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55話

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ロック鳥に飛び乗った私は振り落とされないように首に鞭を巻きつけ手綱にした。

「大人しくしなさい!このまま地上に落ちてもらうわよ!」

バサバサと暴れるロック鳥を何とか地上に落とそうと首に巻いた鞭を引っ張る。

「ギュアッ!ギュアーーッ!!」

クッ、身体強化をしても引っ張られる!地上まであと・・・少しっ、だ!!

「キュキュキューーッ!!」

「えっ、ワイト?!何でそんな所にいるの!?」

声のする方をみるとロック鳥の尻尾に捕まってよじ登り、私に向かって走るワイトがいた。

これはチャンスね!ワイトがいればロック鳥に大ダメージを与えられるわ!

「キュッ!!キュー!!」

「え?私が空に上がった時には尻尾にしがみついていたの?ありがとうワイト!無事に倒せたらご褒美あげなきゃね!」

「キュウ!」

よし、このままの勢いでコイツの首を・・・刈る!!

「ワイト!私がロック鳥をこのまま落とすからワイトは落ちきる直前で跳び上がってその勢いでコイツの首を刈ってくれる?」

「キュ・・・キュキュ!!」

「こんな大物初めてで不安だけど頑張る?・・・流石、私の相棒ね!」

私は鞭を引き、ロック鳥の軌道を真下に向かって調整する。

かなりスピードが出てる・・・駄目、気を引き締めなきゃ!

・・・もう少し、あと少し、よしっ!

「今よ!ワイト跳んで!!」

「キュッ!キューーッ!!!」

跳び上がったワイトの脚が大鎌に変化した!さっき見た鎌より大きいわ!?

ブォンと風を斬りながらワイトが回転し、ロック鳥の首を切り落とした!!

「ギュ、アーーッ!!」

切り落とした瞬間ドシンとロック鳥が落ちた。かなりの衝撃がきたが幸いにもロック鳥の羽毛がクッションになり助かった。

「ワイト何処にいるの!?大丈夫?」

ヒュゥーーースタッ!!

ワイトが近くにいなくて周囲を見たら空から華麗な着地を決めて登場した。

「キュ!」

「無事で良かったわ。うん、綺麗な着地だったわよ」

首を刈り切った事よりも着地を気にしているなんて変わっているわね。私は息絶えたロック鳥から降りて改めて良く見た。

「ロック鳥、大きいわねー。・・・解体しないと勿体無いからどうしましょう?あ、そういえば何処かにいるはずよね?」

私は周りの気配を探り見つけた!ガサガサと草むらに入り、探していた気配のする木まで来た。

木の上にいるはずの人に声をかけた。

「クロム、見つけたわ。ちょっと解体手伝ってくれない?」

「・・・気づいてたのか?」

「ええ、ディアス様が私を一人で行かせるなんておかしいと思っていたのよ。だから気配を探っていたの、そしたらクロムが気づかれない距離で待機していたからもしもの時は強制的に帰還させるんだろうなって思ったわけ」

クロムが木から降りて溜息をつき、歩き始めた。

「はぁ、しょうがない。リリー、さっさと解体するぞ?手を貸すのは今回だけだからな。ディアスから見守るだけって命令をされているから、バレたらアイツが羨ましいとか言って俺を攻撃しそうだからな・・・」

凄く嫌そうな顔をして言った内容に私はあ、ディアス様ならやりそうって思ってしまった。

「ディアス様ならやりかねないわね。ごめんなさいね、手早く終わらせましょうか!」

あ、そういえば刈った首はどこに落ちたのかしら?勢いよく刈ったからスポーンと飛んでいってしまったのよね。

ズルズル。ズル・・・ズルズル。

「ん?・・・何の音?」

「・・・キュー、キュッ!」

キョロキョロと音のする場所を探すとワイトがロック鳥の頭を前足で持って引きずって来た。

「・・・ワイト、あなたって本当に良い子ね。丁度、頭を探そうと思っていたのよ」

私の所まで引きずって来たワイトが胸を張り一鳴きした。

「キュッ!!」

「首狩りウサギか・・・利口な奴もいるんだな。たいしたもんだ」

遠くで見ていたクロムもワイトを褒めた。うん、うちの子は可愛いくてお利口さんですわ!
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