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65話
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「クロムさんの替わりに臨時で護衛任務に就いた、ハロルドです!よろしくお願いします!」
あぁ、臨時の護衛はこの人か・・・名前、ハロルドって言うのね。
ハリスに紹介されて今、目の前にいるのはさっき訓練場で叩きのめした兵士の一人で私が最後に壁まで飛ばして骨折させた人だった。
「ええ、少しの間よろしくお願いします。それと、さっきはごめんなさい。怪我は大丈夫かしら?」
「あばら骨が折れましたが回復魔法をかけてもらったお陰で回復してます。なので気にしないで下さい」
ハロルドは全然気にして無さそうにニカっと笑い言った。臨時の護衛に就くくらいだから肩書きが有るのかしら?
「回復したのなら良かったわ。ねぇ、ハロルドは何処の所属だったの?最後まで私に攻めてきたの貴方ともう一人だけだったのよ」
「俺はルイス隊長のいる近衛騎士隊で副隊長をやってます。最後まで戦ってたもう一人は二番隊の副隊長ですよ」
ルイスの直属の部下だったのね!・・・でも隊長と副隊長が抜けて大丈夫なの?
「ちなみに、隊長と俺が抜けた一番隊はしばらく自主訓練期間にして戦力強化しています。アイツらリリー様と戦って瞬殺されてましたから・・・」
「あら、あの中に一番隊がいたのね。強くするならオススメのイベントをこれからディアス様に提案するから参加する?」
アレなら死ぬ気で戦えば強くなれると思うのよね。相手はモンスターで手加減なんてされないし丁度いいわ。
「・・・イベント、ですか?」
「そう、イベントよ。私のいたキャンベル領は強いモンスターがウヨウヨいるの、そこでモンスター討伐イベントをしようと思っていて、ハロルド達も参加すれば強くなるんじゃないかしら?」
私が提案するとハロルドが少し考え言った。
「それは素晴らしい!是非、参加したいです。・・・あ、ドラゴンも出てきますか?」
「ドラゴン?私が倒したくらい大きいのはいるか分からないけれど、山頂のドラゴンを倒したから新しいドラゴンが住み着いていると思うわよ」
そう言ったらハロルドが目を輝かせ言った。
「俺、生きてるドラゴンを見たこと無いんで見てみたいんです!うわー、楽しみです!」
一応、死と隣り合わせの討伐イベントの予定なのだけどドラゴン見たさにリスクを考えてないわね・・・。
「たぶん近いうちにイベントを開催すると思うから決まったら言うわね」
「はいっ!」
ハロルドが元気の良い返事をした。今日の予定はこれで終わりね。
「ハロルド、私の護衛は明日の朝からで良いわ。私はもう部屋に戻ります」
「了解しました。では、明日からよろしくお願いします!」
「ええ、よろしくね」
部屋に戻るとディアス様が紅茶を飲みながら待っていた。私が入って来たのに気づきディアス様がカップを置きこちらを向いた。
「ディアス様、今日のお仕事は終わりですか?」
「ああ、終わらせてきた。リリー、おいで・・・もう今日の予定は終わっただろ?」
ディアス様に呼ばれ私は自分の定位置に座った。最初は恥ずかしかったけど、ディアス様の膝の上に座るのも慣れて来たわね。
「はい、今日の予定はさっき終わりましたわ。臨時の護衛の方と顔合わせをして、明日からお願いしました。なのでもうディアス様と一緒にいられますわ」
残るはお風呂のみ・・・これは何回も入っているけど慣れないわ。だってディアス様の裸体が!逞しい腹筋や背筋が目に毒ですわ!
鼻血が何回出そうになったことでしょう・・・我慢したので出していませんよ!?
「じゃぁリリー、一緒にお風呂入ろうか?」
「・・・はい」
ニコリと笑った顔が毎回、威圧的に見えるのは私だけでしょうか?
この後めちゃくちゃ甘やかされました。
あぁ、臨時の護衛はこの人か・・・名前、ハロルドって言うのね。
ハリスに紹介されて今、目の前にいるのはさっき訓練場で叩きのめした兵士の一人で私が最後に壁まで飛ばして骨折させた人だった。
「ええ、少しの間よろしくお願いします。それと、さっきはごめんなさい。怪我は大丈夫かしら?」
「あばら骨が折れましたが回復魔法をかけてもらったお陰で回復してます。なので気にしないで下さい」
ハロルドは全然気にして無さそうにニカっと笑い言った。臨時の護衛に就くくらいだから肩書きが有るのかしら?
「回復したのなら良かったわ。ねぇ、ハロルドは何処の所属だったの?最後まで私に攻めてきたの貴方ともう一人だけだったのよ」
「俺はルイス隊長のいる近衛騎士隊で副隊長をやってます。最後まで戦ってたもう一人は二番隊の副隊長ですよ」
ルイスの直属の部下だったのね!・・・でも隊長と副隊長が抜けて大丈夫なの?
「ちなみに、隊長と俺が抜けた一番隊はしばらく自主訓練期間にして戦力強化しています。アイツらリリー様と戦って瞬殺されてましたから・・・」
「あら、あの中に一番隊がいたのね。強くするならオススメのイベントをこれからディアス様に提案するから参加する?」
アレなら死ぬ気で戦えば強くなれると思うのよね。相手はモンスターで手加減なんてされないし丁度いいわ。
「・・・イベント、ですか?」
「そう、イベントよ。私のいたキャンベル領は強いモンスターがウヨウヨいるの、そこでモンスター討伐イベントをしようと思っていて、ハロルド達も参加すれば強くなるんじゃないかしら?」
私が提案するとハロルドが少し考え言った。
「それは素晴らしい!是非、参加したいです。・・・あ、ドラゴンも出てきますか?」
「ドラゴン?私が倒したくらい大きいのはいるか分からないけれど、山頂のドラゴンを倒したから新しいドラゴンが住み着いていると思うわよ」
そう言ったらハロルドが目を輝かせ言った。
「俺、生きてるドラゴンを見たこと無いんで見てみたいんです!うわー、楽しみです!」
一応、死と隣り合わせの討伐イベントの予定なのだけどドラゴン見たさにリスクを考えてないわね・・・。
「たぶん近いうちにイベントを開催すると思うから決まったら言うわね」
「はいっ!」
ハロルドが元気の良い返事をした。今日の予定はこれで終わりね。
「ハロルド、私の護衛は明日の朝からで良いわ。私はもう部屋に戻ります」
「了解しました。では、明日からよろしくお願いします!」
「ええ、よろしくね」
部屋に戻るとディアス様が紅茶を飲みながら待っていた。私が入って来たのに気づきディアス様がカップを置きこちらを向いた。
「ディアス様、今日のお仕事は終わりですか?」
「ああ、終わらせてきた。リリー、おいで・・・もう今日の予定は終わっただろ?」
ディアス様に呼ばれ私は自分の定位置に座った。最初は恥ずかしかったけど、ディアス様の膝の上に座るのも慣れて来たわね。
「はい、今日の予定はさっき終わりましたわ。臨時の護衛の方と顔合わせをして、明日からお願いしました。なのでもうディアス様と一緒にいられますわ」
残るはお風呂のみ・・・これは何回も入っているけど慣れないわ。だってディアス様の裸体が!逞しい腹筋や背筋が目に毒ですわ!
鼻血が何回出そうになったことでしょう・・・我慢したので出していませんよ!?
「じゃぁリリー、一緒にお風呂入ろうか?」
「・・・はい」
ニコリと笑った顔が毎回、威圧的に見えるのは私だけでしょうか?
この後めちゃくちゃ甘やかされました。
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