上 下
100 / 104
冬の次は春

上に乗って※

しおりを挟む
僕の濡れた窄みはキヨくんを呑み込みたがったけれど、それは滑って上手く入らなかった。キヨくんが僕の下で呻きながら、自分の昂りを指で支えてゆっくりと僕のそこを撫でた。

それから二人で協力して僕の入り口にあてがうと、僕はゆっくりと腰を落としていった。自分から挿れるそれは圧迫感が凄くて、でも悪戯に弾かれる胸の先の快感と連動して、思わず無意識に腰を揺らめかした。


途端にキヨくんがグイと腰を突き出して、僕の敏感な場所を擦るから、甘く喘いでしまった。その気持ち良さがもっと欲しくて、僕も自分で腰を動かしていた。

気持ち良いところに刺さる様なその刺激に、僕は口を開けて声を切れ切れに漏らしながら夢中になった。キヨくんを征服してる様な気分になるのも、ゾクゾクして、新しい自分を知るようで僕は閉じた目を細めてキヨくんを見下ろした。


僕を睨みつける様に見つめるキヨくんの眼差しが熱くて、僕は一瞬でゾクゾクと感じてしまった。

「玲っ、締め過ぎっ。」

そう言いながら、グイって僕を犯すキヨくんに僕は甘く息を吐き出した。ああ、もっと動きたいのに、もう脚に力が入らなくて無理…。僕がじっとして、時々下からゆるゆると突き上げられる快感に呻いていると、キヨくんが掠れた声で言った。

「…玲、もっといっぱい擦って欲しい?」


僕は熱い息を吐き出しながらコクコクと頷いた。僕の中のキヨくんが急に大きくなった気がして、僕はブルリと震えた。それからキヨくんは僕を後ろから抱き抱えるように横になると、グチグチとゆっくりと僕を擦った。

丁度良いところに当たるのか、鋭い快感が終わりなく、じっくりとなぶられて、僕は馬鹿みたいに喘いでキヨくんの手のひらに硬くなった胸の先を押し付けてしまう。


じわじわと甘く喘がされて、僕は思わず自分で揺れる股間に触れたくなった。けれども、キヨくんが僕の手を掴んでそれを許してくれなかった。

「キヨくん、前触りたい…。もう、苦しい。」

すると耳元でキヨくんが懇願するように囁いた。

「俺にやらせて。…もうちょっと頑張れる?」


そう言うと、今度は動くのをやめて僕の昂りを優しく撫で回した。急激な快感で僕は腰がヘコヘコと動いて、それは同時にキヨくんを締め付けたみたいだった。

気づけば僕はうつぶせられて、突き出したお尻に、荒い息使いのキヨくんが容赦なく腰を振り立てていた。時々僕の昂りを馬鹿みたいに扱くから、その度に逝くにいけない快感が溜まって、僕はもう訳がわからなくなって、ひたすらシーツに顔を押し付けて鳴いていた。


爆発するような絶頂が来て、叫ぶ僕に重ねるように大きく唸るキヨくんの甘い声が部屋に響いて、凄い速さで揺さぶられて僕は降りて来れない快感に放り出された。怖いくらいの気持ち良さと、必死に僕を貪るキヨくんの熱さにもう、無理だった。

なのに、僕に食い込みながらキヨくんが手を止めずに僕自身を動かし続けるから、僕は突き刺さるような快感で出しちゃいけないものを出してしまった。

「ああぁっ!んーっ!」


呻く僕に、我慢できないように更に腰を押し付けるキヨくんが息を詰めながら言った。

「はっ、まじで、気持ちいいっ。玲、潮吹いちゃった?…可愛い、玲。好き。」

そう言って、僕にぐったりと重なって横になりながら、甘く首筋にキスを落とした。僕はもう言葉にならなくて、僕を包み込むキヨくんの身体の重みを感じていた。ああ、僕、キヨくん好き。本当に好き…。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結済み】乙男な僕はモブらしく生きる

木嶋うめ香
BL
本編完結済み(2021.3.8) 和の国の貴族の子息が通う華学園の食堂で、僕こと鈴森千晴(すずもりちはる)は前世の記憶を思い出した。 この世界、前世の僕がやっていたBLゲーム「華乙男のラブ日和」じゃないか? 鈴森千晴なんて登場人物、ゲームには居なかったから僕のポジションはモブなんだろう。 もうすぐ主人公が転校してくる。 僕の片思いの相手山城雅(やましろみやび)も攻略対象者の一人だ。 これから僕は主人公と雅が仲良くなっていくのを見てなきゃいけないのか。 片思いだって分ってるから、諦めなきゃいけないのは分ってるけど、やっぱり辛いよどうしたらいいんだろう。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

【完結】冷遇された翡翠の令嬢は二度と貴方と婚約致しません!

