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10.最後のチャンス
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謹慎を言い渡されたのは良いけれどいつまで私は大人しくするべきなのか分からなかった。
ただ、むやみにウィリアムの逆鱗には触れたくはない。私を誰より憎んでいる男だ最悪殺される可能性だってあるのだから。仕方なく私は窓の外を眺めていた。庭師が花の世話をしていた。
その時、頭の中に妙に軽い声がした。
「やぁ、転生者の悪役さん。調子はどうだい?」
「最低」
幻聴かなと思ったが、話し相手もいないしその声にこたえてみた。すると意外にも返事が返ってきた。
「ははは、まぁ、ポジションや境遇を考えたらそうなるよね。ただ、僕も君をいたぶりたいわけじゃないんだよ。だから君に転生チート「聖女」をあげたんだ」
「でも、誰も気づかないし、私には味方なんかいないわ」
つまり無駄。私が「聖女」でも意味はない。誰にもまともに愛されていない、話さぇ聞いてもらえない私などいまのところ生きている意味があるのかも怪しい。
「君はたくさんの名もなき人々をその力で助けているね。まさに「聖女」だよ。だけれどもね、だからこそ僕は君に伝えたいんだ。だって絶対の味方も僕はちゃんと用意してるからさ……」
これは都合の良い幻聴。だから味方が居るなど嘯く。私はこの世界の悪役。全ての悪意を闇を絶望を背負っているスケープゴート。「聖女」だとしてもそれすらもその舞台装置に過ぎないのではないか。
「……ベラトリクス。僕は君に最後の忠告を与えにきたんだよ。まだ種明かしは出来ないけど君は今よくない方へ進み続けてる。本来準備した恩恵を君は一切受けていない。それどころか…嫌、喋りすぎたね。とりあえず君にはもう少しまわりを見てほしい、ただそれだけだよ。ここは乙女ゲームの皮をかぶった別世界だからね」
そうして、幻聴が消えるとまた、シンと静まり返る。とても静かな静寂の中で再び庭を見つめる。既に庭師がいない花壇には白と赤のゼラニウムが美しく咲き誇っていた。
その美しい色彩を眺めながらそう言えばゼラニウムはとても美しい花なのに花言葉があまり良くないことを思い出していた。赤のゼラニウムは「憂鬱」。白のゼラニウムは確か……。
トントン
部屋がノックされる。私は反射的にビクリと体をふるわせた。使用人だろうか。
「開けていいわよ」
そう答える、が、そこに立っていたのはウィリアムだった。
「お兄様……何か御用ですか」
思わず椅子から立ち上がる。その様子をいつもの何の感情もない冷えた氷のような目で見ている。
「謹慎の話だ。期間を伝えていなかった。とりあえず1ヶ月はおとなしくしているように」
「1ヶ月!!……傷ついている人をその間、見離せとおっしゃるのですか?」
せいぜい、1週間くらいだとおもっていたが謹慎がそこまで長いなんて。流石に抗議をしてしまう。「聖女」の活動等は学園や家に寄り付かないための口実のひとつと認識していたけれど思いのほか私はそれにのめりこんでいたと気づかされた。
『ありがとう』
普段どこでもこの体になってから聞いていない言葉と悪意のない笑顔。それがどれだけ私を救ってくれているか。中には私が定期的に癒しをしなければ死んでしまう人もいるのだ。だから1ヶ月も謹慎させられるわけにはいかない。
「……ベラトリクス。お前はどれだけ危険な目にあったか理解していないのか」
「それでも……。お兄様。私はあの日あの場で死んでもかまいませんでした」
本音だった。恐怖心はあるが、この体の宿命を知った日から死は恐ろしいものよりも近しい友人のようなものに私の中で変質してきていた。しかし、その言葉を聞いたウィリアムの瞳がまるで人殺しでもするみたいに歪んだのが分かる。握りしめた手が震えている。
「……あのような下郎に嬲り殺しにされてもよかったと?」
「それが運命なら受け入れるよりほかありません。はじめから私はそう創られているのです」
この世界のスケープゴート。幸福などない、暗闇の中で、それでも誰かに施しを続けるがだれからも顧みられることもないそんな存在。それでもささやかな「ありがとう」のために私は生きているんだと今なら分かる。それが私だ。
「そう創られているか」
ウィリアムが反芻した言葉に何故か鳥肌がたった。背筋に氷を押し付けられたような感覚だった。けれどもうこのまま引き下がり恐れてはいけない。どうせもうすぐあと少しで私は国外に追放される、平民として。
そこで初めて自由を手に入れることができるのだから。
「なら、お前はこの先どんな理不尽も運命なら割り切り受け入れらるのだな」
「ええ。今までもそうしてきましたよお兄様」
最後の言葉を告げた時、何故かウィリアムが笑ったような気がした。見たことのないような穏やかな笑み。けれどすぐに消えてまた氷のような瞳が私を見据えた。
「なら、謹慎は1週間で解いてやる。その代わり学園は退学させる。それがお前の運命だからな」
「……お受けいたします」
むしろ願ったりな提案だった。ただ、ひとつ気になることがある。ゲームのベラトリクスが退学してしまうルート等あっただろうか?奇妙な胸騒ぎがした。
「そうか。後この部屋は殺風景だ。少し待っていろ」
と言うとしばらくしてから一輪の花を差し出された。そう言えば昔たまに部屋の戸口に花が置いてあったことを思い出した。誰からも顧みられない家の中で部屋のドアの前に時折置いてあった花。確かネモフィラだっただろうか。あまりに乱雑に置かれていたから多分嫌がらせの一環だったのだろうがそれがどういう意味で置かれているのか考えたことはなかった。
しかし、今ウィリアムが差し出した花は、それは限りなく黒に近い薔薇だった。
「……ありがとうございます」
薔薇を受け取る。黒い薔薇の花言葉は「憎しみ」。まさにウィリアムらしい花選びだ。そういえば先ほど見た庭にも沢山の花が咲いていたが案外彼は花が好きなのかもしれない、全く興味はないが。この世界でも花言葉はある。それも前の世界とほぼ同じ花言葉が。だからもう怖いものがないと思ってしまった私はウィリアムに聞いていた。
「お兄様はこの花の言葉をご存じなのですか?」
「ああ」
短いが肯定された。それほどまでに私が憎いのだろう。
「お前が花が好きなのは意外だったな。そういえば好きな花はあるのか」
「……白いゼラニウムが好きです」
白いゼラニウム……花言葉は「私はあなたの愛を信じない」。ああ、そうだね。まだこの薔薇程度ではベラトリクスに愛を信じてはもらえないだろう。
「そうか……」
ならば信じてもらえるようにしなければいけない。その日から僕はベラトリクスに黒い薔薇を送り続けた。この愛溢れ続けている想いを示すために。もっともっとベラトリクスにこの運命を受け入れてもらうために。
ただ、むやみにウィリアムの逆鱗には触れたくはない。私を誰より憎んでいる男だ最悪殺される可能性だってあるのだから。仕方なく私は窓の外を眺めていた。庭師が花の世話をしていた。
その時、頭の中に妙に軽い声がした。
「やぁ、転生者の悪役さん。調子はどうだい?」
「最低」
幻聴かなと思ったが、話し相手もいないしその声にこたえてみた。すると意外にも返事が返ってきた。
「ははは、まぁ、ポジションや境遇を考えたらそうなるよね。ただ、僕も君をいたぶりたいわけじゃないんだよ。だから君に転生チート「聖女」をあげたんだ」
「でも、誰も気づかないし、私には味方なんかいないわ」
つまり無駄。私が「聖女」でも意味はない。誰にもまともに愛されていない、話さぇ聞いてもらえない私などいまのところ生きている意味があるのかも怪しい。
「君はたくさんの名もなき人々をその力で助けているね。まさに「聖女」だよ。だけれどもね、だからこそ僕は君に伝えたいんだ。だって絶対の味方も僕はちゃんと用意してるからさ……」
これは都合の良い幻聴。だから味方が居るなど嘯く。私はこの世界の悪役。全ての悪意を闇を絶望を背負っているスケープゴート。「聖女」だとしてもそれすらもその舞台装置に過ぎないのではないか。
「……ベラトリクス。僕は君に最後の忠告を与えにきたんだよ。まだ種明かしは出来ないけど君は今よくない方へ進み続けてる。本来準備した恩恵を君は一切受けていない。それどころか…嫌、喋りすぎたね。とりあえず君にはもう少しまわりを見てほしい、ただそれだけだよ。ここは乙女ゲームの皮をかぶった別世界だからね」
そうして、幻聴が消えるとまた、シンと静まり返る。とても静かな静寂の中で再び庭を見つめる。既に庭師がいない花壇には白と赤のゼラニウムが美しく咲き誇っていた。
その美しい色彩を眺めながらそう言えばゼラニウムはとても美しい花なのに花言葉があまり良くないことを思い出していた。赤のゼラニウムは「憂鬱」。白のゼラニウムは確か……。
トントン
部屋がノックされる。私は反射的にビクリと体をふるわせた。使用人だろうか。
「開けていいわよ」
