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期間限定不老不死

男の姫、王宮へ行く

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僕が仲良しの侍女アンリに誘導されて輪車から降りると、車止めに居た数人の貴族たちが一斉にこちらを見つめたのが分かった。僕は自分のしている事がもしかしておふざけでは済まなくなっているのでは無いかと後悔し始めていた。

皆の視線が突き刺さる。ヒソヒソとこちらを窺っている。僕がマモルである時は、これほど注目はされ無かった気がする。直ぐに連絡がついていたのか、デービス殿下付きの執事が急ぎ足でやって来た。


「…なんと言う事なんでしょうか!マモル様は、…実は姫でございましたか?」

いや、顔がマジなんだけど。僕はにっこり微笑んで少し柔らかな口調で言った。

「ここではマリーでございます。さぁ、冗談は置いておいて、さっさとデービス殿下の所へ参りましょう。さっきから周囲の視線が気になりますの。」

僕がそう言って執事に微笑み掛けると、若い執事は顔を赤らめて黙ってしまった。僕が、首を傾げて執事を促すと、我に返った執事は慌てて僕をデービス殿下の部屋まで案内しますと、車止めから連れ出してくれた。


ホッとする間もなく、次々に声を掛けてくる貴族たちをかわしながら、僕たちはようやくデービス殿下の住むエリアへと辿り着いた。流石にデービス殿下のお客様というひと言で、殆どの貴族たちは名残惜しそうに僕たちの側を離れて行った。

「ああ、ホッとしましたわ。ここまで無事に辿り着けて。デービス殿下にお会いするのも大変ですわね?」

そう僕が微笑んで執事と話しをしていると、護衛の騎士が咳払いして僕に名前を尋ねた。

「形式的なものですが、お名前を伺っても宜しいですか。」


僕が答えようとしたその時、扉が開いてデービス殿下と従者が顔を覗かせた。

「デービス殿下!お久しぶりです!お元気でいらっしゃいましたか?」

僕がにっこり笑って礼を執ると、デービス殿下は僕をまじまじと見つめて呟いた。

「…まもる?きれい!ちゅき!」

そう言って僕の腕の中に飛び込んで来たデービス殿下を抱き上げながら、目を白黒させている護衛が頷くのに首を傾げてお礼をすると、扉の中へ入っていった。


「デービス殿下、少し大きくなられましたね?随分重くなりました。僕もデービス殿下にお会いしたかったです。今日はご招待ありがとうございます。」

そう言って腕の中のデービス殿下を覗き込むと、殿下は顔を赤らめて言った。

「うん。わたちも会いたかったの。まもる、カワイイね~?」




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