6 / 10
変心
しおりを挟む
今コイツ、ナンテイイマシタカ?
役に立たない?化粧が欠陥の表れ?
どの口がそんなこと言っているのですか?
役に立たない?貴方がするはずの仕事をすべてしているのは誰だと思っています?そのせいで私ろくに寝れていないのですけれども。そもそも自分の仕事を認識していますの?何度か言いましたけどお前が全部やれ、の一点張りでしたよね?それを許しているのは貴方がその仕事の一欠片でもやる能力すら持ち合わせていないから仕方なく私がしているだけですからね?それに、化粧。これは身だしなみとして必要なことですけれどもその原因となっているのは貴方の押し付けた仕事を処理するためにできたクマや肌荒れってご存知?
ちょっと待ってください。
私、こんな奴と婚約してる意味、本当にあります?だってそのせいで私だけ小さい頃から自由を奪われ続けて今ではまだ学生だというのに睡眠もまともに取れずに眠たいまま働かされおそらく将来はそれらは無駄になりきっと今回のような騒動に巻き込まれ続けて苦労することに……これまでに婚約していて良いことなんてのも一つもありませんですし。そもそも婚約は一応王家と公爵家の繋がりを強める、というものですけどこの方が王になれないのでしたら影響力も弱い。もし婚約破棄したところでデメリットはお父様に迷惑がかかることと私の経歴に傷がつくというところでしょう。まあ今回の事態は完全に向こうの勝手な都合で行われているのですから向こうが悪いことは明白。証人も周りに大量に居ますしきっとそこまでこちらに不利はないはずですからお父様には……初めてのわがままくらい許してもらいましょう!
よし、婚約破棄認めましょう!もう私は休ませていただきます!
普段なら家に迷惑をかけないということが第一で過ごしていたレイリアだったが、今は睡眠が全く足りていない。なんなら深夜テンションであったと言っても過言ではないだろう。その結果として彼女は王子とは婚約破棄を認める方向へと考えを簡単に改めた。
そうですね…どうせだったら向こうが酷い奴らだと皆に思わせたいですね。自然に私が被害者ということが強調されるような言動を、そしてついでに私の今までの苦労が周りに少しでも伝わるように…
「アレン王子、そんなことを言うだなんてあんまりですわ。私は今まであなたがしなければならない仕事を貴方がサボる、もといできないので代わりにずっとこなしていたというのに……淑女に必須の寝る間も削ってまでも……それに、この化粧も王子の婚約者として恥をかかないようにしていたもの。」
少しうつむき、震えた声で話す。目を大きく開き、少し乾燥させる。
「それに、私はあなたの側にいるため、王家に嫁ぐ身として血の滲むような努力を幼少の頃からしていましたのに、貴方は私を捨てようというのですね。」
躊躇いを感じるように存分に間を取り、それでもゆっくりと顔をあげ、潤んだ目を合わせる。
周りの人々が同情するような目をこちらに、そして軽蔑の目を彼へと向けていたのを目の端に捉えつつ、私はきっぱりと言った。
「アレン王子、わかりました。その婚約破棄、承ります。」
役に立たない?化粧が欠陥の表れ?
どの口がそんなこと言っているのですか?
役に立たない?貴方がするはずの仕事をすべてしているのは誰だと思っています?そのせいで私ろくに寝れていないのですけれども。そもそも自分の仕事を認識していますの?何度か言いましたけどお前が全部やれ、の一点張りでしたよね?それを許しているのは貴方がその仕事の一欠片でもやる能力すら持ち合わせていないから仕方なく私がしているだけですからね?それに、化粧。これは身だしなみとして必要なことですけれどもその原因となっているのは貴方の押し付けた仕事を処理するためにできたクマや肌荒れってご存知?
ちょっと待ってください。
私、こんな奴と婚約してる意味、本当にあります?だってそのせいで私だけ小さい頃から自由を奪われ続けて今ではまだ学生だというのに睡眠もまともに取れずに眠たいまま働かされおそらく将来はそれらは無駄になりきっと今回のような騒動に巻き込まれ続けて苦労することに……これまでに婚約していて良いことなんてのも一つもありませんですし。そもそも婚約は一応王家と公爵家の繋がりを強める、というものですけどこの方が王になれないのでしたら影響力も弱い。もし婚約破棄したところでデメリットはお父様に迷惑がかかることと私の経歴に傷がつくというところでしょう。まあ今回の事態は完全に向こうの勝手な都合で行われているのですから向こうが悪いことは明白。証人も周りに大量に居ますしきっとそこまでこちらに不利はないはずですからお父様には……初めてのわがままくらい許してもらいましょう!
よし、婚約破棄認めましょう!もう私は休ませていただきます!
