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04:ギャルとの再会と驚きのステータス

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「ビッチ??何その呼び方」

「あ、えっと、その……」

先ほどの神から見せて頂いた映像から勝手にあだ名をつけていたが、よく考えたら拙者は多分そういう呼び方で彼を呼んでいなかったはず。

(どうしよう、えっと、拙者は彼をなんて呼んでた、えっと、えっと……)

見た目がどんなに美しくなろうと、中身は陰キャオタク。あまりの事態に全てが追いつかずずっとあわわと小さな鳴き声が出てしまう。コミュ症の発作だ。

そんな、拙者ににじり寄るギャル、死んだと思った、が。

「最高じゃん。うん。俺、誰にでもケツを開くタイプだし名前もルヴィチだし、むしろ俺がどんなにあだ名で呼んでもルッシーはあだ名で呼んでくれなかったから嬉しい」

「えっ!!その呼び方で許されたでござるか!?」

オタクに優しいギャルは実在したらしい。

正直、ビッチとか悪口の類でしかないあだ名を口にしたのに、ビッチ氏は心良く受け入れてくれた。

正直未だにギャルに耐性のない拙者は震えているが今まで概念でしかなかったギャルが存在する事実に謎の感動を覚えていた。

その感動のまま話しかける、今ならちゃんと話せると思った。

「そ、そのビッチ氏どうしたでござ……」

しかし、それは遮られる。

「ああ。おい、そっちの子に触るな!!」

焦ったようにひとりの屈強な男が走ってきてビッチ氏を捕まえた。

「やぁん、何、乱暴にするの??」

「まさか、そちらの上玉にお前がなんかしての値段が崩れたら困るんだよ」

物凄く聞きたくなかった現実を聞いた気がいたした。どうあがいてもここは娼館であり拙者は既に商品であるということが目の前のやりとりでわかった。

前世なら拙者が売れる日は来ないのである意味安心だったが、今は絶世の美少年で男しかいない世界、需要しかない。

(どうしたものか……あ、そうでござる、拙者に神が与えたスキルで性的なことを回避できるはずでござる)

拙者はオタクゆえ物凄く初めてには夢を見ている、むしろ全世界の童貞とはファンタジーを信じているはずである。

それなのにとか恐ろしい言葉を聞いて、童貞より先に違うものを失う恐怖に完全に怖気づいたチキンの拙者はビッチ氏が周りを混乱させている間に、自身のステータスを確認した。

『ルシオン・クリスト・メビウス 人間(元王族、元性奴隷(仮)) 18 男(この世界には男しかいないため妊娠可)
 HP:100,MP:∞ 固有魔法:『魅了Ω:任意の他者を自身に擬態させて魅了させる』『魅了α:人間的魅力で相手を虜にする』『魅了∞:現在のレベルでは内容を公開できません』』

自分で言うのもなんだが、ツッコミどころしかないステータスではないか。まず、HP100って、これは間違いなく低い。なんならクソ雑魚にちがいない。

今それを確認したくて目の前の3人、屈強な男と骨川氏似の御者殿、ビッチ氏のステータスを見たところ屈強な男はHP5000、骨川氏で3000あった。

そして、何故かビッチ氏は100000とかHP出ていて、見かけによらない体力お化けぶりに震えておりますがそれはおいておいて、100ってこれ幼児レベルの体力ではと思ったし、まちがなく性体験などしたら体を壊してしまうくらい拙者は繊細疑惑が湧いてきている。

前世の拙者なら鼻で笑われるが今は儚い絶世の美少年のため変な需要を満たしかねない。

そして、もうひとつ。

映像記憶から拙者は魔法が全く使えないし魔力もないはずが何故か『魔力∞』のステータス。

これは拙者の目が悪いための見間違えかともおもったけれど何度みても見間違えではないようで、つまり拙者の魔力は無限に使えるらしい。完全なチートですありがとうございます。

ここで、上手くいけば拙者は性奴隷ではなく魔術師にジョブチェンジができるかもしれないという希望が浮かんできた。前世は魔法使いタイプの童貞でしたのでその部分を引き継げたのやもと考えたが悲しくなるので忘れよう。

しかし、今まで魔力無しとして冷遇ならびに魔法に触れさせてもらっていないのでここでなんとか魔法の基礎くらいは学びたいところですがどうなることか……。

そんな、未来への展望を絶望の中で見出した拙者、今の言い回しカッコイイでござるね。今後も何度か使っていきたい所存の中、再びビッチ氏の方を見た。

「嫌だ!!なんで俺に客がつかないの??もう欲求不満が限界、ああ、お願いあんたらでいいから抱いてよ」

「いや、お前は商品だし、それに、その……誰とでも寝るとかどんな病気を持ってるか分からんから無理だな」

「無理だな」

(なんかビッチ氏に病気持ち疑惑が湧いて出ている。そうなってくるとそのビッチ氏と色々していた疑惑のある拙者も連帯責任式だと病気持ち認定になりそうだな……)

「いや、王子様。あんたが新品未開封品なのはちゃんと検査で分かってるから安心してくれ。むしろ王子様だったら誰だって相手したいよな??」

「ああ、こんな別嬪さんが相手してくれんなら俺らは水揚げじゃなくてもいいよな??」

何故か拙者の心を読むふたりに驚いて目を見開く。このふたりはステータスにはないがもしかしたら読心術のプロなのかもしれない。

「あ、ルッシー、独り言全部今口に出てたから注意した方がいいよ♡」

優しいギャルに指摘されて恥ずかしさMAXになる。

「えっ!!全部話していたでござるか!!恥ずかしい」

あまりの恥ずかしさに赤面したところ、ビッチ君以外が明らかにふるふると震えだした。意味が分からず首を傾げる。拙者はオタクで陰キャゆえなにか人心を計り知れず良くないことをしてしまったかもしれない。

そう思ったが……。

「美しい」

「女神のようだ」

「えっ!?それって拙者のことでござるか!?」

あまりにあり得ない発言に驚いているとふたりがうんうんと頷く、そして……。

「ああ、俺らでは永遠に手に入らないような美しい方だ。絶対歴代最高位の高級娼婦になるだろうな」

「あ、いや、拙者できれば……」

性奴隷はご遠慮願いたいところと言いかけた時だった。

「ねぇ、何しているの??」

背後から、聞いたことのない艶っぽい声がして振り返るとそこには見たこともないような色っぽく艶やかな、男性ではあるが思わずドキっとしてしまうような美青年が佇んでいた。
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