病み男子2

迷空哀路

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「んっふふぅ~ん」
らんらんらんらん、にゃーにゃー、ぬこぬこ。
「あああああああ! にゃああああああああ!」
ハッとして後ろを振り返った。よかった、起きてないみたいだ。ふー反省反省。緊張してつい叫んじゃったよ。
「ぬふふふ~ん、ぬまじゅしゃ~ん」
椅子の後ろからぐるりと回って顔を覗いた。ふふーんよく寝てるよぉ。可愛いよぉ。
つーんつんとほっぺから鎖骨をなぞってみる。うんうん。いい感じ。

オススメの睡眠薬を教えてもらって、お酒に入れたら沼津さんはそれを一気飲みして。ぐったりなったところを台車にのせて、用意しといた椅子に乗せて、ガチャガチャっと固定してみたところで完成したのです!
あ、服のことを忘れてました。ふふふ。他に何の音も聞こえない静かな空間で、服の擦れる音だけが聞こえるなんて、なんと甘美なのでしょう。
椅子に固定できるベルトを一回外して、脱がせてみます。ネクタイを外して、シャツを脱がせて嗅いでみて、そうしたらまぁまぁ匂いがする訳です。布に嫉妬です。
次はちょっと苦労しました。両腕を僕の肩に乗せて、その重さに倒れそうになりながらも、腰を上手く使ってなんとか止まった訳です。ベルトを外してパンツまで一緒に下ろすと、若干投げ飛ばすように椅子に戻しました。その時点で僕はもうゼイゼイはぁはぁです。小柄なのは仕方ありません。

しかしそんな苦労も何処へやら。わお、なんと目線の先では、沼津さんの大切なものが無防備にこんにちはしてるではありませんか。
あわわわわ。とりあえずお楽しみは後に残しておきます。僕は海老のお寿司も最後に残しておくタイプなのです。はい、好きなんです。
ズボンを脱がせて、椅子についている全てのベルトで固定しました。一通り作業が終わって見上げると、上から降り注ぐ一つの電球の光が、沼津様を照らしておりました。まるで映画のワンシーンのようでした。今の例えはオシャレです。
今まで前から急に驚かれされた人みたいな、両手を後ろについて、足をM字のようにした姿勢で見つめていた僕ですが、軽い動作で起き上がりました。
まずはじっくり眺めてみます。視姦って奴ですか。照れちゃいますね。次は匂いをこっそり。鼻姦ですか? 聞いたことないですね。
その匂いは彼のシャツや、普段後ろからこっそり近づいた時と、あまり変わりませんでした。
次にお胸を拝見です。肌は白いですが、そこにあったのは綺麗なピンク色という訳ではありません。ただ僕は三十路も超えた体で、そんなのはどうなんだという考えですので、多少黒ずんでいても構いません。逆にグッド。
唇を近づけてみました。仄かに暖かい胸に乗せると、心が温かくなります。舌を近づけてちょろっとだけ触れました。なんていうか……その、すでに形が半分ほど起き上がっているみたいでした。もしかしたら寒いのかもしれません。全裸だし。
ちゅっと吸い付くと、思ったより音が出ました。何回か続けていると、口の中でそれは硬さを増して、つい夢中になってしまいました。僕自身からアダルトビデオのような音が出ていたので恥ずかしくなりましたが、ここには僕らしかいないのです。恥ずかしがっている場合ではありません。
この時点で既に、僕は既にしていましたが。……この言葉は何にも上手くありません。それよりもドキドキが加速して、お腹をちろちろ舐めてから、その下へ来ました。
ああ、ついに……触れてしまう。思わず正座になっていました。
指先でそっと触れます。持ち上げてみます。僕の指先には少し重いです。先っぽだけ、ぺろりんしました。なんというか……言い表せないです。
口の中に収めてみました。質量があります。離すと唾液がツーっと垂れました。ああ、やばいなぁやばいなぁって思いながら、上を見上げてみた訳です。……沼津さんは起きていませんでした。
その時自分の変化に気がつきました。ズボンの前だけ色が変わってました。その下ではもう出たがっていますが、僕は少し我慢することが好きみたいです。焦らしプレイって奴です。

僕は立ち上がって端まで歩きました。扉を開けて、狭い部屋からペットボトルを取り出し、水を一口。結構のど、乾いてました。
そこからそれを持ったまま戻ると、景色が一部変わっていました。間違い探し、難易度高め。
「……あっ」
何も言わず、お互いぽかんとした顔で目が合いました。
「起きましたか」
「……お前っ」
「え、えええ! えええええっ! あ、あえ? お、起きましたかあああああああ! えええいつから! いつからですか!」
ぬまじゅんは凄い顔をしていました。ドン引きの最上級。でもそんなことよりだって、今って! タイミングなんなんですかこれは。
「……ここどこ」
テンションが低いです。
「なんで、裸……」
若干声が掠れているのが加点ポイント。
「あ、お、おはようございます……」
そろそろーりと近寄ってみると、本当に起きてました。目をぱっちりと。んふ、嬉しくなりました。
「あ、あの……ぬまじゅしゃん……? そ、そんなに見つめないでください……あぁっ」
じんじんと体が熱くなってしまいます。
さっきのは最上級ではなかったようです。更に引きつったお顔で、ベストオブ引き顔イヤーに選ばれました。
「……ちょ、こっちくんなよ」
「はぁ……はぁっ、声も……目線も……はぁ」
やっぱり起きている方がいいです。殺して愛でるみたいな奴は分かっておりやせん。
「いや、マジで! こっちくんな」
僕は半分椅子に寄りかかるようにして、沼津さんのお膝元辺りにおりました。腰が抜けて力が入らないのです。この世界では新しい腰は届きません。それに腰型のパンは僕も食欲が湧かないなんて、どうでもいいことを考えているうちに、先ほどの倍濡れてきました。
「……おい」
「あっ……ああ、ぬまじゅ、しゃ……ああっん!」
あー触っちゃいました。簡単にでちゃいました。でも僕は幸せ幸せハッピーハッピーです。打ち間違いじゃないです。一応。
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