普段なら家に迷惑をかけないということが第一で過ごしていたレイリアだったが、今は睡眠が全く足りていない。なんなら深夜テンションであったと言っても過言ではないだろう。その結果として彼女は王子とは婚約破棄を認める方向へと考えを簡単に改めた。
そうですね…どうせだったら向こうが酷い奴らだと皆に思わせたいですね。自然に私が被害者ということが強調されるような言動を、そしてついでに私の今までの苦労が周りに少しでも伝わるように…
「アレン王子、そんなことを言うだなんてあんまりですわ。私は今まであなたがしなければならない仕事を貴方がサボる、もといできないので代わりにずっとこなしていたというのに……淑女に必須の寝る間も削ってまでも……それに、この化粧も王子の婚約者として恥をかかないようにしていたもの。」
少しうつむき、震えた声で話す。目を大きく開き、少し乾燥させる。
「それに、私はあなたの側にいるため、王家に嫁ぐ身として血の滲むような努力を幼少の頃からしていましたのに、貴方は私を捨てようというのですね。」
躊躇いを感じるように存分に間を取り、それでもゆっくりと顔をあげ、潤んだ目を合わせる。
周りの人々が同情するような目をこちらに、そして軽蔑の目を彼へと向けていたのを目の端に捉えつつ、私はきっぱりと言った。
「アレン王子、わかりました。その婚約破棄、承ります。」
0
お気に入りに追加
407
あなたにおすすめの小説
【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前
地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。
あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。
私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。
アリシア・ブルームの復讐が始まる。
虐げられた令嬢は、耐える必要がなくなりました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私アニカは、妹と違い婚約者がいなかった。
妹レモノは侯爵令息との婚約が決まり、私を見下すようになる。
その後……私はレモノの嘘によって、家族から虐げられていた。
家族の命令で外に出ることとなり、私は公爵令息のジェイドと偶然出会う。
ジェイドは私を心配して、守るから耐える必要はないと言ってくれる。
耐える必要がなくなった私は、家族に反撃します。
完結】王太子が婚約者になりました。妹がいつものセリフを吐きます「お姉様、シェリア一生のお願い」って、あなた何回一生のお願いを使うつもりです?
紫宛
恋愛
わたくし、ミューティアには妹がひとりいます。
妹シェリアは、金の髪でふわふわで、青緑のぱっちりした瞳……比べて私はクリーム色した髪にストレート、青緑の瞳だけど吊り上がりキツめの印象を与える。
そのため、妹は自分の可愛さを武器に親の愛を独り占めしてきた。
私は公爵令嬢なので、王太子婚約者候補に選ばれ王妃教育を他の令嬢達と共に受けてきた。
そしてこの度、まさかの王太子の婚約者に選ばれました。
そして案の定、妹がいつものセリフを吐きました。
「お姉様、シェリア一生のお願い!クロード様を私に頂戴?」
「……良いわよ、あの方がそれを望むなら…ね」
「ほんと!?シェリア嬉しい!クロード様に聞いてくるわ!」
(まぁ、無理でしょうけど……あの、---王太子が貴方を選ぶとは思えないもの)
11月15日
第4話 追従→追随修正しました。
11月19日~21日
第1話~5話クロードの心の中?の台詞を修正しました。
11月29日
ご指摘下さった誤字の修正を致しました。
※素人作品です。矛盾などは多目に見て下さいです※
せっかくの婚約ですが、王太子様には想い人がいらっしゃるそうなので身を引きます。
木山楽斗
恋愛
侯爵家の令嬢であるリルティアは、王太子である第一王子と婚約をしていた。
しかしある時、彼がある令嬢と浮気している現場を目撃してしまった。
リルティアが第一王子を問い詰めると、彼は煮え切らない言葉を返してきた。
彼は浮気している令嬢を断ち切ることも、妾として割り切ることもできないというのだ。
それ所か第一王子は、リルティアに対して怒りを向けてきた。そんな彼にリルティアは、呆れることしかできなかった。
それからどうするべきか考えていたリルティアは、第二王子であるイルドラと顔を合わせることになった。
ひょんなことから悩みを見抜かれたリルティアは、彼に事情を話すことになる。すると新たな事実を知ることになったのである。
第一王子は、リルティアが知る令嬢以外とも関係を持っていたのだ。
彼はリルティアが思っていた以上に、浮気性な人間だったのである。
そんな第一王子のことを、リルティアは切り捨てることに決めた。彼との婚約を破棄して、あらたなる道を進むことを、彼女は選んだのである。
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
もう愛は冷めているのですが?
希猫 ゆうみ
恋愛
「真実の愛を見つけたから駆け落ちするよ。さよなら」
伯爵令嬢エスターは結婚式当日、婚約者のルシアンに無残にも捨てられてしまう。
3年後。
父を亡くしたエスターは令嬢ながらウィンダム伯領の領地経営を任されていた。
ある日、金髪碧眼の美形司祭マクミランがエスターを訪ねてきて言った。
「ルシアン・アトウッドの居場所を教えてください」
「え……?」
国王の命令によりエスターの元婚約者を探しているとのこと。
忘れたはずの愛しさに突き動かされ、マクミラン司祭と共にルシアンを探すエスター。
しかしルシアンとの再会で心優しいエスターの愛はついに冷め切り、完全に凍り付く。
「助けてくれエスター!僕を愛しているから探してくれたんだろう!?」
「いいえ。あなたへの愛はもう冷めています」
やがて悲しみはエスターを真実の愛へと導いていく……
◇ ◇ ◇
完結いたしました!ありがとうございました!
誤字報告のご協力にも心から感謝申し上げます。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
婚約者は私が大嫌いなんだそうです。じゃあ婚約解消しましょうって言ったら拒否されました。なぜだ!
リオール
恋愛
伯爵令嬢ミリアには、幼い頃に決められた婚約者が居た。
その名もアルバート。侯爵家が子息である。
だがこのアルバート、会えばいつも嫌味に悪口、果てには暴力ととんでもないモラハラDV男だった!
私は彼が大嫌い。彼も私が大嫌い。
なら当然婚約は解消ですよね。
そう思って、解消しましょうと言ったのだけど。
「それは絶対嫌だ」
って何でですのーん!!
これは勘違いから始まる溺愛ストーリー
※短いです
※ヒーローは最初下衆です。そんなのと溺愛ラブになるなんてとんでもない!という方はレッツUターン!
※まあヤンデレなんでしょうね
※ヒロインは弱いと思わせて強いです。真面目なのにギャグ体質
※細かい事を気にしてはいけないお話です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる