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60話

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あれからディアス様に迎えに来てもらい、レッドドラゴンの首を持ってお城に帰った。

「あ、アレは?!」

「まさかっ!!」

「番い様は私達より強いのか?!」

「ただの人間じゃ無い!?」

「女を捨ててきたのか?!」

若干名あとでお仕置きしたくなる人もいたが皆んなの見る目が変わった。腫れ物を触るみたいな扱いは居心地が悪かったしこれで解決したわね!・・・と、思っていた。



私は今バタバタと廊下を走っています!

「お待ち下さい、リリー様!」

「あっ、リリー様!見ていただきたい技が有るのですが!」

「我が女王~・・・グハッ!?あ、ありがとうございます!」

出会い頭に質問してくる人や技を見て欲しいと言ってくる人、いつも通り私に蹴られにくる人・・・何故か人気者になりましたわ!?

「何でこんな事になっているんですの?!あからさまに態度が変わりすぎて怖いわ!!」

「仕方ないだろ、リリーがレッドドラゴンを狩って来たんだ。龍人族でも単騎でドラゴンを倒してくる奴はディアスくらいだしな?だから強者のリリーを敵にしたくない奴と憧れからくるストーカ・・・いや、ファンがいるんだ」

横を並走しているクロムが呆れて言った。龍人族の強者に従う決まり的なのはやめて欲しいわ・・・。

「クロム、最後の明らかにストーカーって言ったわね?良く言うとファンって、ほぼストーカーと一緒よ?!」

「・・・まぁ、たまに物が無くなるくらいだろ。大丈夫だ!」

明後日の方向を向いて言うならこっちを見て言いなさいよー!

「クッ、全然大丈夫じゃないわ!この前なんか私、折れたペンを新しくしたの。それで折れた方を回収に来たメイドが目をキラキラさせてありがとうございます!って言って持って行ったの・・・。私その時に気づいたの、使えなくなってきた物が最近新しくなってきたなって・・・」

それに気づいた時は青ざめたわ。親切な人が替えてくれたと思ったら変態コレクターがいるんですもの!!

「・・・それ、ディアスに言ったら解決するんじゃ?」

「そんなことしたら城内の人の大半が消えるわ。私の持ち物コレクター、小さい物はボタンから持っているみたいだからキリが無いの!」

それを言ったらクロムがドン引きしていた。今、廊下を走っているのだって勉強がひと段落し、訓練場に向かっていたら声をかけられまくって仕方ないからなのだ。いちいち声をかけられ立ち止まっていたら、わらわらと出てくるから大変なのよね・・・。

ちなみに、ディアスさまのベッタリは修行に行ってから緩和され適度な拘束時間になった。まぁ、朝昼晩の食事の時や休憩の時はお膝抱っこは変わらずですけどディアス様もその方がメリハリが出て仕事がはかどるみたいだとハリーが言っていた。

「ところで、妃教育中のリリーは廊下を走ったら不味いんじゃないか?」

「問題無いわ!よく見て?競歩よ。だから埃もたたないしスカートも捲れないわ!」

妃教育中の私は廊下を全力疾走すると、テレジアさんに減点されて罰としてテレジアさんにお仕置きをしなきゃいけないのだ!

何故か罰を受けるはずの私がテレジアさんにお仕置きをする・・・じゃなく

テレジアさんがそれで良いなら私は従う。それに私も罰を受けないように気合いが入る。だって目をランランと輝かせて、今か今かと待ち構えてるテレジアさんを見ると、どんなお仕置きをさせられるのか恐ろしいからだ・・・。

「それは屁理屈な気がするがまぁ、良いか。そろそろ訓練場に着くな。あそこまで行けば邪魔されない」

訓練場までは流石に追って来ないがまた別の問題があるのよね・・・。それも自分で招いた事だからしょうがない。

「さっ、訓練をしに行くわよ!」

私は訓練場の扉を開き更衣室に行く。ドレスで訓練は出来ないしね!毎回思っていたけどこの訓練着・・・ムスカが作ってる?

「来るたびに用意されてる服が違うのよね。全部私好みの服だから文句は無いけどこんなに作ってて休む暇あるのかしら?」

さっき蹴り飛ばしたけど訓練が終わったら聞いてみましょう。

よし、張り切って訓練頑張るわよー!
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