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56話
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「近くで見るとかなりデカいな・・・」
ロック鳥の所まで戻って来てクロムが開口一番に言った。
「ワイトがいなかったら倒せなかったかもね。私の鞭だけだとロック鳥にダメージを入れても長期戦になりそうだし」
「キュ!」
「ふふ、ありがとうね」
今日中に山頂まで行きたかったけど、これだけ大きいと解体も時間がかかるし・・・明日の最終日に山頂を目指してロック鳥以上の大物を仕留めましょう。
「クロム、ワイト解体を始めましょう!」
・・・やっと終わった。
三時間も解体にかかっちゃったわ。傷みそうな部位以外は持って帰って何かに加工してもらおう。
「今がお昼過ぎくらいだから山を降りましょう。日が暮れる前に戻らないと不意打ちの攻撃に対応出来ないわ」
私が言うとクロムが頷き、ワイトが一鳴きした。解体した荷物は私とクロムで分担して持つことにして、ワイトには周囲の警戒を頼んだ。
「お願いね、ワイト!」
「キュ!」
お願いしたらワイトがシュピッと前足をあげ返事をした。今すぐあのモフモフをモフりたい衝動に駆られそうになりましたわ!
私達は行きと同じ二時間くらい歩いて拠点にした場所に戻ってきた。
「リリー、俺はまた影から見守るから死ぬような危険な事はするなよ?絶対だからな?」
「折角だから夕食、食べてから行きなさいよ?お肉も沢山あるし。あと、最後の発言は私が危険になりそうな気がするから撤回して!」
そんなに念押しされたら逆に危ない目に遭いそうだわ。明日の最終日で死にかけたら迎えに来るディアス様が荒れ狂って山を消しかねない・・・。
「お、おう。悪かった、明日は適度に頑張れよ」
「ええ、もちろん全力よ!」
「・・・リリー、俺の話聞いてないな?」
私は鼻歌まじりにロック鳥の肉を焼き始めた。味つけ何が良いかしら?調味料はあまり持って来てないし、あるのは・・・そうだ、カレー粉があるからカレー味のお肉にしよう!
「ふふ、良い匂い。美味しそうだわ」
「リリー、まだ焼けないのか?この匂いのせいで食欲が刺激される・・・」
焼いている側にクロムが様子を見に来た。うん、私も食欲が刺激されてお腹が鳴りそうだわ!
ぐぅ~・・・。
「も、もう少しで焼けるからあっちで待ってて!!」
「わ、分かったから押すな!」
お腹が鳴って恥ずかしくなりクロムを遠ざけた。早く焼けないかなー?
ふー、お腹いっぱい!空腹の音が鳴りっぱなしになる前に焼けて良かったわ。
「リリーご馳走様。じゃ、夜営気をつけろよ?」
そう言うと、あっという間にクロムがいなくなった。
「食休みくらい取れば良いのに。んー、夜営か・・・ねぇ、ワイト?今日は敵が来たら起こして欲しいの。もちろん私も直ぐ起きられるように仮眠にしておくわ!」
「キュ?キューキュ!」
「え?気にせず寝てて良いって?そんな、悪いわよ。ワイトだって疲れているんだからちゃんと休まないと!だから一緒に夜営、頑張りましょう?」
ワイトに心配しないでと言われたけど、今日はいっぱい頑張って疲れてるはずだから休ませてあげないとね。
「・・・キュゥ、キュ!!」
「ええ、一緒に頑張りましょうね?」
ワイトと一緒に木の幹に寄りかかり、いつでも動ける体勢で仮眠をとった。
いつの間にか深く眠ってしまったのか、私は不思議な場所にいた。
「ここ、どこかしら?ワイトもいないし私・・・今、夢をみてる?」
真っ暗な空間に私がポツンと立っている。あれ?前にもここ、来たことがある気がする。そんな事を思っていたら一筋の光が現れ、私を照らした。
「眩しい・・・ん?誰か来る」
向こうの方にも光が差し、誰かが近づいてくるのが見えた。
「眩しくて良くみえないわね?」
次第に近づく人影がハッキリ見えるようになり私は驚いた。
「・・・まさか!?」
ロック鳥の所まで戻って来てクロムが開口一番に言った。
「ワイトがいなかったら倒せなかったかもね。私の鞭だけだとロック鳥にダメージを入れても長期戦になりそうだし」
「キュ!」
「ふふ、ありがとうね」
今日中に山頂まで行きたかったけど、これだけ大きいと解体も時間がかかるし・・・明日の最終日に山頂を目指してロック鳥以上の大物を仕留めましょう。
「クロム、ワイト解体を始めましょう!」
・・・やっと終わった。
三時間も解体にかかっちゃったわ。傷みそうな部位以外は持って帰って何かに加工してもらおう。
「今がお昼過ぎくらいだから山を降りましょう。日が暮れる前に戻らないと不意打ちの攻撃に対応出来ないわ」
私が言うとクロムが頷き、ワイトが一鳴きした。解体した荷物は私とクロムで分担して持つことにして、ワイトには周囲の警戒を頼んだ。
「お願いね、ワイト!」
「キュ!」
お願いしたらワイトがシュピッと前足をあげ返事をした。今すぐあのモフモフをモフりたい衝動に駆られそうになりましたわ!