そう答える、が、そこに立っていたのはウィリアムだった。
「お兄様……何か御用ですか」
思わず椅子から立ち上がる。その様子をいつもの何の感情もない冷えた氷のような目で見ている。
「謹慎の話だ。期間を伝えていなかった。とりあえず1ヶ月はおとなしくしているように」
「1ヶ月!!……傷ついている人をその間、見離せとおっしゃるのですか?」
せいぜい、1週間くらいだとおもっていたが謹慎がそこまで長いなんて。流石に抗議をしてしまう。「聖女」の活動等は学園や家に寄り付かないための口実のひとつと認識していたけれど思いのほか私はそれにのめりこんでいたと気づかされた。
『ありがとう』
普段どこでもこの体になってから聞いていない言葉と悪意のない笑顔。それがどれだけ私を救ってくれているか。中には私が定期的に癒しをしなければ死んでしまう人もいるのだ。だから1ヶ月も謹慎させられるわけにはいかない。
「……ベラトリクス。お前はどれだけ危険な目にあったか理解していないのか」
「それでも……。お兄様。私はあの日あの場で死んでもかまいませんでした」
本音だった。恐怖心はあるが、この体の宿命を知った日から死は恐ろしいものよりも近しい友人のようなものに私の中で変質してきていた。しかし、その言葉を聞いたウィリアムの瞳がまるで人殺しでもするみたいに歪んだのが分かる。握りしめた手が震えている。
「……あのような下郎に嬲り殺しにされてもよかったと?」
「それが運命なら受け入れるよりほかありません。はじめから私はそう創られているのです」
この世界のスケープゴート。幸福などない、暗闇の中で、それでも誰かに施しを続けるがだれからも顧みられることもないそんな存在。それでもささやかな「ありがとう」のために私は生きているんだと今なら分かる。それが私だ。
「そう創られているか」
ウィリアムが反芻した言葉に何故か鳥肌がたった。背筋に氷を押し付けられたような感覚だった。けれどもうこのまま引き下がり恐れてはいけない。どうせもうすぐあと少しで私は国外に追放される、平民として。
そこで初めて自由を手に入れることができるのだから。
「なら、お前はこの先どんな理不尽も運命なら割り切り受け入れらるのだな」
「ええ。今までもそうしてきましたよお兄様」
最後の言葉を告げた時、何故かウィリアムが笑ったような気がした。見たことのないような穏やかな笑み。けれどすぐに消えてまた氷のような瞳が私を見据えた。
「なら、謹慎は1週間で解いてやる。その代わり学園は退学させる。それがお前の運命だからな」
「……お受けいたします」
むしろ願ったりな提案だった。ただ、ひとつ気になることがある。ゲームのベラトリクスが退学してしまうルート等あっただろうか?奇妙な胸騒ぎがした。
「そうか。後この部屋は殺風景だ。少し待っていろ」
と言うとしばらくしてから一輪の花を差し出された。そう言えば昔たまに部屋の戸口に花が置いてあったことを思い出した。誰からも顧みられない家の中で部屋のドアの前に時折置いてあった花。確かネモフィラだっただろうか。あまりに乱雑に置かれていたから多分嫌がらせの一環だったのだろうがそれがどういう意味で置かれているのか考えたことはなかった。
しかし、今ウィリアムが差し出した花は、それは限りなく黒に近い薔薇だった。
「……ありがとうございます」
薔薇を受け取る。黒い薔薇の花言葉は「憎しみ」。まさにウィリアムらしい花選びだ。そういえば先ほど見た庭にも沢山の花が咲いていたが案外彼は花が好きなのかもしれない、全く興味はないが。この世界でも花言葉はある。それも前の世界とほぼ同じ花言葉が。だからもう怖いものがないと思ってしまった私はウィリアムに聞いていた。
「お兄様はこの花の言葉をご存じなのですか?」
「ああ」
短いが肯定された。それほどまでに私が憎いのだろう。
「お前が花が好きなのは意外だったな。そういえば好きな花はあるのか」
「……白いゼラニウムが好きです」
白いゼラニウム……花言葉は「私はあなたの愛を信じない」。ああ、そうだね。まだこの薔薇程度ではベラトリクスに愛を信じてはもらえないだろう。
「そうか……」
ならば信じてもらえるようにしなければいけない。その日から僕はベラトリクスに黒い薔薇を送り続けた。この愛溢れ続けている想いを示すために。もっともっとベラトリクスにこの運命を受け入れてもらうために。
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