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20話

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私はハッと目が覚め体が動かし難いと思い現状を確認した。

・・・私はディアス様に腕枕をされていた。まだディアス様は起きていない、私は昨日の事を思い出してみた。

昨日、ディアス様とお話しをしたけれど、有耶無耶な感じで逃げられてしまいましたし。何故か仲直りをしようとか言い出して、ベッドに連れられ私を腕の中に閉じ込めて寝かそうとするわ顔中にキスをしまくるわで・・・余計に寝れませんでしたわね。

それで心臓がいくつあっても足りないくらいドキドキしっぱなしで気づいたら朝で私寝た覚えが無いから気絶したわね・・・。

「・・・リリー、おはよう。よく眠れたかい?」

私はイラッとしてまだディアス様の腕の中に捕まっていたが抜け出した。

「おはようございます。よく寝れる訳ないですわ!!昨日はドキドキしっぱなしでしたし、恥ずかしかったですわ!?」

「そんなに俺のこと好きなんだね?可愛いなぁ、リリーおいで?」

そんな寝起き声で布団をめくっておいでなんて言われると駄目ですわ!色々駄目ですわ?!クリティカルヒットでオーバーキルですわ!!

「うぐっ!?ディ、ディアス様それは反則ですわ!ええ、駄目ですわ!ちょ、ちょっと・・・きゃっ!?」

私が慌てていたらディアス様が急に腕を引かれベッドに倒れ込んだ。待って、この体勢は危ない!何がって?・・・色々よ!?

「ふふ、リリーは俺の我慢強さを試しているのかな?そんなに可愛いことばっかり言う口は塞いでしまおうか?・・・ん?」

私はディアス様を見上げた。普段は私とあまり変わらない瞳なのにこんな時だけ瞳孔が縦長になってギラギラとしている。

少し見惚れていたら不意に口を塞がれた。最初は触れるだけのキス、そこから舌が入り込み深いキスをされ私は力が入らなくなり呂律が回らなくなった。

「んっ!ふぁ、んぅ・・・っにゃ、にゃにするにょっ?!」

触れるだけのキスじゃなくて深いキスだった!朝から盛らないでください?!

「・・・ん、ごちそうさま。リリーの口は甘いね?全部甘いのかな・・・?」

ディアス様がペロリと口を拭って言った。あ、その仕草最高で・・・じゃないわ?!

「あ、甘くないですわ!それと朝から盛らないでください!!わ、私の心臓が持ちませんわ?!」

「本当にリリーは可愛い過ぎる、でも今はこれくらいにしておくよ。さぁ、支度をして朝ご飯を食べに行こう」

朝からディアス様のペースに流されてますわ・・・。

「・・・分かりました。準備するので隣の部屋で待っていてください!」

「ああ、ゆっくり準備しておいで」

ディアス様が私の頭を撫でて、部屋を出た。

「・・・はぁ、朝から疲れた。ディアス様がカッコよすぎて辛いわ」

「ご主人は男の俺でもカッコいいと思ういい男ですからね!リリー様、早く慣れるといいですね?」

「ええ、そうねー・・・ルイス?あなた、早く部屋から出ないと殺されるわよ?ディアス様に」

たぶん、またバルコニーに吊るされていたのだろうけどここに居たらディアス様が嫉妬してルイスの息の根を止めかねない。

バタンッ!

「ちっ、ルイス・・・俺のリリーと同じ部屋に二人きりは許可してない。・・・死ぬ覚悟は出来たか?」

「あ、手遅れかも・・・ご主人!?あ、ちょ、ちょっと待ってーーー!!」

ディアス様がルイスをバルコニーから投げ飛ばし・・・見えなくなった。

あ、ルイスが星になった。無事に戻って来れるかしら?
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