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69話
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気を取り直して、二人で違うモニターを観ているとまた見知った顔があった。
「あ、ルイスとクロムだわ。あの二人、書類整理が昨日終わったのよね?」
「ハリスからそう聞いているな。どうせ慣れない書類整理で鬱憤が溜まっているんだろう。思う存分晴らしてもらおう」
「そうですわね」
ディアス様はもう良いのか次のモニターに目を移し、私は少し気になりモニターを観た。
二人は双子だから連携が上手いわね。お互いが目で会話をしているみたいに動きに無駄が無い・・・。
うん。あの二人は上位に来そうね。あら、ディアス様が同じモニターをずっと観ているわね。
「ディアス様、誰か気になる方がいましたか?」
「ああ、リリーの義兄上がワイバーンの変異種と戦っているんだ」
「え?お兄様も参加してるのですか!?しかも、変異種!?」
私は急いでディアス様の観ているモニターを観た。するとそこには切り傷を作って倒れそうなお兄様と翼を切られ飛べなくなったワイバーンがいた。
「お兄様っ!?ディアス様、お兄様が!」
「安心しろリリー、義兄上は傷だらけだが無事だ。ほら、とどめを刺そうとしているぞ」
そう言われ、モニターに目を向けた。するとお兄様が剣を振りかぶりワイバーンの首を斬り落とす所だった。
無事にワイバーンを倒したから良かったけど、あまり強く無いのに無理しないでほしいわ・・・。今だって切り傷だらけで倒れそうになっているんだもの。
「ふぅ、とりあえず無事にお兄様がワイバーンを倒せて良かったですわ。お母様が参加していたから、お兄様も強制的に参加させられていたのかしら?」
「それはあり得そうだな。次期当主だからついでに大物を狩って来い的な事を言われていそうだ・・・」
「お母様ならやりかねませんわ。お父様は不参加ですし、お兄様が餌食になったのかも知れないですわね」
でもワイバーンの変異種じゃ、お母様は満足しなそうよね。お兄様、大丈夫かしら?
「お義母上の合格だと思える強さはお義父上が基準なのだろうな・・・俺の母上も強さの基準が父上だったから小さい頃は苦労したものだ」
どこの家でも基準は父親なのね。あれ?私・・・ディアス様の両親にお会いしていないわ!
「・・・ディアス様、今更なのですが私、ディアス様のご両親にご挨拶していませんわ!」
私が慌てているとディアス様はのほほんと言った。
「ああ、俺の両親は今・・・龍になって旅行中だからあと何年かしないと戻って来ないな」
「年単位で旅行中なのですか!?・・・あ、でも二人ともご存命で良かったですわ。いつかは会えますものね!」
何年経ったら会えるかしら?結婚式には間に合えば良いのだけど・・・。
「大丈夫だ。俺たちの結婚式までには戻らせるから安心してくれ」
「本当ですか?それは良かったですわ。私達の結婚式にご両親がいらっしゃらないと寂しいですものね」
今はご両親に挨拶が出来ませんがお会いできるのが楽しみですわ。
「ふふ、楽しみにしていてくれ。二人ともリリーに会いたがっていたからな!」
「はいっ、楽しみにしてますわ」
あ、お兄様はちゃんと怪我を治したかしら?
