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スタスタと何事もないような雰囲気を感じさせながらアレンとの距離を詰めていくブルーノ。
アレンはうつむきブルーノを見ていない。
「アレン!? どうしたの!?」
ニアの声はアレンには届かない。
呪印を喰う妖刀『鬼丸』の能力、ディアドラに施されているアレンを縛る呪印をも喰い始めている。
しかしやはり強力なのかアレンの力が解放されない。
ディアドラは呪いの影響下にあってもやはり強い。あの強さを少しでも引き継げればあるいはブルーノにも。そう考えるがまだ呪印の力が強い。しかし先ほどとは違いアレンの体に力が充実していく。少しづつ呪印がほどけてはいるようだ。
しかし他のパーティーの呪印は先ほどの呪詛喰いの瘴気《オンバサラ》では解除できないみたいだ。
やはり他の人の呪印は元である媒体の呪印を斬るかブルーノを倒さない限りは解除できないようだ。
そんな中ブルーノがすんなりアレンの射程圏に入る。刹那、アレンの斬撃がブルーノを襲うが遅い、簡単に剣先を摘ままれてしまう。
「おや、やはりただの特殊能力使いですか? 実力が伴っていないとは残念。」
ブルーノは心底残念そうな顔をし、その剣をポイっと物を捨てるように掘り投げる。
アレンも同じく鬼丸と共に吹き飛ばされてしまう。
しかしアレンの体をまとう黒い瘴気が大きな手の形に変わりアレンを優しく地面に着地させた。
「ほう。何の能力でしょう? あなた職業は何ですか? 先ほどから見たこともない術を使いますね。」
ブルーノは話しながらもまたアレンとの距離を無防備で詰めていく。
うつむきだらんと脱力した体勢から先ほどよりはるかに速い斬撃がブルーノに飛ぶ。
しかしこのレベルの相手に出すにはあまりにも遅い斬撃。またも簡単に見切られかわされてしまう。
しかしその斬撃の後から黒い瘴気がこぶしを握りブルーノの横腹を叩きつける。
ドギャ!!!!!!!!
恐ろしい衝撃音と共に食堂の壁を突き破り向こう側の部屋まで飛ばされていくブルーノ。
黒い瘴気をまとってから動きが徐々に獣がかっているアレン。体をクの字に折り手をぶらんと前に垂らした構えでホコリ舞うブルーノ方を見ていた。
フーフーフー
激しく呼吸するアレンは肩を上下させながらユラユラと獣の構えを崩さない。
「アレン!!」
ニアの呼び声と同時に砂ぼこりの中からすごい速さでまっすぐに何か黒い影がアレンにぶつかる。
バキッ!!!!!
その影はブルーノだった。ブルーノの勢いをつけた回し蹴りがアレンの顔を捕らえる。
気づいたときにはアレンは後方に吹き飛ばされていた。またもや黒の瘴気が受け身を取りアレンを優しく着地させる。ギリギリ攻撃は黒の瘴気が防いだようだが呪術師とは思えない恐ろしい威力のケリだった。おそらく今のアレンのステータスで直撃を喰らえば即死だっただろう。
ニアはこの緊迫した空気に目を覆いたくなるような気持だった。
「おかしい、呪術師ができる体術じゃない。さっきの蹴りなんて武闘家のそれじゃないか。」
クラウスはブルーノが高レベル冒険者とはいえ想像を超える体術も見せてきた事に驚きを隠せない。
「あれも呪術の一つっていうの? そんなの無敵じゃない。」
ニアは呪術のあまりにも理不尽な威力に嘆くばかり。
「今のでも無傷ですか。お互い決定力不足は否めませんね。しかしあなたのその黒い煙のようなもの。面白い能力ですね。......いや、能力というか......煙があなたを動かしているんですかね。どちらにしても面白い。気になります。バラバラに体を解体して隅々まで調べたいですよ。ん~たまらない。」
ブルーノはよい香りのワインに備考をくすぐられたような光悦な表情でアレンの事を見ていた。
先ほどまでは片方の腕だけだった黒い瘴気も今や体の上半身の部分ともう片方の腕が備わっている。
アレン自身も少しずつではあるがディアドラにかけられた呪印の解除が進んでいる。しかしやはりかけられた本人ではないので解除の進みが著しく悪い。
「面白い面白い面白い面白い!! あなた面白いです。今から動けないように手足をちぎってしまいましょう。安心して下さい。頭や顔は綺麗な状態で残しますので。もちろん生きたまま動けないようにするので怖がる心配はありませんよ。」
異常なテンション。先ほどと同じように無防備で距離を詰めるブルーノ。
アレンが先に斬撃を振るう。
先ほどと同じような光景だが今度はアレンの斬撃をミリ単位の本当に皮一枚のところでかわしていくブルーノ。いくらアレンのステータスが低いといってもほぼゼロ距離からの斬撃のラッシュに構えさえとらずかわしながらアレンの胸ぐらをつかみにかかる。
横から黒い瘴気も殴りにかかるが、それすらも見えないようなスピードで後ろに飛びのき瞬時にまた元の場所に戻ることによってあたかもすり抜けたように見えるほどの加速的回避で触れる事すら叶わない状況だった。
これも呪術の力だというのか。確かにアレンの連撃ではブルーノを捕らえることは難しいと思ってはいたがここまで触れられないというのは考えが甘かった。クラウスは目でとらえきれないブルーノのスピードにただ絶望を感じるしかなかった。
