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第三章:恋獄の国と悲しいおとぎ話
50.前世の物語と不幸令嬢(ヨミ視点(ルーファスの護衛))06
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想像していなかったことについて、もうひとつ起きてしまった。
ルーファスが、レミーナ姫を失ったショックで発狂した状態で、青い月の私が呪いをかけていたタイミングに魔法を使い、この月の国の時間を止めてしまったのだ。
それについて、ルーファスはレミーナ姫が死んだという事実を受け入れられず時間を止めることでその死から目を反らしたようだった。
レミーナの死を思い出す度におかしくなったように、レミーナ姫の大好きだった沈丁花をむしったり、その手紙を切り裂いたりして最後に、その棺の前で泣き叫ぶのだ。
時を止めた影響でレミーナ姫の亡骸は腐食を完全に止めている。ルーファスが死体を美しく整えたのでまるで眠っているようにも見えるが、それは永遠に目を覚まさない眠り姫に他ならない。
そんなルーファスが発狂して泣き叫ぶ姿を見るたびに心が痛んだ。どうして私の大切な子がこんなに傷つかないといけないのかと。そうして、この時を止めた国を守るために私は海の国の人間も、太陽の国の人間さぇも入れないように試練の門を設置した。
この門は、こちら側から招かないと決して開かない仕組みとなっている。だから無理に壊そうとしてもこの秘密を知らなければ開けることができない。
そうして、月の国は外の国々からはおとぎ話に出てくる架空の国のように扱われるようになっていった。そして、年月が経ち狂気に染まっていたルーファスも少しずつ正気になる時間も増えて行った。
しかし、トリス王太子へのトラウマが強すぎて海の国への嫌悪感はずっと消えることがなかったようだ。私もそれについては仕方ないと思うし、自身も海の国への怒りがおさまらないでいた。
そうして幾千年の時がたって、ルーファスはレミーナ姫の生まれ変わりであるレミリア姫を見つけた。
しかし、レミリア姫はけっして幸せではなかった。彼女はとても孤独だった。ルーファスはすぐにでも言ってレミリア姫を抱きしめたいと願ったが月の国は実質異空間化していて、そこから実体化して出るということが難しかった。
なので、レミリア姫の架空の友人として半分幽霊のような形で接触するようになった。そうしていくうちに最初は、レミーナ姫の生まれ変わりだからと接していたルーファスはそれが徐々に別の感情へと変化していったようだった。
レミリア姫として守りたいとそう考えるようになっていった。けれど、レミーナ姫の生まれ変わりがいるようにルーファスの天敵であるトリス王太子の生まれ変わりも存在していた。
そして何の因果か、彼はレミリア姫にとても近しい存在として生まれ変わっていたのだった。
ルーファスが、レミーナ姫を失ったショックで発狂した状態で、青い月の私が呪いをかけていたタイミングに魔法を使い、この月の国の時間を止めてしまったのだ。
それについて、ルーファスはレミーナ姫が死んだという事実を受け入れられず時間を止めることでその死から目を反らしたようだった。
レミーナの死を思い出す度におかしくなったように、レミーナ姫の大好きだった沈丁花をむしったり、その手紙を切り裂いたりして最後に、その棺の前で泣き叫ぶのだ。
時を止めた影響でレミーナ姫の亡骸は腐食を完全に止めている。ルーファスが死体を美しく整えたのでまるで眠っているようにも見えるが、それは永遠に目を覚まさない眠り姫に他ならない。
そんなルーファスが発狂して泣き叫ぶ姿を見るたびに心が痛んだ。どうして私の大切な子がこんなに傷つかないといけないのかと。そうして、この時を止めた国を守るために私は海の国の人間も、太陽の国の人間さぇも入れないように試練の門を設置した。
この門は、こちら側から招かないと決して開かない仕組みとなっている。だから無理に壊そうとしてもこの秘密を知らなければ開けることができない。
そうして、月の国は外の国々からはおとぎ話に出てくる架空の国のように扱われるようになっていった。そして、年月が経ち狂気に染まっていたルーファスも少しずつ正気になる時間も増えて行った。
しかし、トリス王太子へのトラウマが強すぎて海の国への嫌悪感はずっと消えることがなかったようだ。私もそれについては仕方ないと思うし、自身も海の国への怒りがおさまらないでいた。
そうして幾千年の時がたって、ルーファスはレミーナ姫の生まれ変わりであるレミリア姫を見つけた。
しかし、レミリア姫はけっして幸せではなかった。彼女はとても孤独だった。ルーファスはすぐにでも言ってレミリア姫を抱きしめたいと願ったが月の国は実質異空間化していて、そこから実体化して出るということが難しかった。
なので、レミリア姫の架空の友人として半分幽霊のような形で接触するようになった。そうしていくうちに最初は、レミーナ姫の生まれ変わりだからと接していたルーファスはそれが徐々に別の感情へと変化していったようだった。
レミリア姫として守りたいとそう考えるようになっていった。けれど、レミーナ姫の生まれ変わりがいるようにルーファスの天敵であるトリス王太子の生まれ変わりも存在していた。
そして何の因果か、彼はレミリア姫にとても近しい存在として生まれ変わっていたのだった。
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