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受験生

食べたい…?

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キヨくんにそんな強い眼差しで見つめられたら、僕は一気にドキドキしてしまう。僕は疲れた顔のキヨくんに気を取られて、今家の中で二人きりだとか、イチャイチャ出来る条件が揃っている事に全然気付いていなかったんだ。

「玲?せっかく玲の入れてくれたカフェオレ、冷めちゃうぞ。」

そう言って僕は手を引っ張られて、キヨくんの腕の中に抱き止められた。

「…これじゃ、飲めない。」


するとキヨくんは僕を脚の間に座らせて、少し横にズレた。身長差があるせいか、それともキヨくんのガタイが良いせいか、すっぽりと抱き込まれる僕。キヨくんにカップを渡されて、少しづつ飲んだ。

「…甘くて旨い。やっぱり俺疲れてるんだろうな。糖分を脳が欲しがってる気がする。」

カフェオレを飲み終えて、珍しく弱音を言うキヨくんの肩に頭を乗せながら、僕はキヨくんの温かな体温と匂いにリラックスし始めた。久しぶりに二人になれたせいで、緊張して身体が強張ってしまっていたんだ。


「…キヨくんが凄く頑張ってるの分かってるよ。だから、僕キヨくんの邪魔したくない。でも時々凄く会いたくて堪らない時があるんだ。自分の中にこんな熱い気持ちがあるなんて、ちょっとびっくり。」

そう言って照れ隠しに笑うと、キヨくんは僕の手の中のカップを取り上げてテーブルに置いてしまった。僕はソファに押し倒されて、思わずのし掛かるキヨくんの眼鏡を外してしまった。それをテーブルに置くとボソッと呟いた。


「僕、キヨくんの眼鏡の顔好きだけど、当たると痛いから。」

キヨくんは嬉しそうに微笑んで囁いた。

「玲は、眼鏡してたら痛くなるくらい激しいやつ、欲しいんだな?」

そう言うと僕の唇を覆う様に、欲望の滲むキスをしてきた。僕はキヨくんとのキスが嬉しくて、それこそ最近は夢にまで見てしまっていたから、キヨくんの背中に手を回してぎゅっと抱きしめた。


僕の唇が痺れる様に、強く擦り合わせるような切羽詰まったキスは、僕をドキドキさせた。キヨくんの舌が待ちきれなくて、自分から舌を伸ばしてキヨくんの下唇をなぞってその先を強請った。

不意にキヨくんは僕から顔を上げて、僕を見下ろして尋ねた。

「…玲は俺と最後までしたい?」

僕は、キヨくんの真剣な焦げ茶色の瞳を見つめて、少し戸惑いながら答えた。

「…今?僕自分が怖いんだ。キヨくんと身体を繋げたら、もっと貪欲になって、もっと我慢できなくなって、キヨくんの邪魔しちゃいそうで。キヨくんの受験の邪魔はしたくない…。どうしたら良いか分からないよ。」












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