲われていた。俺は悠太郎の方を見ない様にしてボソッと呟いた。

「…悠太郎、お前大丈夫か?理玖はあの通り鈍感な奴だから、お前が理玖のこと幼馴染以上に大事に思っているって事気づいてないぜ?

今回の篤哉さんとの”約束“は想像できたけど、こんなにバース判定出る前に取り付けるなんて、ほんと、やり手っていうか。予想外って言うか。」


悠太郎はゆっくり歩き出しながら話し出した。

「理玖が言ってたことが全てだよ。篤哉さんは理玖が何者でも自分のものにしたかったんだ。それは並の覚悟じゃないだろ?俺たちはバース性に縛られてるのに、篤哉さんはそんなの眼中になかった。それが三好のおじさんを動かしたのは確かだろうし。

理玖がバース性に不安を感じてるのは俺たちも気づいてただろ?お前や俺がアルファだと確信すればするほど、理玖はアルファの様に育ちながら、男のΩに判定される事を予想してただろうからな。


男のΩなんて一体どれくらい少数なのか…。理玖が不安を感じて当然だ。でも、篤哉さんはそんな理玖をバース判定出る前に支えたんだ。それが俺と篤哉くんの歳の差の行動力なのかもしれないし…。完敗だよ。

ま、でも俺たちは理玖の幼馴染なのは変わりなしだ。俺は理玖のこと、これからは友達として大事にする事にするよ。」

そう言って悠太郎は俺を見つめて笑った。きっと悠太郎はこうなる事をずっと予想していたのかもしれない。それが想像より早く訪れただけなんだ。


俺は悠太郎に悪戯っぽく笑って言った。

「とか言って、俺たちマジでアルファなのかな?違ったらどうするよ!」

二人で顔を見合わせてケラケラと笑い合ったけれど、俺たちは急に心配になって立ち止まると、鞄から封筒を取り出した。一緒に書類を確認して、俺たちは顔を見合わせてニヤリと笑った。

「「アルファだ!」」


一応親も心配して待っている大事な書類だ。俺たちは丁寧に書類を鞄に仕舞うと、肩を組んでこれからの未来に希望を抱いた。

そして二人とも口にしなかったけれど、大事な幼馴染の理玖がこれから俺たちより複雑な人生を送るだろう事を思って、力になろうと決心した事も多分同じだっただろうな。

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