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私の運命

舞い上がった二人※

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 征一にプロポーズされて、頷いた私に征一は少し顔を赤らめて指輪をはめてくれた。そして私に顔を近づけて甘やかなキスをした。触れるだけの唇を追いかける様に、私は手を伸ばして征一の首に手を回してその先を強請った。

 征一は直ぐに私の唇をくすぐる様にゆっくりとした動きで、唇をついばんだり、甘噛みして私を焦らした。我慢できなくなったのは私の方だっただろうか。

 征一の舌がほしくて、征一の待ち兼ねたその唇の中に舌を伸ばすと、あっという間に私たちは卑猥な音を立てて夢中でとろける様なキスをしていた。


 身体を許し合ってから、私たちは会う度に時間を忘れて身体を重ねていた。貪欲な征一は優しくも激しく私を求めたし、私もまた自分の中にこんな自分が隠れていたなんて知らないほどに征一についていった。

『美那は良い生徒だね。でもこんなところまで優等生なのは正直嬉しい誤算だ。美那となら一生楽しい人生が送れるよ。』

 そんな風に征一は言ったけれど、私自身、征一を欲しがる自分の欲情に驚かされていた。征一と触れ合う身体の熱が、指先が、唇が、舌ががもたらす快感に、私はあっという間に溶かされて溺れた。

 一方で、私の唇や、舌、指先が感じる征一の全てが愛おしくて、心臓をドキドキさせて、味わいたかった。


 そんな私たちだったから、プロポーズのその瞬間に二人して舞い上がってしまったのもしょうがないだろう。私たちはそれを知ったばかりの高校生の様に、二人でお互いの服を剥ぎ取って、撫で回して、舐め合って、愛撫した。

「ああっ、んんっ、あん、征一さんっ、気持ちいいっ、あぁっ!」

 自分の甘い声が部屋に響いて、征一の立てる濡れた音が混じり合って、それは卑猥で、興奮して、愛おしかった。

 征一のいつもの念入りな愛撫は、未熟な私をいつも快感の果てに連れていったけれど、今はもう待てなかった。早くひとつになって、抱き合いたかった。


 「…きて、もう、来て。」

 大きなソファに汗ばんだ身体を横たえながら、私は征一に手を伸ばして懇願した。征一は目の前で自分の猛々しいそれを私に見せる様に何度か撫でしごいて言った。

「…私も美那に入りたくて堪らないよ。美那のここ、こんなにヒクヒクしてこれを欲しがってるね。…んっ。」

 私を満たしていく征一自身を感じて、私はこの先の蕩けるような快感の期待に、征一を見上げて見つめ合いながら、開いた唇の間から熱い息を吐きながら呟いていた。

「…ぁあ、愛してる。」


 逞しい征一に優しくも激しく征服されて、私は甘くさえずった。征一に愛されているこの瞬間ほど自分の身体が誇らしく感じる事はない。普段は視線を感じて嫌な思いをするだけの大きめの胸も、征一の大きな手で掴まれて舐められるとゾクゾクして嬉しさだけしか感じない。

 まだ経験不足なはずのあそこも、征一の巧みな指遣いや執拗な舌遣いで只々翻弄されていた。

 だから私の中に入った征一が、苦しげに快感を堪えるその表情に、私はありのままの自分を肯定されている気がしてますます夢中になってしまう。


 私だけでなく征一もまた私と交わって喜びを感じてくれる事の嬉しさを、私はこうして触れ合って初めて知ったのだった。

「ああっ、気持ち良い…!そこっ…。あ、お願いもっと擦って…!」

 恥ずかしくても正直に気持ちを伝えて欲しいと征一に言われて、私は素直に口にする。そんな私の唇を強く吸い上げて、征一は腰の律動を更に速めて呟いた。


 「…凄い破壊力だって、ふっ、本人がわかってないのが、またいいね。私は、…美那に煽られて死にそうに気持ち、…良いよ。」

 息を弾ませながらそう言う征一は、私の中の更に奥へと腰を突き出した。ああっ、そうされると弱いのに…!身体を起こした征一はラグの上に膝立ちになって、ソファから私を引き寄せて不安定な体勢のままのしかかって来た。

 背中しかソファに乗っていないのに、まるで上から串刺しにされる様なあられも無い体勢で卑猥な音を立てられて、私は興奮と恥ずかしさ、それを上回る快感にもう訳が分からなくなっていた。


 征一の親指が私の敏感な場所に押し付けられると、私はビクビクと足を跳ね上げて仰け反った。堪えたものが弾けて、それから汗ばんだ征一にきつく抱きしめられて息を止めた。

 ああ、征一と交わる度に私は絶頂を与えられる。それは苦しさと気持ち良さが入り混じった恐ろしくも癖になる快感で、幸福だった。征一の与えてくれるそれを、私は煌めく星屑の様に心の中へと貯めていく。

 願わくば、征一も私から素晴らしいものを得て欲しい。それは愛のかけらでもあるのだから。


 けれども私はやはり勉強不足だったみたいだ。私はそれからももっと素晴らしい世界を知ることになるのだから。征一も一緒に。



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