上 下
18 / 79

第17話 事故物件貰っちゃいました

しおりを挟む
製作場ファクトリーに戻って、ドキドキしながら
スキルボードを開く。

(1、2、3、4、……9。)

なんと、一気に9個のスキルが解放されていたのだ。

「く~~~~~っ!」

嬉しさの余りに、唸る声しか出ない。

解放されたスキルは。

【研磨剤】材料:鉱石類・中和剤赤・蒸留水・動物の骨・小麦粉

【デラコットン】材料:布・中和剤黄・皮・シルクスパイダーの糸

【火岩鉱】材料:火岩石・研磨剤・中和剤赤・インゴット

【耐熱布】材料:火岩石・デラコットン・中和剤緑・宝石原石

【火炎剣】材料:長剣・火岩鉱・研磨剤・中和剤赤・インゴット

【耐熱服】材料:服・火岩鉱・研磨剤・デラコットン・中和剤赤

【耐熱の指輪】材料:火岩石・研磨剤・インゴット・宝石原石・中和剤緑

【火炎玉】材料:火岩石・中和剤緑・動物の骨・油・火薬

【拡張収納箱】材料:エルダートレントの枝・中和剤虹・精霊石・妖精の粉

9つのスキルが解放されて。7つは製作可能だけど。

火炎玉の材料の火薬の作り方が分からない。

(火薬。火薬。火薬。)

と、いつもの様に思案に更けても、解放時の感覚は来ない。

火薬は知っているけど、実物を見たことが無いからなぁ~。

あと、拡張収納箱!

これって、マジックポーチの、収納箱版だ! 絶対に作りたい!

精霊石とか、妖精の粉とか、どんなのか知らないけど。

とにかく!クエストの品を作って終わらせたら納品しに行って。

新しいレシピに挑戦だぁ~!