「ディアス様、お兄様はちゃんと治療していましたか?」
「ん?ああ、大丈夫だ。回復魔法をかけて移動を始めているな・・・もしかして、山頂を目指してる?」
モニターを確認するとズンズンと迷い無く山頂を目指していた。
「・・・もしかして、大物ってドラゴン?」
「その可能性は高いな・・・とりあえず他のモニターを確認しつつ義兄上の様子を観よう。万が一狙いがドラゴンだったら俺が止めに行こう」
「はい、すみませんがお願いしますわ」
お兄様にドラゴンは早いですもの、せめてワイバーンを瞬殺出来ないと、ドラゴンを倒せないわ。
私達は他のモニターを確認しながらお兄様の動向を観察した。
「あ、ルイスとクロムだわ。あの二人、書類整理が昨日終わったのよね?」
「ハリスからそう聞いているな。どうせ慣れない書類整理で鬱憤が溜まっているんだろう。思う存分晴らしてもらおう」
「そうですわね」
ディアス様はもう良いのか次のモニターに目を移し、私は少し気になりモニターを観た。
二人は双子だから連携が上手いわね。お互いが目で会話をしているみたいに動きに無駄が無い・・・。
うん。あの二人は上位に来そうね。あら、ディアス様が同じモニターをずっと観ているわね。
「ディアス様、誰か気になる方がいましたか?」
「ああ、リリーの義兄上がワイバーンの変異種と戦っているんだ」
「え?お兄様も参加してるのですか!?しかも、変異種!?」
私は急いでディアス様の観ているモニターを観た。するとそこには切り傷を作って倒れそうなお兄様と翼を切られ飛べなくなったワイバーンがいた。
「お兄様っ!?ディアス様、お兄様が!」
「安心しろリリー、義兄上は傷だらけだが無事だ。ほら、とどめを刺そうとしているぞ」
そう言われ、モニターに目を向けた。するとお兄様が剣を振りかぶりワイバーンの首を斬り落とす所だった。
無事にワイバーンを倒したから良かったけど、あまり強く無いのに無理しないでほしいわ・・・。今だって切り傷だらけで倒れそうになっているんだもの。
「ふぅ、とりあえず無事にお兄様がワイバーンを倒せて良かったですわ。お母様が参加していたから、お兄様も強制的に参加させられていたのかしら?」
「それはあり得そうだな。次期当主だからついでに大物を狩って来い的な事を言われていそうだ・・・」
「お母様ならやりかねませんわ。お父様は不参加ですし、お兄様が餌食になったのかも知れないですわね」
でもワイバーンの変異種じゃ、お母様は満足しなそうよね。お兄様、大丈夫かしら?
「お義母上の合格だと思える強さはお義父上が基準なのだろうな・・・俺の母上も強さの基準が父上だったから小さい頃は苦労したものだ」
どこの家でも基準は父親なのね。あれ?私・・・ディアス様の両親にお会いしていないわ!
「・・・ディアス様、今更なのですが私、ディアス様のご両親にご挨拶していませんわ!」
私が慌てているとディアス様はのほほんと言った。
「ああ、俺の両親は今・・・龍になって旅行中だからあと何年かしないと戻って来ないな」
「年単位で旅行中なのですか!?・・・あ、でも二人ともご存命で良かったですわ。いつかは会えますものね!」
何年経ったら会えるかしら?結婚式には間に合えば良いのだけど・・・。
「大丈夫だ。俺たちの結婚式までには戻らせるから安心してくれ」
「本当ですか?それは良かったですわ。私達の結婚式にご両親がいらっしゃらないと寂しいですものね」
今はご両親に挨拶が出来ませんがお会いできるのが楽しみですわ。
「ふふ、楽しみにしていてくれ。二人ともリリーに会いたがっていたからな!」
「はいっ、楽しみにしてますわ」
あ、お兄様はちゃんと怪我を治したかしら?
「ディアス様、お兄様はちゃんと治療していましたか?」
「ん?ああ、大丈夫だ。回復魔法をかけて移動を始めているな・・・もしかして、山頂を目指してる?」
モニターを確認するとズンズンと迷い無く山頂を目指していた。
「・・・もしかして、大物ってドラゴン?」
「その可能性は高いな・・・とりあえず他のモニターを確認しつつ義兄上の様子を観よう。万が一狙いがドラゴンだったら俺が止めに行こう」
「はい、すみませんがお願いしますわ」
お兄様にドラゴンは早いですもの、せめてワイバーンを瞬殺出来ないと、ドラゴンを倒せないわ。
私達は他のモニターを確認しながらお兄様の動向を観察した。
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