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52話
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荒れた庭でディアス様とおはなしという名の追いかけっこが始まった。これ以上綺麗だった庭を荒れさせたく無いからピンポイントで足元を狙う。
パシッ!スパンッ!
「グッ、リリーすまない!俺が悪かった。落ち着いて話し合おう?」
そう言ってディアス様、逃げてちゃ駄目ですわ?話し合う気が有るなら止まらないと・・・私も止まりませんよ?
「ディアス様、話し合う気が有るなら止まって下さらない?私、これ以上庭で追いかけっこをするのは気が引けますの」
話しかけながら鞭を振る手は止めない。だって、止まってくれないんですもの!
ヒュッ!と鞭を振ったら漸くディアス様の右足を捕まえた。
「もう、やっと捕まえた」
「しまったっ!?くっ、この鞭なかなか解けないぞ?」
にじりにじりと私は近づいて行く。今度は逃がさない。
「はい、捕まえた・・・」
ガシッとディアス様の肩を掴み、チェックメイトだ。
「ヒィッ!?」
そんな怖いものを見た様な顔をするなんて酷いですわ。乙女心についても教えてあげましょう。
私は身体強化をしてズルズルとディアス様を引きずって庭を後にした。
「ルイスッ!助けてくれ~・・・」
「ご主人、行ってらっしゃいませー!!」
ディアス様がルイスに助けを求めたけどルイスが良い笑顔で見送ってきた。
城の中をズルズルと引きずって行く。城の主人が引きずられる異様な光景に兵やメイドが二度見する。
そろそろ私達の部屋に着くかしら?
「ディアス様、良い加減歩いて下さらない?先程の追いかけっこも手を抜いてましたし、どんな理由が有りますの?」
私は歩くのを止めディアス様に問いただした。手加減するにも程があるでしょうに、アレでは私が鬼嫁になってしまいますわ!
「やはりバレていたか・・・」
そう言うと、スッと立ち上がり服についたホコリを叩いた。さっき迄の残念さが抜けてキリッとしたディアス様が現れた。ギャップが激しいです!
「とりあえず部屋に行こう。廊下だと落ち着かないしな」
「分かりましたわ。流石に私も引きずるのは疲れました・・・早く部屋に行きましょう!」
パタン・・・。
私達は近くにある二人がけソファに座った。
「さて、さっきの件なんだが理由としてはルイスから聞いたと思うが二人を消炭にしようとしたのは間違いない。まぁ、リリーが二人を止めたから消炭に出来なかったがな・・・」
「消炭にしないで下さい。ディアス様は極端すぎます!そっちの理由は分かりましたわ。じゃぁ、その後の方は?」
「後半の追いかけっこは城の連中にリリーの力を示すためにやった。アレだけ派手にやったからな、皆んな見に来ただろ?前回の訓練場でやったムスカの公開調教もあって、リリーの力を下に見る奴はいなくなっただろうな!それにしても・・・最後に捕まった時、リリーの後ろに鬼を見た気がするがあれは恐かったな」
最後の方は聞き取れなかったけど要は、ちょっかい出さないように牽制したって事?うーむ、鬼嫁まっしぐらな気がして来たわ・・・。
「そんなに私、城の人たちに舐められてますか?」
「ああ、リリーは俺の番いだがその前に人間だ。人間ってだけで城の連中は見下している部分がある。だからリリーが力を示して従わせなきゃならないんだ」
ディアス様が苦い顔で言っている事は私も理解している。龍人と人間だとやっぱり体の強度も違うし魔力量も違う。だから私たち人間が龍人を見ると畏怖する様に龍人も人間を見下すのはしょうがないと思ってしまう。
「ディアス様、私・・・強くなりますわ!人間の壁を越えてみせます!」
改めて私は決意しよう!ディアス様の隣に相応しい番いになれるように日々の鍛錬を強化しなきゃ!!
「リリー?あまり強くなられても俺が恐いんだが・・・」
・・・あ、そうですわ!!
