上 下
60 / 104
カップルの定義

これ知ってる※

しおりを挟む
僕がぼんやりした頭でキヨくんにこの苦しさから解放してほしくて頼んだせいなのか、キヨくんはおもむろに身体を離すと、床に置いてあった何かを持ち上げた。それは何かボトルの様なもので、そこからドロリとしたジェルの様なものを手のひらに出した。

「これ使って、一緒に気持ちよくなろう。玲も二人一緒の方がいいだろう?」

僕は何が起きるのか分からなかったので、キヨくんに任せるつもりでコクリと頷いた。するとキヨくんは濡れてない方の手で自分のボクサーショーツをずり下げると、すっかり興奮して臍に向かって持ち上がっている自身にそれを塗りつけた。それは何だか、ドキドキする様な光景で、僕はゴクリと唾を飲んだ。


それから壁を背に寄り掛かると、僕を呼んだ。

「玲。俺に跨って。」

僕は恥ずかしさより、何だか未知の領域への好奇心の方が勝って、いそいそとキヨくんの言う通りに、足の間に腰を降ろした。するとキヨくんの空いた手で腰をグッと引き寄せられて、僕はキヨくんに寄り掛かった。

下の方で、僕自身とキヨくんのそれを一緒に掴まれて、ヌルついたキヨくんの手でこね合わされてしまった。ぬちゃぬちゃと部屋に響く音がいやらしくて、僕は一気に頭が熱くなってしまった。


これは聞いたことがある。確かカブト何とかって言うやつじゃないのかなって、そんな冷静な考えはあっという間に霧散してしまった。この状況とキヨくんに覆われた唇とが、気持ちよくて、いやらしくて、僕はキヨくんの口の中を自分の舌でなぞりながら、もう直ぐにでも逝ってしまいそうだった。

ゆるゆると擦り合わされるのは焦らす様だったけれど、さっきから高まっていた身体はもう我慢できなかった。僕はキヨくんの首筋に顔を押し付けながら呻いた。

「あ、んんっ。キヨくんっ、僕もう無理っ。ああっ!」


キヨくんが僕をぎゅっと抱きしめると、食らいつく様なキスを落として、刺激を早めたから堪らなかった。思わずキヨくんに抱きつく手に力が入っちゃって、僕は腰をへこへこと動かしていた。

絞る様な快感で、僕は思わず大きな声で叫んでしまった。ビクンビクンとしなる身体に、キヨくんが大きく呻いて温かい飛沫を僕に掛けた。キヨくんが握った二人の昂りはグチュグチュとゆっくりと撫で擦られて、僕は終わらない快感に腰をひくつかせるしかなかった。

ああ、こんな気持ちいいの、僕初めてかもしれない。そう思ってキヨくんを見上げると、キヨくんは優しい顔をして、僕の唇を啄んで言った。


「俺、今日の事、一生忘れないから。大好きだ。…玲が可愛くてたまらない。」

僕はまだ自分のものに、キヨくんが触れているのを感じながらも、キヨくんの首に抱きついて囁いた。

「僕も、…キヨくんが大好きだよ。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!

たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった! せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。 失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。 「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」 アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。 でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。 ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!? 完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ! ※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※ pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。 https://www.pixiv.net/artworks/105819552

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

何故か正妻になった男の僕。

selen
BL
『側妻になった男の僕。』の続きです(⌒▽⌒) blさいこう✩.*˚主従らぶさいこう✩.*˚✩.*˚

【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成) エロなし。騎士×妖精 ※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? いいねありがとうございます!励みになります。

僕の兄は◯◯です。

山猫
BL
容姿端麗、才色兼備で周囲に愛される兄と、両親に出来損ない扱いされ、疫病除けだと存在を消された弟。 兄の監視役兼影のお守りとして両親に無理やり決定づけられた有名男子校でも、異性同性関係なく堕としていく兄を遠目から見守って(鼻ほじりながら)いた弟に、急な転機が。 「僕の弟を知らないか?」 「はい?」 これは王道BL街道を爆走中の兄を躱しつつ、時には巻き込まれ、時にはシリアス(?)になる弟の観察ストーリーである。 文章力ゼロの思いつきで更新しまくっているので、誤字脱字多し。広い心で閲覧推奨。 ちゃんとした小説を望まれる方は辞めた方が良いかも。 ちょっとした笑い、息抜きにBLを好む方向けです! ーーーーーーーー✂︎ この作品は以前、エブリスタで連載していたものです。エブリスタの投稿システムに慣れることが出来ず、此方に移行しました。 今後、こちらで更新再開致しますのでエブリスタで見たことあるよ!って方は、今後ともよろしくお願い致します。

処理中です...