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冬の次は春
温泉に篭る
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顔が熱いのを冷ますために、僕は今アイスクリームを食べている。温泉旅館の滞在リストに記帳しているキヨくんを横目で見ながらだけど。結局高校の卒業式も済んでしまった僕たちの身分は、大学生未満、高校生以上の何とも宙ぶらりんな立場だ。とは言え18歳なのだから成人している。
宿の人の手前、平静を装いながら僕はキヨくんの綺麗な筆跡を眺めていた。
「ほら、玲も書け。」
そう言うキヨくんにアイスを渡して、僕はキヨくんの下の欄に住所と名前を書いた。住所が殆ど一緒なのが笑える。
僕は宿の人の目を見ない様にして、アイスを食べ終わると戻って来たキヨくんと荷物を手に部屋に向かった。
「どう思われたかな。」
僕が前方を見ながらそう呟くと、キヨくんは僕を見て言った。
「別に男同士の旅行だろ。それに何か勘繰られたって、俺たち成人だし、後ろめたい事なんて何も無い。大体あっちだってプロだから。」
僕はキヨくんの揺るぎなさにちょっとホッとして、思わず微笑んだ。
「うん。そうだね。ふふ、部屋すごく楽しみ!」
僕は急に露天付きの部屋が楽しみになった。もう、明日チェックアウトするまで、僕らを邪魔するものは何も無い。間口の広い扉を開けると、広いたたきに続く明るい洗面所とお手洗い、部屋付き浴室がまとまっていて、それはセンスの良い洒落た雰囲気があった。
僕はいきなりテンションが上がって、その先の続き扉を開けた。左手に大きめのツインベッドとテーブルやTV、コーヒーやお茶のコーナー、クローゼットがあった。そして目の前に、板張りの広いテラスに、そこそこ大きな丸い露天風呂が、萌え始めた芽吹きの彩りを感じる深い山が空を切り取る景色と相まって、期待を高めていた。
「凄い…。いいね、ここ。」
僕が思わず満面の笑みで後ろのキヨくんを振り返ると、キヨくんが両手を広げて僕を待っていた。僕は急にドキドキしてしまって、視線を彷徨わせてしまった。恥ずかしい…。急にそんな空気出されちゃって!
「玲。俺ずっと我慢して頑張ってたんだから、ご褒美ちょうだい。」
そう、真面目な顔で言われて、僕は思わず抱きついた。
「僕も我慢してたよ。でも、キヨくん合格して、本当良かった…。」
キヨくんの温かな匂いを吸い込んでうっとりしていると、キヨくんに呼びかけられた。顔を上げたら、直ぐにキヨくんの甘い唇が落ちてきた。僕の唇に押しつけられた柔らかなそれは、あっという間に貪る様な口づけに変わって、僕もまた待ち望んだキヨくんの甘い舌を味わった。
お互いのズキズキする様な股間の張り詰めを感じて、僕は狼狽えてキヨくんから顔を引き剥がしてささやいた。
「…キヨくん、僕キヨくんが欲しいよ。」
宿の人の手前、平静を装いながら僕はキヨくんの綺麗な筆跡を眺めていた。
「ほら、玲も書け。」
そう言うキヨくんにアイスを渡して、僕はキヨくんの下の欄に住所と名前を書いた。住所が殆ど一緒なのが笑える。
僕は宿の人の目を見ない様にして、アイスを食べ終わると戻って来たキヨくんと荷物を手に部屋に向かった。
「どう思われたかな。」
僕が前方を見ながらそう呟くと、キヨくんは僕を見て言った。
「別に男同士の旅行だろ。それに何か勘繰られたって、俺たち成人だし、後ろめたい事なんて何も無い。大体あっちだってプロだから。」
僕はキヨくんの揺るぎなさにちょっとホッとして、思わず微笑んだ。
「うん。そうだね。ふふ、部屋すごく楽しみ!」
僕は急に露天付きの部屋が楽しみになった。もう、明日チェックアウトするまで、僕らを邪魔するものは何も無い。間口の広い扉を開けると、広いたたきに続く明るい洗面所とお手洗い、部屋付き浴室がまとまっていて、それはセンスの良い洒落た雰囲気があった。
僕はいきなりテンションが上がって、その先の続き扉を開けた。左手に大きめのツインベッドとテーブルやTV、コーヒーやお茶のコーナー、クローゼットがあった。そして目の前に、板張りの広いテラスに、そこそこ大きな丸い露天風呂が、萌え始めた芽吹きの彩りを感じる深い山が空を切り取る景色と相まって、期待を高めていた。
「凄い…。いいね、ここ。」
僕が思わず満面の笑みで後ろのキヨくんを振り返ると、キヨくんが両手を広げて僕を待っていた。僕は急にドキドキしてしまって、視線を彷徨わせてしまった。恥ずかしい…。急にそんな空気出されちゃって!
「玲。俺ずっと我慢して頑張ってたんだから、ご褒美ちょうだい。」
そう、真面目な顔で言われて、僕は思わず抱きついた。
「僕も我慢してたよ。でも、キヨくん合格して、本当良かった…。」
キヨくんの温かな匂いを吸い込んでうっとりしていると、キヨくんに呼びかけられた。顔を上げたら、直ぐにキヨくんの甘い唇が落ちてきた。僕の唇に押しつけられた柔らかなそれは、あっという間に貪る様な口づけに変わって、僕もまた待ち望んだキヨくんの甘い舌を味わった。
お互いのズキズキする様な股間の張り詰めを感じて、僕は狼狽えてキヨくんから顔を引き剥がしてささやいた。
「…キヨくん、僕キヨくんが欲しいよ。」
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