アレンはうつむきブルーノを見ていない。
「アレン!? どうしたの!?」
ニアの声はアレンには届かない。
呪印を喰う妖刀『鬼丸』の能力、ディアドラに施されているアレンを縛る呪印をも喰い始めている。
しかしやはり強力なのかアレンの力が解放されない。
ディアドラは呪いの影響下にあってもやはり強い。あの強さを少しでも引き継げればあるいはブルーノにも。そう考えるがまだ呪印の力が強い。しかし先ほどとは違いアレンの体に力が充実していく。少しづつ呪印がほどけてはいるようだ。
しかし他のパーティーの呪印は先ほどの呪詛喰いの瘴気《オンバサラ》では解除できないみたいだ。
やはり他の人の呪印は元である媒体の呪印を斬るかブルーノを倒さない限りは解除できないようだ。
そんな中ブルーノがすんなりアレンの射程圏に入る。刹那、アレンの斬撃がブルーノを襲うが遅い、簡単に剣先を摘ままれてしまう。
「おや、やはりただの特殊能力使いですか? 実力が伴っていないとは残念。」
ブルーノは心底残念そうな顔をし、その剣をポイっと物を捨てるように掘り投げる。
アレンも同じく鬼丸と共に吹き飛ばされてしまう。
しかしアレンの体をまとう黒い瘴気が大きな手の形に変わりアレンを優しく地面に着地させた。
「ほう。何の能力でしょう? あなた職業は何ですか? 先ほどから見たこともない術を使いますね。」
ブルーノは話しながらもまたアレンとの距離を無防備で詰めていく。
うつむきだらんと脱力した体勢から先ほどよりはるかに速い斬撃がブルーノに飛ぶ。
しかしこのレベルの相手に出すにはあまりにも遅い斬撃。またも簡単に見切られかわされてしまう。
しかしその斬撃の後から黒い瘴気がこぶしを握りブルーノの横腹を叩きつける。
ドギャ!!!!!!!!
恐ろしい衝撃音と共に食堂の壁を突き破り向こう側の部屋まで飛ばされていくブルーノ。
黒い瘴気をまとってから動きが徐々に獣がかっているアレン。体をクの字に折り手をぶらんと前に垂らした構えでホコリ舞うブルーノ方を見ていた。
フーフーフー
激しく呼吸するアレンは肩を上下させながらユラユラと獣の構えを崩さない。
「アレン!!」
ニアの呼び声と同時に砂ぼこりの中からすごい速さでまっすぐに何か黒い影がアレンにぶつかる。
バキッ!!!!!
その影はブルーノだった。ブルーノの勢いをつけた回し蹴りがアレンの顔を捕らえる。
気づいたときにはアレンは後方に吹き飛ばされていた。またもや黒の瘴気が受け身を取りアレンを優しく着地させる。ギリギリ攻撃は黒の瘴気が防いだようだが呪術師とは思えない恐ろしい威力のケリだった。おそらく今のアレンのステータスで直撃を喰らえば即死だっただろう。
ニアはこの緊迫した空気に目を覆いたくなるような気持だった。
「おかしい、呪術師ができる体術じゃない。さっきの蹴りなんて武闘家のそれじゃないか。」
クラウスはブルーノが高レベル冒険者とはいえ想像を超える体術も見せてきた事に驚きを隠せない。
「あれも呪術の一つっていうの? そんなの無敵じゃない。」
ニアは呪術のあまりにも理不尽な威力に嘆くばかり。
「今のでも無傷ですか。お互い決定力不足は否めませんね。しかしあなたのその黒い煙のようなもの。面白い能力ですね。......いや、能力というか......煙があなたを動かしているんですかね。どちらにしても面白い。気になります。バラバラに体を解体して隅々まで調べたいですよ。ん~たまらない。」
ブルーノはよい香りのワインに備考をくすぐられたような光悦な表情でアレンの事を見ていた。
先ほどまでは片方の腕だけだった黒い瘴気も今や体の上半身の部分ともう片方の腕が備わっている。
アレン自身も少しずつではあるがディアドラにかけられた呪印の解除が進んでいる。しかしやはりかけられた本人ではないので解除の進みが著しく悪い。
「面白い面白い面白い面白い!! あなた面白いです。今から動けないように手足をちぎってしまいましょう。安心して下さい。頭や顔は綺麗な状態で残しますので。もちろん生きたまま動けないようにするので怖がる心配はありませんよ。」
異常なテンション。先ほどと同じように無防備で距離を詰めるブルーノ。
アレンが先に斬撃を振るう。
先ほどと同じような光景だが今度はアレンの斬撃をミリ単位の本当に皮一枚のところでかわしていくブルーノ。いくらアレンのステータスが低いといってもほぼゼロ距離からの斬撃のラッシュに構えさえとらずかわしながらアレンの胸ぐらをつかみにかかる。
横から黒い瘴気も殴りにかかるが、それすらも見えないようなスピードで後ろに飛びのき瞬時にまた元の場所に戻ることによってあたかもすり抜けたように見えるほどの加速的回避で触れる事すら叶わない状況だった。
これも呪術の力だというのか。確かにアレンの連撃ではブルーノを捕らえることは難しいと思ってはいたがここまで触れられないというのは考えが甘かった。クラウスは目でとらえきれないブルーノのスピードにただ絶望を感じるしかなかった。
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