118 / 127
再びの異世界
まだ二人で
しおりを挟む
もうすっかり午後になっているジュリアンの自室で、僕は、ぼんやりとジュリアンの腕の中で微睡んでいた。枕元のアイスバケツの氷はすっかり溶けて、ボトルの中も空になっていた。僕は腕の中で姿勢を変えるとジュリアンを見上げた。
長い睫毛の影を痩せた頬に映しているジュリアンは冴え冴えとしたイイ男ぶりで、僕はドキドキしながらジュリアンの分厚い唇をそっと指先でなぞった。僕の悪戯な指先をパクリと加えたジュリアンは、それでも目を開けずにいた。僕はジュリアンが寝ぼけているのかと思った。
「…ジュリアン?起きてるの?」
反応がないジュリアンに、僕は指を引き抜こうとしたけれど、その瞬間僕の指はジュリアンの舌に絡め取られ、いやらしい動きで舐め回された。僕は身体が熱くなるのを感じながら、ジュリアンの顔にもう一つの手を添えて言った。
「ジュリアン!起きて。…僕お腹が空きました…。」
ジュリアンは目をパチッと開けて、緑を感じるはしばみ色の優しい目で僕を見つめた。
「…私もだ。まだ腹が空いてる。さぁ、もっと食べさせてくれ…。」
そう言うと僕にのし掛かって、腰の硬く勃ち上がってきている重量のあるそれを、僕にゆるゆると押し付けた。僕はお腹の奥がズクリと疼いたけれど、それと同時にお腹がグゥっと鳴った。僕たちは顔を見合わせて笑うと、唇に軽いキスをしてから起き上がった。
僕は思ったより腰をやられてなくて、ホッとしながら念の為もう一度清浄の魔法をかけた。ベッドに腰掛けてこちらを見つめるジュリアンに視線を投げると、ジュリアンはニヤっと笑って言った。
「シンのその傷は、まるで美しい薔薇の棘を表してる様で、私をゾクゾクさせる。」
僕は顔が熱くなるのを感じながら、ジュリアンを睨んでせきたてると、いつの間にか応接に用意されていた僕の服を着た。
ジュリアンが僕の名誉の傷をそんな風に言ってくれるのは、本当は嬉しかったんだ。まぁ、でもそこで感謝しちゃうとそのままベッドに引き摺り込まれそうだから、ちょっとツンだったかもしれないけど正解だよね?
僕たちはテラスで執事さんが取り計らってくれた食事を楽しんだ。執事さんと久しぶりに話が出来て嬉しかったし、執事さんは僕が無事に部屋から出られた事に、安堵していた。まぁ、部屋に篭る時のあの不安そうな顔を見ると、随分と心配してくれてたみたいだ。…ていうか、ジュリアンがどんだけって話だよね?
長い睫毛の影を痩せた頬に映しているジュリアンは冴え冴えとしたイイ男ぶりで、僕はドキドキしながらジュリアンの分厚い唇をそっと指先でなぞった。僕の悪戯な指先をパクリと加えたジュリアンは、それでも目を開けずにいた。僕はジュリアンが寝ぼけているのかと思った。
「…ジュリアン?起きてるの?」
反応がないジュリアンに、僕は指を引き抜こうとしたけれど、その瞬間僕の指はジュリアンの舌に絡め取られ、いやらしい動きで舐め回された。僕は身体が熱くなるのを感じながら、ジュリアンの顔にもう一つの手を添えて言った。
「ジュリアン!起きて。…僕お腹が空きました…。」
ジュリアンは目をパチッと開けて、緑を感じるはしばみ色の優しい目で僕を見つめた。
「…私もだ。まだ腹が空いてる。さぁ、もっと食べさせてくれ…。」
そう言うと僕にのし掛かって、腰の硬く勃ち上がってきている重量のあるそれを、僕にゆるゆると押し付けた。僕はお腹の奥がズクリと疼いたけれど、それと同時にお腹がグゥっと鳴った。僕たちは顔を見合わせて笑うと、唇に軽いキスをしてから起き上がった。
僕は思ったより腰をやられてなくて、ホッとしながら念の為もう一度清浄の魔法をかけた。ベッドに腰掛けてこちらを見つめるジュリアンに視線を投げると、ジュリアンはニヤっと笑って言った。
「シンのその傷は、まるで美しい薔薇の棘を表してる様で、私をゾクゾクさせる。」
僕は顔が熱くなるのを感じながら、ジュリアンを睨んでせきたてると、いつの間にか応接に用意されていた僕の服を着た。
ジュリアンが僕の名誉の傷をそんな風に言ってくれるのは、本当は嬉しかったんだ。まぁ、でもそこで感謝しちゃうとそのままベッドに引き摺り込まれそうだから、ちょっとツンだったかもしれないけど正解だよね?
僕たちはテラスで執事さんが取り計らってくれた食事を楽しんだ。執事さんと久しぶりに話が出来て嬉しかったし、執事さんは僕が無事に部屋から出られた事に、安堵していた。まぁ、部屋に篭る時のあの不安そうな顔を見ると、随分と心配してくれてたみたいだ。…ていうか、ジュリアンがどんだけって話だよね?
27
お気に入りに追加
2,693
あなたにおすすめの小説
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
BLR15【完結】ある日指輪を拾ったら、国を救った英雄の強面騎士団長と一緒に暮らすことになりました
厘/りん
BL
ナルン王国の下町に暮らす ルカ。
この国は一部の人だけに使える魔法が神様から贈られる。ルカはその一人で武器や防具、アクセサリーに『加護』を付けて売って生活をしていた。
ある日、配達の為に下町を歩いていたら指輪が落ちていた。見覚えのある指輪だったので届けに行くと…。
国を救った英雄(強面の可愛い物好き)と出生に秘密ありの痩せた青年のお話。
☆英雄騎士 現在28歳
ルカ 現在18歳
☆第11回BL小説大賞 21位
皆様のおかげで、奨励賞をいただきました。ありがとう御座いました。
異世界日帰りごはん【料理で王国の胃袋を掴みます!】
ちっき
ファンタジー
異世界に行った所で政治改革やら出来るわけでもなくチートも俺TUEEEE!も無く暇な時に異世界ぷらぷら遊びに行く日常にちょっとだけ楽しみが増える程度のスパイスを振りかけて。そんな気分でおでかけしてるのに王国でドタパタと、スパイスってそれ何万スコヴィルですか!
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される
Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木)
読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!!
黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。
死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。
闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。
そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。
BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)…
連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。
拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
Noah
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる