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14話

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キャンベル家の屋敷はモンスターとの戦闘で使えるように高い城壁と見張台がある。有事の際には領民をここに避難させて籠城も可能だ。もう、屋敷ではなく城な気がするが屋敷だとお父様は言っている。

そんなキャンベル家の庭は屋敷の真ん中にあり、色とりどりの花が咲き誇ってまるで隔離された場所のような庭だ。

「着きましたわ。さあどうぞ、我が家の秘密の花園ですわ」

私は中庭にディアス様を案内した。実際、真ん中に位置する庭だから隔離されている秘密の庭とでもいうか・・・うちの家族は花とか愛でるよりも血肉踊る戦闘種族みたいな感じだから管理の楽な中庭しか庭が無い。

ちなみにお兄様はモンスターの解体が趣味だから、花を愛でるよりもモンスターの死体を愛でている。我が家ではまともな方だと思う!

「おお、秘密の花園に相応しい庭だ!季節外れの花まであるとは不思議な空間だな」

「まるでここだけ違う空間みたいですね?」

ディアス様もルイスも驚いてくれて良かったわ。

「あそこにある四阿あずまやでお茶にしましょう!」

私は近くで待機していたメイドにお茶をお願いして、ディアス様と四阿あずまやへ向かった。ルイスは入って来た入り口辺りで護衛を命令されているから近くにはいない。

・・・二人っきりだと何をしたらいいのかしら?朝から今までハイペースで動いていた気がするからのんびり出来る時間があると悩むわ。

「リリー、やっと二人になれた。さあ、座ってお互いの話しをしよう?」

そう言って私はディアス様に手を引かれバランスを崩した。

「きゃっ、ディアス様この体勢は恥ずかしいですわ・・・」

バランスを崩した私はディアス様の膝上に座らされていた。あまり女扱いされ慣れていないからこれはかなり恥ずかしい!

「可愛い、顔が赤くなってる。リリーこっちを向いて?」

「うぐっ、恥ずかしいですわ!ちゃんと座れるので下ろしてください!」

「駄目。今のうちに慣れて?国に帰ったらリリーの座る場所は俺の膝の上だよ。これぐらいで恥ずかしがってちゃ大変だよ?」

「え?冗談ですわよね!?これ以上何をするんですの?」

このままだと私の身が持ちませんわ!!これは龍人族の習性なのかしら?ルイスから性格ドSと聞いていたけど、これじゃドSの要素が微塵もないわ!甘いわ、甘過ぎて逃げたくなる!

「リリーは何もしなくて良いよ。俺が身の回りの事をするからね?」

「あの、ちょっと結婚を考え直させてほし・・・いえ、何でも無いですわ!!」

危なかったわ・・・今、一瞬ディアス様からとても黒いオーラが!黒いオーラが出たわ!!あのまま言い切っていたら私このまま連行されていたかもしれないわ。

「・・・リリー?今、何か言おうとしたかな?聞き取れなかったからもう一度、言ってくれる?」

「ひっ、早く結婚したいですわって言いました!!だからその黒いオーラを引っ込めて欲しいですわ!?」

あ、ディアス様から黒いオーラが引っ込んだわ!ちょっと機嫌も良くなってきた!

「良かった、もしリリーが結婚を考え直すなんて言ったら今すぐ国に連れ帰って部屋から出さずに監禁しようかと思ってしまうところだったよ!」

あ、言いとどまった私良くやった!危なかった、本当に危なかった!監禁生活まっしぐらになるところだったわ!?

「あはは、監禁生活は嫌なのでやめてくださいね?私はディアス様から離れませんわ」

「リリーずっと一緒にいよう。もう離せないからね?」

私はとんでもない人を好きになっちゃったな・・・頑張れ私!
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