 * * * *


「こんばんわぁ~。」

夕暮れ時。ドアを開けて入ってきたのはアベルだった。

「アベル君。待ってたよぉ~。」

「ども。ルナか言われて、取りに来ました。」

「こっち。こっち。」

そう言って手招きして奥の部屋に通す。

「この14箱と、足元の箱で全部で15箱だよ~。」

「結構重いですね。」

試しに1箱持ってみると。なかなかの重さだった。

たぶん、25キロくらいは在るんじゃないかと。

マジックポーチの口を箱に当てて、次々と箱を取り込んでいく。

「マジックポーチ。便利だよねぇ~。」

「ですね。」

「どこのダンジョン?」

「いえ。拾ったと言うか。事故物件と言うか……。」

このマジックポーチ。実は、前回クエストで行った廃鉱山で見つけた物だ。

入り口と、ミスリルゴーレムに遭遇した中間地点辺りで。

全滅した、パーティーの残骸を見つけた。

恐らく、運悪くミスリルゴーレムと遭遇して戦闘になってしまい。

全滅したのだろう。

なんせ、ミスリルゴーレムは、パッと見ただけだとシルバーゴーレムと似ているから。

シルバーゴーレムと勘違いして戦闘に入ったんだと思う。

そして全滅。

死体はワーム系と昆虫系の魔物モンスターに食い荒らされて、身元を証明できる遺品も無かった。

商業大陸組合プラントライセンスも、こま切れ状態で誰のか分からない状態。

唯一、運良くと言うか。地面の中に半分埋もれていたマジックポーチを発見して掘り出したのが俺。

一応、マジックポーチの中身を確認したが。

入っていたのは、ポーション類と、お金が少し。

んで、こういった状況だと。

身元を証明するものが無ければ、拾った者が持ち帰りしても良いとのこと。

仮に、身元が分かる物が在ったのなら。

大陸商業組合プラントに提出して、血縁者から正当な金額で買い取ってもらうか。

買い取る事が出来ない(要らない)なら、拾った者の物になるとのこと。

流石に、引っ付いて行った(拉致られたとも言う)俺が貰うのも気が引けたので。

アンネさん達に聞いたら。

「いま使ってるのより容量が小さいから要らない。」と言われた。

しかも、全員に。

なので、有難く俺が使わせて貰っている。

持っているマジックポーチの容量は、2メートル×1メートルの容量で、時間遅延の効果も付いていない。

確かに大きいと言うほどではないけど。

俺にとっては有り難いのには変わりない。

なんせ、このサイズでもオークションで出品された場合。軽く大金貨2枚は飛んでいくのだから。

火岩石の入った箱を全て取り込んで。

店から出ようとすると。

「アベルくん。」

「はい?」

「大事にしなよ。」

一瞬何のことか理解が追い付かなかったけど。

「はい。俺の、一番の宝物はルナなんで。」

「うん。分かっているなら良し。 これオマケ。」

そう言って、何かの原石?を手渡された。

「これは?」

「氷岩石。火岩石と反対の特性を持つ鉱石だよぉ~。

奥の方から見つかったのであげる。 それ1個しかないけど。」

「有り難う御座います。喜ぶと思います。 それじゃ。」

軽く礼をして店を出て行く。

「さてっと。 もっと珍しいもの仕入れないとね。ニヒヒ。」

そう言って、店を閉める準備をするスカーレット。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

死霊王は異世界を蹂躙する~転移したあと処刑された俺、アンデッドとなり全てに復讐する~

未来人A
ファンタジー
主人公、田宮シンジは妹のアカネ、弟のアオバと共に異世界に転移した。 待っていたのは皇帝の命令で即刻処刑されるという、理不尽な仕打ち。 シンジはアンデッドを自分の配下にし、従わせることの出来る『死霊王』というスキルを死後開花させる。 アンデッドとなったシンジは自分とアカネ、アオバを殺した帝国へ復讐を誓う。 死霊王のスキルを駆使して徐々に配下を増やし、アンデッドの軍団を作り上げていく。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

召喚魔法使いの旅

ゴロヒロ
ファンタジー
転生する事になった俺は転生の時の役目である瘴気溢れる大陸にある大神殿を目指して頼れる仲間の召喚獣たちと共に旅をする カクヨムでも投稿してます

異世界転移したら女神の化身にされてしまったので、世界を回って伝説を残します

高崎三吉
ファンタジー
その乙女の名はアルタシャ。 『癒し女神の化身』と称えられる彼女は絶世の美貌の持ち主であると共に、その称号にふさわしい人間を超越した絶大な癒しの力と、大いなる慈愛の心を有していた。 いかなる時も彼女は困っている者を見逃すことはなく、自らの危険も顧みずその偉大な力を振るって躊躇なく人助けを行い、訪れた地に伝説を残していく。 彼女はある時は強大なアンデッドを退けて王国の危機を救い ある国では反逆者から皇帝を助け 他のところでは人々から追われる罪なき者を守り 別の土地では滅亡に瀕する少数民族に安住の地を与えた 相手の出自や地位には一切こだわらず、報酬も望まず、ただひたすら困っている人々を助けて回る彼女は、大陸中にその名を轟かせ、上は王や皇帝どころか神々までが敬意を払い、下は貧しき庶民の崇敬の的となる偉大な女英雄となっていく。 だが人々は知らなかった。 その偉大な女英雄は元はと言えば、別の世界からやってきた男子高校生だったのだ。 そして元の世界のゲームで回復・支援魔法使いばかりをやってきた事から、なぜか魔法が使えた少年は、その身を女に変えられてしまい、その結果として世界を逃亡して回っているお人好しに過ぎないのだった。 これは魔法や神々の満ち溢れた世界の中で、超絶魔力を有する美少女となって駆け巡り、ある時には命がけで人々を助け、またある時は神や皇帝からプロポーズされて逃げ回る元少年の物語である。 なお主人公は男にモテモテですが応じる気は全くありません。

異世界転生でチートを授かった俺、最弱劣等職なのに実は最強だけど目立ちたくないのでまったりスローライフをめざす ~奴隷を買って魔法学(以下略)

朝食ダンゴ
ファンタジー
不慮の事故(死神の手違い)で命を落としてしまった日本人・御厨 蓮(みくりや れん)は、間違えて死んでしまったお詫びにチートスキルを与えられ、ロートス・アルバレスとして異世界に転生する。 「目立つとろくなことがない。絶対に目立たず生きていくぞ」 生前、目立っていたことで死神に間違えられ死ぬことになってしまった経験から、異世界では決して目立たないことを決意するロートス。 十三歳の誕生日に行われた「鑑定の儀」で、クソスキルを与えられたロートスは、最弱劣等職「無職」となる。 そうなると、両親に将来を心配され、半ば強制的に魔法学園へ入学させられてしまう。 魔法学園のある王都ブランドンに向かう途中で、捨て売りされていた奴隷少女サラを購入したロートスは、とにかく目立たない平穏な学園生活を願うのだった……。 ※『小説家になろう』でも掲載しています。

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた

砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。 彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。 そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。 死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。 その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。 しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、 主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。 自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、 寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。 結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、 自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……? 更新は昼頃になります。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

処理中です...