上 下
11 / 143
新学期

同室の和也へのキスレクチャー※

しおりを挟む

和也からのキスレクチャのーおねだりに、ボクはまたこの佐藤パターンかとため息をついた。
この学園は隙を見せると食いかかってくるんだ。

一方で、普段感情を表さない和也の動揺した顔を見たいという好奇心も手伝って、身体が動いてしまった。

ボクは背の高い和也の短髪に左手の指を差し入れて首筋に向かってゆっくり撫で下ろし掴むと、耳の下に親指を残した。
微かに親指でそこをくすぐりながら和也の目を見てニヤリと笑うと、文字通り和也の下唇に噛み付いた。

ゆっくり上下の唇を甘噛みしてお互いの唇の柔らかさを堪能すると、舌で焦らすように唇を何度か舐めた。
和也が少しビクついたので、気を良くしたボクは少し開いた隙間から舌を押し込むと、和也の分厚い舌に絡ませた。

ワザと大袈裟に喘ぎながら、噛んだり吸ったりしてると腰を掴む力が強くなってきたのでぐいっと離れた。


「はい、レクチャー終了。アドバイスありがと。僕夕食に行くから。」

ボクは極めて冷静な態度でリストをポケットに突っ込むと、部屋を出ていった。
そして廊下で閉めたドアに寄りかかりながら息を吐き出すと、何とか心を鎮めた。

そして和也の目元を赤くして、ちょっと呆気に取られた顔を思い浮かべながら勝ち誇った気分で食堂へ入っていった。


僕が食堂に姿を見せると、騒つきがふと鎮まったのを感じた。
あれか。リストの件がここまで知られてるのか。僕は少々ヤケになっていた。

何となくみんながコソコソ話をしながらこちらを伺っているのが見える。
僕はため息をつくと夕食のトレーを受け取ってなるべく早く食べ終えた。

ポケットからリストを取り出し、和也がつけた1番上の丸の名前を確認して近くにいた寮生にニッコリ笑って尋ねた。

「ねぇ、2年の田中翔太ってどこに居るかわかる?」


突然話しかけられた寮生は慌てたのか、しどろもどろになりながら田中翔太を指差した。
僕はこちらを赤くなりながら見つめている田中翔太らしき人物の前の席に立ち止まった。


「田中翔太?僕、漆原健斗だけど。明日放課後教室に来て。じゃあ。」


僕は真っ赤になった田中のみならず、食堂にいる生徒が僕の一挙手一投足を見ているのを感じながら俺様態度で食堂を出て行った。

出口で和也とすれ違ったが、目を合わせただけで反応はお互いあえてしなかった。
また干渉しない関係に戻れる事を願いながらだったけど…。

しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

処理中です...