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1:魔術の学び舎
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八つの大国で構成されたスレイン大陸が北北東、バスティア王国中央地、首都ヴィオラ。
年中、温暖な気候で乾いた春風が吹いている。
王国バスティア、その名を轟かせたのには国設立と共に並立された魔術学院の存在が主だろう。
レイクランドル魔術学院、大陸全土の旅人に目的を聞けば誰しもがその名を口にする。
ジャンルは魔導士育成から魔導書の研究、調合薬の生成、錬金術まで幅広く扱っており、その高水準の教育環境から全大陸から魔術士が訪れる。
魔術士であるクロム・エルダインはそんな学院を訪れていた。
辛子色のトレンチコートを羽織り、丁寧に拵えられた牛革のトランクを手に持つ。やさぐれた顔立ちをし肌の白い男、クロムの容姿を言い表すならばそんな感じだろう。
「あぁあぁ~甘ったるいコーヒー共にクッキーが食べた~いなぁ」。
約二十時間のフライトによってコリに凝り固まった肩やら腰やらをバキバキと鳴らす。
クロムがだらしなく嘆きを挙げるのに呼応するかの様に念動話術が繋がる。
「はぁい、こちらクロム・エルダイン、無事ヴィオラに到着しました、今から例の物を回収しに行くよぉ、バレン君」。
「おい、回収任務と言えどたるみ過ぎだぞ、しゃきっとしろしゃきっと」。
「ほんとに人使い荒いよね上のご老輩方々は、いくら僕が? 優秀で? 完璧で? 天才だからって極小支部の僕等に任せるってのはね」。
「おい、口を閉じろクロム愚痴りたいなら後にしろ、てか、組織の番号で堂々と老輩の文句を言うな、俺が大目玉くらうんだぞ」。
「かったいなぁバレン君はそんな機械みたいな生き方して肩凝らない?」。
「貴様に生き方云々でとやかく言われたくないわ!! それよりとっとと学院へ向えお前と話してると埒が明かん」。
「はは……あぁそれならついたよ、レイクランドル魔術学院」。
レイクランドル魔術学院、大きな時計塔を主軸とし学科一つに対し一つ棟が与えられている。学科は幾百とある為そこは街の様に大きく広大である。
( はは…こりゃ正直骨が折れそうだ )
目的の人物は精霊古魔術の教授オーフェン・ノーランド、精霊学の第一人者である。
さてどうしたものか、ここまで広いと学科を探すだけでも一日は掛かる、館内マップは風景を、損ねるとか何とかで用意されてないと来た、敢えて人がいない時間を選んだ為人っ子一人見当たらない。全く困ったものだ。
途方に暮れながら渡り廊下を歩いている時だった。
「う、う、うわぁあぁぁ!!」。
廊下の突き当りの所、大量の荷物を抱えた少年とぶつかり……盛大にひっくり返した。
「失敬失敬、余所見していたよ大丈夫かい? 君」。微笑みながら手を差し伸べた。
「は、はい、こちらこそ前方不注意でした、まさかこんな時間に人がいるなんて。」
「このダンボールの中身はなんだい?」
「カエルの目玉と後はネズミの尻尾、後はマンドラコラの根に鷹の爪、そっちは試験管やら資料とかですかね。」
「うへぇそんなもの何に使うんだい? 」。
「さぁ僕も分からないです、何に使うんでしょうか」。と言ってクロムの腕を掴んだ。
クロムは倒れたダンボールを拾い上げた。
「半分持つよ、変わりと言っては何だがオーフェン教授の元まであんなしてくれないかな?」。
「あ、教授のお客さんだったんですね、失礼しました。分かりましたよろしくお願いします」。
「僕はクロム・エルダイン、君の名前は?」
― 日暮、日暮 ナギサです。 ―
この出会いが後に大波乱を呼ぶ事をまだ僕達は知らない。
年中、温暖な気候で乾いた春風が吹いている。
王国バスティア、その名を轟かせたのには国設立と共に並立された魔術学院の存在が主だろう。
レイクランドル魔術学院、大陸全土の旅人に目的を聞けば誰しもがその名を口にする。
ジャンルは魔導士育成から魔導書の研究、調合薬の生成、錬金術まで幅広く扱っており、その高水準の教育環境から全大陸から魔術士が訪れる。
魔術士であるクロム・エルダインはそんな学院を訪れていた。
辛子色のトレンチコートを羽織り、丁寧に拵えられた牛革のトランクを手に持つ。やさぐれた顔立ちをし肌の白い男、クロムの容姿を言い表すならばそんな感じだろう。
「あぁあぁ~甘ったるいコーヒー共にクッキーが食べた~いなぁ」。
約二十時間のフライトによってコリに凝り固まった肩やら腰やらをバキバキと鳴らす。
クロムがだらしなく嘆きを挙げるのに呼応するかの様に念動話術が繋がる。
「はぁい、こちらクロム・エルダイン、無事ヴィオラに到着しました、今から例の物を回収しに行くよぉ、バレン君」。
「おい、回収任務と言えどたるみ過ぎだぞ、しゃきっとしろしゃきっと」。
「ほんとに人使い荒いよね上のご老輩方々は、いくら僕が? 優秀で? 完璧で? 天才だからって極小支部の僕等に任せるってのはね」。
「おい、口を閉じろクロム愚痴りたいなら後にしろ、てか、組織の番号で堂々と老輩の文句を言うな、俺が大目玉くらうんだぞ」。
「かったいなぁバレン君はそんな機械みたいな生き方して肩凝らない?」。
「貴様に生き方云々でとやかく言われたくないわ!! それよりとっとと学院へ向えお前と話してると埒が明かん」。
「はは……あぁそれならついたよ、レイクランドル魔術学院」。
レイクランドル魔術学院、大きな時計塔を主軸とし学科一つに対し一つ棟が与えられている。学科は幾百とある為そこは街の様に大きく広大である。
( はは…こりゃ正直骨が折れそうだ )
目的の人物は精霊古魔術の教授オーフェン・ノーランド、精霊学の第一人者である。
さてどうしたものか、ここまで広いと学科を探すだけでも一日は掛かる、館内マップは風景を、損ねるとか何とかで用意されてないと来た、敢えて人がいない時間を選んだ為人っ子一人見当たらない。全く困ったものだ。
途方に暮れながら渡り廊下を歩いている時だった。
「う、う、うわぁあぁぁ!!」。
廊下の突き当りの所、大量の荷物を抱えた少年とぶつかり……盛大にひっくり返した。
「失敬失敬、余所見していたよ大丈夫かい? 君」。微笑みながら手を差し伸べた。
「は、はい、こちらこそ前方不注意でした、まさかこんな時間に人がいるなんて。」
「このダンボールの中身はなんだい?」
「カエルの目玉と後はネズミの尻尾、後はマンドラコラの根に鷹の爪、そっちは試験管やら資料とかですかね。」
「うへぇそんなもの何に使うんだい? 」。
「さぁ僕も分からないです、何に使うんでしょうか」。と言ってクロムの腕を掴んだ。
クロムは倒れたダンボールを拾い上げた。
「半分持つよ、変わりと言っては何だがオーフェン教授の元まであんなしてくれないかな?」。
「あ、教授のお客さんだったんですね、失礼しました。分かりましたよろしくお願いします」。
「僕はクロム・エルダイン、君の名前は?」
― 日暮、日暮 ナギサです。 ―
この出会いが後に大波乱を呼ぶ事をまだ僕達は知らない。
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