「ディアス様!ご相談がありますの!」
「相談?リリーの頼みなら何でも言ってごらん?」
「私、実家に帰ります!」
「・・・え?」
パシッ!スパンッ!
「グッ、リリーすまない!俺が悪かった。落ち着いて話し合おう?」
そう言ってディアス様、逃げてちゃ駄目ですわ?話し合う気が有るなら止まらないと・・・私も止まりませんよ?
「ディアス様、話し合う気が有るなら止まって下さらない?私、これ以上庭で追いかけっこをするのは気が引けますの」
話しかけながら鞭を振る手は止めない。だって、止まってくれないんですもの!
ヒュッ!と鞭を振ったら漸くディアス様の右足を捕まえた。
「もう、やっと捕まえた」
「しまったっ!?くっ、この鞭なかなか解けないぞ?」
にじりにじりと私は近づいて行く。今度は逃がさない。
「はい、捕まえた・・・」
ガシッとディアス様の肩を掴み、チェックメイトだ。
「ヒィッ!?」
そんな怖いものを見た様な顔をするなんて酷いですわ。乙女心についても教えてあげましょう。
私は身体強化をしてズルズルとディアス様を引きずって庭を後にした。
「ルイスッ!助けてくれ~・・・」
「ご主人、行ってらっしゃいませー!!」
ディアス様がルイスに助けを求めたけどルイスが良い笑顔で見送ってきた。
城の中をズルズルと引きずって行く。城の主人が引きずられる異様な光景に兵やメイドが二度見する。
そろそろ私達の部屋に着くかしら?
「ディアス様、良い加減歩いて下さらない?先程の追いかけっこも手を抜いてましたし、どんな理由が有りますの?」
私は歩くのを止めディアス様に問いただした。手加減するにも程があるでしょうに、アレでは私が鬼嫁になってしまいますわ!
「やはりバレていたか・・・」
そう言うと、スッと立ち上がり服についたホコリを叩いた。さっき迄の残念さが抜けてキリッとしたディアス様が現れた。ギャップが激しいです!
「とりあえず部屋に行こう。廊下だと落ち着かないしな」
「分かりましたわ。流石に私も引きずるのは疲れました・・・早く部屋に行きましょう!」
パタン・・・。
私達は近くにある二人がけソファに座った。
「さて、さっきの件なんだが理由としてはルイスから聞いたと思うが二人を消炭にしようとしたのは間違いない。まぁ、リリーが二人を止めたから消炭に出来なかったがな・・・」
「消炭にしないで下さい。ディアス様は極端すぎます!そっちの理由は分かりましたわ。じゃぁ、その後の方は?」
「後半の追いかけっこは城の連中にリリーの力を示すためにやった。アレだけ派手にやったからな、皆んな見に来ただろ?前回の訓練場でやったムスカの公開調教もあって、リリーの力を下に見る奴はいなくなっただろうな!それにしても・・・最後に捕まった時、リリーの後ろに鬼を見た気がするがあれは恐かったな」
最後の方は聞き取れなかったけど要は、ちょっかい出さないように牽制したって事?うーむ、鬼嫁まっしぐらな気がして来たわ・・・。
「そんなに私、城の人たちに舐められてますか?」
「ああ、リリーは俺の番いだがその前に人間だ。人間ってだけで城の連中は見下している部分がある。だからリリーが力を示して従わせなきゃならないんだ」
ディアス様が苦い顔で言っている事は私も理解している。龍人と人間だとやっぱり体の強度も違うし魔力量も違う。だから私たち人間が龍人を見ると畏怖する様に龍人も人間を見下すのはしょうがないと思ってしまう。
「ディアス様、私・・・強くなりますわ!人間の壁を越えてみせます!」
改めて私は決意しよう!ディアス様の隣に相応しい番いになれるように日々の鍛錬を強化しなきゃ!!
「リリー?あまり強くなられても俺が恐いんだが・・・」
・・・あ、そうですわ!!
「ディアス様!ご相談がありますの!」
「相談?リリーの頼みなら何でも言ってごらん?」
「私、実家に帰ります!」
「・・・え?」
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