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7話
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カーテンから漏れる朝日で目が覚めた。今日は学園が休みなので自主練をするくらいしか予定が無い。
「おはよ、ルイス」
私は右手のルイスに声をかけて朝の支度をしようと動きだす。
「おう、おはよう。これから朝練か?」
「ええ、訓練場でひと汗かいてくるわ」
パパッと準備をして訓練場へ向かう。先ずは走り込みね!持久力がないと戦えないし。
「いい天気ねー、こんな日は優雅にお茶を飲みたいわね」
「そうだなー、俺も早く護衛の任務終わらせて美味しいもの食べたいぜ。今のままだと食事とかいらないから娯楽が無い・・・そもそもリリーが強いから護衛いらねーしな」
「か弱い女じゃ生きていけない領地だからしょうがないでしょ。早くアザ生活が終わると良いわね」
そんな話をしていたら急に雲がかかり辺りが暗くなってきた。
「あ、ご主人が来る」
「・・・え?」
急に威圧的な空気が襲ってきてバッと空をみた、雲の影から何かの姿がみえる。まさかアレが龍王様?
「凄いプレッシャーね。アレが龍王様なの?かなり大きいわね」
雲が割れて龍が降りてきた。その姿だけみたらとても綺麗な景色になるけれど纏っている空気はかなり重い。
「ようやく逢えた、俺の運命の女!」
ピカッと光った瞬間、龍王様は人型になり私の前に降り立った。近くでみると身長190センチくらいあり、髪は夜空を切り取ったみたいに深い藍色、そして瞳が金色に輝いてみえてとても綺麗だった。
「初めまして。俺はオルレウス国の王ディアス・オルレウスだ。迎えが遅くなりすまなかった」
そう言いながら龍王様は私を抱きしめてきた。
「初めまして龍王様。私はリリー・キャンベルですわ。あの、苦しいので離していただけませんか?」
わりと強めに抱きしめられてキュンっとなる前にグハッとなった。
「ああ、すまん。つい興奮してしまった。少し力を弱めよう、リリーは小さくて愛らしいな。このまま国に連れ帰りたい」
離して下さいと言ったのに抱きつく力を弱めただけだった。しかもこのまま連れ帰る発言って最悪の事態になりそう?!
「龍王様?話しがしずらいので離していただけませんか?あと、このまま私を国に連れ帰ろうとはしないでくださいませ。外交問題になりますわ」
「ディアスと呼べ」
龍王様呼びはお気に召さなかったのかしら?ちょっと不機嫌なオーラが出てるわね・・・。
「素直に名前呼びしたほうが良いぜ?俺にも名前呼びしろって言われたからな。流石にそれは出来ないからご主人呼びにしたけど」
ルイスが苦笑い気味な声で言った。
「わかりましたわ。ディアス様、あの少し離れてくれませんか?あと、私を連れて帰らないでいただきたいのですが?」
「こうして逢えたのだから離れたくない。連れ帰るのは・・・駄目か?リリーは俺の運命の女なんだ、片時も離れたく無い」
少しだけ抱きしめる力が強くなってしまったわ。もろもろ説明不足だから運命の相手っていうのがよく分からないのよね。
「すみませんがディアス様、運命の相手ってどういう意味なのですか?私達人族には運命の相手というものが無いのでよく分からないのです」
「運命の相手というのは龍人族の番のことだ。俺達は番としか子供が作れない、だから運命の相手の気配を辿り探してくる。中には見つけられずに生涯独身もいるがな」
「なるほど。その番が私なのですね」
「そうだ、だから離したくない」
「ディアス様、私達は今出会ったばかりです。お互いのことを知らないままついて行くことは出来ませんわ。なので、お互いのことを知るために・・・勝負しましょう?」
「ほう・・・好戦的なんだなリリーは?良いだろう、闘いの中で分かることもあるしな。その勝負受けよう!」
「おはよ、ルイス」
私は右手のルイスに声をかけて朝の支度をしようと動きだす。
「おう、おはよう。これから朝練か?」
「ええ、訓練場でひと汗かいてくるわ」
パパッと準備をして訓練場へ向かう。先ずは走り込みね!持久力がないと戦えないし。
「いい天気ねー、こんな日は優雅にお茶を飲みたいわね」
「そうだなー、俺も早く護衛の任務終わらせて美味しいもの食べたいぜ。今のままだと食事とかいらないから娯楽が無い・・・そもそもリリーが強いから護衛いらねーしな」
「か弱い女じゃ生きていけない領地だからしょうがないでしょ。早くアザ生活が終わると良いわね」
そんな話をしていたら急に雲がかかり辺りが暗くなってきた。
「あ、ご主人が来る」
「・・・え?」
急に威圧的な空気が襲ってきてバッと空をみた、雲の影から何かの姿がみえる。まさかアレが龍王様?
「凄いプレッシャーね。アレが龍王様なの?かなり大きいわね」
雲が割れて龍が降りてきた。その姿だけみたらとても綺麗な景色になるけれど纏っている空気はかなり重い。
「ようやく逢えた、俺の運命の女!」
ピカッと光った瞬間、龍王様は人型になり私の前に降り立った。近くでみると身長190センチくらいあり、髪は夜空を切り取ったみたいに深い藍色、そして瞳が金色に輝いてみえてとても綺麗だった。
「初めまして。俺はオルレウス国の王ディアス・オルレウスだ。迎えが遅くなりすまなかった」
そう言いながら龍王様は私を抱きしめてきた。
「初めまして龍王様。私はリリー・キャンベルですわ。あの、苦しいので離していただけませんか?」
わりと強めに抱きしめられてキュンっとなる前にグハッとなった。
「ああ、すまん。つい興奮してしまった。少し力を弱めよう、リリーは小さくて愛らしいな。このまま国に連れ帰りたい」
離して下さいと言ったのに抱きつく力を弱めただけだった。しかもこのまま連れ帰る発言って最悪の事態になりそう?!
「龍王様?話しがしずらいので離していただけませんか?あと、このまま私を国に連れ帰ろうとはしないでくださいませ。外交問題になりますわ」
「ディアスと呼べ」
龍王様呼びはお気に召さなかったのかしら?ちょっと不機嫌なオーラが出てるわね・・・。
「素直に名前呼びしたほうが良いぜ?俺にも名前呼びしろって言われたからな。流石にそれは出来ないからご主人呼びにしたけど」
ルイスが苦笑い気味な声で言った。
「わかりましたわ。ディアス様、あの少し離れてくれませんか?あと、私を連れて帰らないでいただきたいのですが?」
「こうして逢えたのだから離れたくない。連れ帰るのは・・・駄目か?リリーは俺の運命の女なんだ、片時も離れたく無い」
少しだけ抱きしめる力が強くなってしまったわ。もろもろ説明不足だから運命の相手っていうのがよく分からないのよね。
「すみませんがディアス様、運命の相手ってどういう意味なのですか?私達人族には運命の相手というものが無いのでよく分からないのです」
「運命の相手というのは龍人族の番のことだ。俺達は番としか子供が作れない、だから運命の相手の気配を辿り探してくる。中には見つけられずに生涯独身もいるがな」
「なるほど。その番が私なのですね」
「そうだ、だから離したくない」
「ディアス様、私達は今出会ったばかりです。お互いのことを知らないままついて行くことは出来ませんわ。なので、お互いのことを知るために・・・勝負しましょう?」
「ほう・・・好戦的なんだなリリーは?良いだろう、闘いの中で分かることもあるしな。その勝負受けよう!」
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