ぼく、魔王になります

楢山幕府

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「今回も美しいわ、リゼ。流石わたくしの愛し子ね」
「君だけのものじゃないだろう? リゼはいつだって可愛いね」
「いつでも精霊になれそうじゃのう」
「……綺麗」

 ディンブラとの結婚式でも、精霊王様たちは祝福してくれた。
 光の輪が夜空から降りてくるのは、何度見ても幻想的だ。
 今夜も眠れそうにない。

「リゼ、是はとても嬉しい」
「ぼくも嬉しいよ。これからもよろしくね、ディンブラ」
「うむ。そして是は、ムラムラして仕方がない」
「……祝福の作用かな」

 はじめてディンブラに抱き上げられる。
 今日の主役はディンブラだから、ガルは遠慮したみたい。
 ぼくを抱えたまま、ディンブラが飛ぶ。
 行き先は決まっているので、誰も慌てなかった。

「リゼ、リゼ……」
「ふふ、どうしたの?」

 ベッドに着くなり、ディンブラが甘えるように抱き付いてきた。
 頭を撫でると、翼が開閉する。

「我慢できない……」
「うん、ぼくもディンブラが欲しいよ」

 ディンブラの大きな尻尾が足に巻きついてくる。
 キスをすれば、ズボンを脱いだディンブラが、ぼくに跨がった。
 すぐにでも腰を沈めようとするので、急いで潤滑油を手に取る。

「リゼ、早く、早く……」
「わかったから、尻尾にイタズラさせないで」

 無意識なんだろうけど、尻尾の先が下着の中へと潜り込んでいた。
 会陰をなぞるウロコの感触に、ぞわぞわと鳥肌が立つ。手元が狂いそうだ。
 潤滑油の冷たさを感じた次の瞬間には、熱に包まれた。

「あ、ぁあ……リゼの、大きいのが、入ってくるぅ……!」
「ん、ディンブラの中、すごく熱いね」

 肉壁のうねりに、早くも理性が焼き切られそうだった。
 亀頭がディンブラの前立腺に到達したところで、腰を揺する。

「んぁあっ! ダメだ、動いたら……! イッく……!」

 ぎゅっと身を瞑って、快感に耐える表情が切なげで綺麗だった。
 サラサラと長い前髪が、ディンブラの目元を隠す。
 それを乱して、暴きたくなった。
 自身が全て飲み込まれる前に、下から強かに打つ。

「ひぅううん!!?」

 衝撃で力が抜けたのか、期せずしてディンブラが腰を落とした。
 一気に貫かれたディンブラが、大きく背中を反らす。
 硬くなり尖った乳首が天井を向いた。
 眼前に迫った尖端を甘噛みする。

「あひっ……あ……あ……っ」

 乳輪をねぶれば、ディンブラの中心が上下に弾んで弧を描いた。
 ちゅうっと強く吸い続けていると、尖端が充血してぷっくりと膨らんでくる。
 その快感に、ディンブラはぼくに跨がりながら髪を振り乱した。
 乱れた髪の隙間から、ディンブラの潤んだ黒い瞳が見える。

「リゼ、好きぃ……っ」
「うん、ぼくも、大好きだよ」

 舌っ足らずな口調で愛を告げられ、自身が脈打った。
 硬さを増したそれに、ディンブラが喘ぐ。

「あぁっ、中、硬いの……! あたって、かんじ……!」

 後ろへ倒れそうになるディンブラの腕を咄嗟に掴んだ。
 ずっぽりとぼくを飲み込み、小刻みに震えるディンブラはどこまでもいやらしい。
 白い肌が上気し、汗が滲んでいる。
 流れる汗を追ってディンブラの横腹を指先でなぞれば、ディンブラの中心から先漏れが溢れた。
 同時にビクビクと肩が弾んだ。

「ひうっ! う……ぁ……りぜぇ……っ」
「ディンブラ、もしかしてお尻でイッちゃった?」
「んっ、い、イッちゃった……これ、イクの、とまらなっ」

 きゅうっとお尻の中が締め付けられる。
 ぼくの限界も、いつも以上に早かった。
 一回出したぐらいじゃ治まらないのは、経験則でわかっている。

「出すよ。ディンブラの中で」
「うん……っ、いい、出して、くれ……りぜ、りぜの、これの、おくで……!」

 ディンブラを抱き寄せ、ベッドに腰を沈ませる。
 ベッドの反動を利用して、最奥を突いた。
 ギシッ、ギシッ、ギシッと軋む音が部屋に響く度、力いっぱい奥を穿つ。

「あひぃぃ! んあっ! あっ、あっ、ぁあああ!」

 しまいには尻尾の付け根を両手で掴んでいた。
 その一突きで、ディンブラが射精する。

「やぁあああ! あっ、りぜ、だめぇ……それっ!」
「ん、ここ、好きなんだよね」

 お腹でディンブラの熱を受けとめながら、全身を弾ませる。
 逃れられない快感に、ディンブラの尻尾が激しくベッドを叩いた。

「ぁあっ、いいっ、いい……りぜっ、あたま、まっしろに、なるぅううう!」

 漆黒の翼が限界まで開かれる。
 中では、亀頭を吸われ、竿を絞られた。
 毛穴が開き、汗が噴き出るのがわかる。
 ぼくは髪をディンブラに張り付かせながら、快楽を貪った。

「うっ……っ」

 熱が弾け、流れ出す。
 ディンブラの開いた口からは唾液が滴っていた。

「ぁ……ぁあ……」
「ディンブラ……?」

 全身から力の抜けたディンブラが、ゆっくり体を横たわらせる。
 呼びかけに返事がない。

「気を失っちゃった?」

 どうしよう。
 体は繋がったままだ。
 しかも、また自身は硬くなりはじめていた。

「と、とりあえず抜かないと……」

 けど、意識の有無に関係なく、中は動くようで。
 与えられる快感に、腰が動く。

「だ、ダメだよ、こんな」

 ディンブラは意識がないのに。
 まるで下半身が別の生き物のようだった。
 理性に反して、腰が止まらない。
 一度の吐精で滑りが良くなったのか、水音が響き出す。
 ずちゅ、ずちゅと音が立つたびに罪悪感が増した。
 それでも、律動は繰り返される。

「んっ、んっ……ごめん、ディンブラ……」

 自身の熱に翻弄され、ぼくは再度中で達した。
 しばらく余韻で体が動かせなくなるものの、今度こそと腰を引く。
 やっとの思いで半分ほど抜いたとき、ディンブラに反応があった。

「んうぅ……」
「ディンブラ、気付いた……?」

 ピクピクと瞼が痙攣し、ゆっくり目が開かれる。
 虚ろであるものの、濡れた瞳は艶めいていた。

「ぁ……りぜの、おなか、いっぱい……」
「う、うん、ごめん……」

 体に染みる魔力で、ぼくが二回出したのはわかるんだろう。

「いい、りぜ、もっと……」
「ディンブラ?」

 体勢を変え、仰向けになったディンブラが、ぼくを誘うよう腕を開く。

「満たされてる。リゼので、もっと是を満たしてくれ」

 ゆるりと微笑むディンブラは、どこまでも妖艶だった。
 誘われるまま、身を寄せる。
 ディンブラの足が腰に回され、漆黒の翼がぼくたちを包み込んだ。

「いいの?」
「うむ、是はもっと、リゼが欲しい」

 長い舌で唇を舐められる。
 祝福を受けた体は、容易く火を灯した。
 そのあと、ディンブラが気を失うことはなく、次に意識を飛ばしたのはぼくだった。
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