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2章 新たな仲間達と領地経営

EX 奴隷たちの過去 2 (カザルとセバス篇)

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ドワーフ  カザル

ワシはとある街で鍛冶職人として働いていた。
つい最近このワシにも弟子が出来た。

ワシ自身弟子を持つのは初めてで試行錯誤でその弟子にワシの鍛冶職人としてのノウハウを叩き込んだ。多分そこからだろうかワシの人生が狂ったのは。

「やっぱカザルさんの武器の方がすごいや」

そう弟子が言うと一生懸命に武器や道具を造っていった。

しかし、ある時ワシの造った武器や道具が弟子の模倣だと噂になった。

ワシは、噂は噂だろうと気にもしなかった。
あとから思えば、ここが分かれ道だったのかもしれんと思う。

その噂が出て数ヶ月経ったある日に鍛治職人としての腕が弟子に越えられてしまった。

その瞬間ワシの造った武器や道具を買う人は誰一人もいなくなった。

その代わりに弟子の買う人が増えて、ワシがどんなに造っても弟子の模倣だと言われるようになった。

そして、その街の警備隊から言われもない罪を被され、奴隷落ちとなった。

そして、今のご主人様に買われたが造ってくれと言われる鉱石はワシでも扱ったことのない物ばかりで鍛治職人としてドワーフとしての血が騒いだ。

ワシは、ご主人様に巡り会えて良かった。
このご主人様は規格外だけどついて行くことにする。

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人種 セバス

私は、とある子爵家に使えておりましたが、その子爵家当主が賄賂や不正などで処刑されて私やメイド一同路頭に迷っていた時に偶然にもオークションの話を聞いたわけです。

私とメイド一同は一緒にオークションで商品としてまとめて売られることにした。

そして、まとめて購入してくださったのは、私が仕えた子爵家よりも上の辺境伯に叙勲されたばかりの冒険者あがりの若者でした。

辺境伯に着くなり白いドラゴンが現れて、殺されると思いました。

しかし、殺されるどころか当主様に懐いていらっしゃるご様子で当主様に聞いたら、従魔で卵の時にダンジョンのボスに託されたみたいと笑って話されていましたがメイドたちは腰が引けていました。

私とメイド一同は、当主様の家の身の回りの世話を託されました。

翔太様と優斗様は貴族としての振る舞いや言葉遣いや紳士としてノウハウなどすべてを教えてほしいと頼まれました。

優希様は、メイドたちに淑女としての振る舞い方や貴族女性としての着替えなどの教えを学んでおられました。

私は、私自身の人生をかけてこのご主人様に忠誠を託したいと思いました。
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