私達は行きと同じ二時間くらい歩いて拠点にした場所に戻ってきた。
「リリー、俺はまた影から見守るから死ぬような危険な事はするなよ?絶対だからな?」
「折角だから夕食、食べてから行きなさいよ?お肉も沢山あるし。あと、最後の発言は私が危険になりそうな気がするから撤回して!」
そんなに念押しされたら逆に危ない目に遭いそうだわ。明日の最終日で死にかけたら迎えに来るディアス様が荒れ狂って山を消しかねない・・・。
「お、おう。悪かった、明日は適度に頑張れよ」
「ええ、もちろん全力よ!」
「・・・リリー、俺の話聞いてないな?」
私は鼻歌まじりにロック鳥の肉を焼き始めた。味つけ何が良いかしら?調味料はあまり持って来てないし、あるのは・・・そうだ、カレー粉があるからカレー味のお肉にしよう!
「ふふ、良い匂い。美味しそうだわ」
「リリー、まだ焼けないのか?この匂いのせいで食欲が刺激される・・・」
焼いている側にクロムが様子を見に来た。うん、私も食欲が刺激されてお腹が鳴りそうだわ!
ぐぅ~・・・。
「も、もう少しで焼けるからあっちで待ってて!!」
「わ、分かったから押すな!」
お腹が鳴って恥ずかしくなりクロムを遠ざけた。早く焼けないかなー?
ふー、お腹いっぱい!空腹の音が鳴りっぱなしになる前に焼けて良かったわ。
「リリーご馳走様。じゃ、夜営気をつけろよ?」
そう言うと、あっという間にクロムがいなくなった。
「食休みくらい取れば良いのに。んー、夜営か・・・ねぇ、ワイト?今日は敵が来たら起こして欲しいの。もちろん私も直ぐ起きられるように仮眠にしておくわ!」
「キュ?キューキュ!」
「え?気にせず寝てて良いって?そんな、悪いわよ。ワイトだって疲れているんだからちゃんと休まないと!だから一緒に夜営、頑張りましょう?」
ワイトに心配しないでと言われたけど、今日はいっぱい頑張って疲れてるはずだから休ませてあげないとね。
「・・・キュゥ、キュ!!」
「ええ、一緒に頑張りましょうね?」
ワイトと一緒に木の幹に寄りかかり、いつでも動ける体勢で仮眠をとった。
いつの間にか深く眠ってしまったのか、私は不思議な場所にいた。
「ここ、どこかしら?ワイトもいないし私・・・今、夢をみてる?」
真っ暗な空間に私がポツンと立っている。あれ?前にもここ、来たことがある気がする。そんな事を思っていたら一筋の光が現れ、私を照らした。
「眩しい・・・ん?誰か来る」
向こうの方にも光が差し、誰かが近づいてくるのが見えた。
「眩しくて良くみえないわね?」
次第に近づく人影がハッキリ見えるようになり私は驚いた。
「・・・まさか!?」
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