ユユ
恋愛
酷い人生だった。 神様なんていないと思った。 死にゆく中、今まで必死に祈っていた自分が愚かに感じた。 苦しみながら意識を失ったはずが、起きたら婚約前だった。 絶対にあの男とは婚約しないと決めた。 そして未来に起きることに向けて対策をすることにした。 * 完結保証あり。 * 作り話です。 * 巻き戻りの話です。 * 処刑描写あり。 * R18は保険程度。 暇つぶしにどうぞ。

運命の息吹

梅川 ノン
BL
ルシアは、国王とオメガの番の間に生まれるが、オメガのため王子とは認められず、密やかに育つ。 美しく育ったルシアは、父王亡きあと国王になった兄王の番になる。 兄王に溺愛されたルシアは、兄王の庇護のもと穏やかに暮らしていたが、運命のアルファと出会う。 ルシアの運命のアルファとは……。 西洋の中世を想定とした、オメガバースですが、かなりの独自視点、想定が入ります。あくまでも私独自の創作オメガバースと思ってください。楽しんでいただければ幸いです。

目覚めたら、婚約破棄をされた公爵令嬢になっていた

ねむ太朗
恋愛
刺殺された杏奈は黄泉で目覚め、悪魔に出会った。 悪魔は杏奈を別の世界の少女として、生きさせてくれると言う。 杏奈は悪魔と契約をし、16歳で亡くなった少女ローサフェミリア・オルブライト公爵令嬢として、続きの人生を生きる事となった。 ローサフェミリアの記憶を見てみると、婚約破棄をされて自殺をした事が分かり……

みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る

伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。 それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。 兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。 何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。

浮気癖夫が妻に浮気された話。

伊月 慧
恋愛
 浮気癖夫の和樹は結婚しているにも拘わらず、朝帰りは日常的。  そんな和樹がまた女の元へ行っていた日、なんと妻の香織は家に男を連れ込んだ。その男は和樹の会社の先輩であり、香織の元カレでーー。

わたしのことはお気になさらず、どうぞ、元の恋人とよりを戻してください。

ふまさ
恋愛
「あたし、気付いたの。やっぱりリッキーしかいないって。リッキーだけを愛しているって」  人気のない校舎裏。熱っぽい双眸で訴えかけたのは、子爵令嬢のパティだ。正面には、伯爵令息のリッキーがいる。 「学園に通いはじめてすぐに他の令息に熱をあげて、ぼくを捨てたのは、きみじゃないか」 「捨てたなんて……だって、子爵令嬢のあたしが、侯爵令息様に逆らえるはずないじゃない……だから、あたし」  一歩近付くパティに、リッキーが一歩、後退る。明らかな動揺が見えた。 「そ、そんな顔しても無駄だよ。きみから侯爵令息に言い寄っていたことも、その侯爵令息に最近婚約者ができたことも、ぼくだってちゃんと知ってるんだからな。あてがはずれて、仕方なくぼくのところに戻って来たんだろ?!」 「……そんな、ひどい」  しくしくと、パティは泣き出した。リッキーが、うっと怯む。 「ど、どちらにせよ、もう遅いよ。ぼくには婚約者がいる。きみだって知ってるだろ?」 「あたしが好きなら、そんなもの、解消すればいいじゃない!」  パティが叫ぶ。無茶苦茶だわ、と胸中で呟いたのは、二人からは死角になるところで聞き耳を立てていた伯爵令嬢のシャノン──リッキーの婚約者だった。  昔からパティが大好きだったリッキーもさすがに呆れているのでは、と考えていたシャノンだったが──。 「……そんなにぼくのこと、好きなの?」  予想もしないリッキーの質問に、シャノンは目を丸くした。対してパティは、目を輝かせた。 「好き! 大好き!」  リッキーは「そ、そっか……」と、満更でもない様子だ。それは、パティも感じたのだろう。 「リッキー。ねえ、どうなの? 返事は?」  パティが詰め寄る。悩んだすえのリッキーの答えは、 「……少し、考える時間がほしい」  だった。

処理中です...