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プロローグ
00.おとぎ話と不幸令嬢と家族のこと
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むかしむかしあるところにとてもしあわせなおうこくがありました。
あまりにしあわせなおうこくでおうさまもくにのひともみんなしあわせでした。
けれどおうさまがあるひ、びょうきになりました。
おうさまはねがいました。
このしあわせなおうこくがえいえんにつづいてほしい。
そのねがいをかみさまはかなえました。
そのくにはしあわせなままときをとめました。
えいえんにみんなしあわせにくらしましたとさ。
めでたし、めでたし
小さな頃にレミリアが母親に唯一読んでもらったおとぎ話。「れんごくの国」は彼女にとって内容はともかく変わるもののない特別なものだった。
レミリアの母親は隣国から急遽嫁いできたらしく、そのせいか家に母親のために準備されたものはほぼなにもなかった。だからいくら母親亡きあとにレミリアが母親のことを懐かしみたくても不自然なほどなにひとつその痕跡が残ってはいなかった。
だから、たった一度読んでもらった「れんごくの国」というおとぎ話以外にレミリアが母親を思い出せるものはなにもなかった。
このアトラス王国は昔は海の国と言われていた温暖な海洋国家だ。その国の公爵家にレミリア・オリビエール・ヴァーミリオンは生を受けた。そしてレミリアと言えば世にも不幸なご令嬢だった。
そもそも、母親が隣国の貴族であるということ以外は何も誰もレミリアに話してはくれなかったし、それを誰かに問いただすこともできないくらい家族というものはレミリアにとって希薄だった。家族は父親と義母と腹違いの妹。
レミリアにとってその中の誰も家族というほどの絆を築いている存在はいなかった。父親はレミリアには興味がなない人だった。レミリアが住んでいる本宅へ帰ることもなく別宅にいる義母と腹違いの妹の元に入り浸っていた。
腹違いの妹は生まれた時からとても病弱で空気の良い別宅に義母とふたりで住んでいた。妹の看病のため義母は公爵夫人としての責務をほぼ果たしてはいなかった。
家族なんて名ばかりの存在だった。だからレミリアは普通の両親と妹がどういうものか理解できない。ただ分かるのはレミリアにとってそれはおとぎ話くらいには遠い存在だということくらいだ。
公爵夫人の業務は本来隠居予定だった祖母である元公爵夫人が果たしていた。彼女はとても厳格な人だった。元々先帝の妹である彼女は高度な教育を受けた完璧な姫君であり、孫であるレミリアにもその水準を望んだ。
レミリアは祖母から一般的な愛情を受けたという記憶はない。あるのは苛烈で厳しい祖母からほぼ虐待に近い教育を叩きこまれたというだけだった。
プライドの人一倍高い完璧主義の祖母はレミリアを完璧な淑女する義務があると考えていた。レミリアのためというより公爵夫人の仕事も果たさない愚かな嫁の代わりにレミリアに公爵家を支えさせたかったのだと、祖母は死の間際にレミリアに話した。
幼いレミリアはその日々がとても辛くて何度も泣いて泣いて逃げ出したいと願った。けれどそれを慰めてくれる家族はいない。常にレミリアは孤独という友人以外を持ち得ていなかった。
レミリアは幼いながらもたったひとりで立ち向かう必要があった。
最初は毎晩泣いていた。辛くて辛くて、そして悲しくて。けれど泣いても抗っても彼女は救われなかった。そんな時隣国のことわざを勉強していて、その言葉に出会った。
「泣いて解決するなら泣けばいい。
怒って解決するなら怒ればいい。
泣いても怒ってもどうにもならないときは笑えばいい」
というものだった。
その日からレミリアは泣くことも怒ることもやめた。ただ笑うようにしたのだ。最初は騙されたかと思ったが笑うことでほんの少しだけ周りの空気の棘が取れた。
躾はとても厳しく、時に体罰まがいのこともされたが全て笑って耐えた。笑っていれば不幸でも幸せな気がしたのだ。笑っていればまるで幸せな人間でいられる気がしたのだ。
それを祖母に咎められたこともある。淑女たるものは感情のコントロールが必要だと。それでもレミリアはどんなに注意されても笑うことだけはやめなかった。
不幸なレミリアは笑って笑って幸せであると思いこんで生きていたから、それが出来なくなればもうきっと狂うしかその当時はなかったのだから。
レミリアが、大体の基礎を叩きこまれた12歳の夏、祖母は亡くなった。良い思い出はひとつもないがそれでもレミリアに唯一話しかけてくれる人だった。
愛情らしいものを感じたことはないけれどそれでもレミリアを見てくれていた唯一の人は死んでしまった。
祖母がいなくなり公爵夫人の業務を義母がするためにこちらへ来るのではと考えていたが、父である公爵は珍しくレミリアの元を訪れて静かに言った。
「お前の母は妹の看病で忙しい。だから今日からお前が公爵夫人の仕事の一部を行うように。それ以外は別途家令が行う。後もうひとつ……」
初めて話しかけてきた父は何の抑揚もない機械みたいにしゃべる人だとレミリアは思った。父親である公爵は金色の髪に青い瞳がサファイヤのような麗人で、背も高く甘い顔立ちで本来は厳しい言葉など口にしなそうな穏やかな人に見えたが、レミリアは彼の笑顔を見ることはできなかった。
そして、残念ながらレミリアは父親にひとつも似ていなかった。
レミリアはこの国では珍しい黒い髪に金色に輝く太陽みたいな大きな瞳をした少女だった。肌も真っ白というよりは健康的な小麦色で、繊細さや儚さとは無縁のなんとも存在感のある少女だった。
伝え聞く病弱な妹はレミリアと真逆で父親譲りの金髪に母親譲りのエメラルドの瞳をした白い肌の美しく儚げな美少女だと聞いていた。
(私が妹みたいな可憐な子だったらお父様は私を愛してくれたかしら、こんな機械みたいではなく笑いかけてくれたかしら)
レミリアは生まれてこのかた病気らしい病気等したことはなかった。健康はありがたいことだが、それが庇護欲などを掻き立てない要因のひとつなのかもしれないと急に切なくなった。
「お前に婚約の王命がきている。第二王子であるクリストファー殿下の王子妃になる予定だ。今度から王子妃になるために王宮へ定期的に通うように」
「……お父様。私聞きたいことがございます」
「質問か?」
短く答えた父親にレミリアはとても意地の悪い気持ちになっていた。
(この人を少し困らせてやろう)
「捨て子の私がどうして殿下の婚約者になどなれたのですか?」
レミリアの言葉に公爵は信じられないものをみるように見つめてきた。それくらいその言葉はインパクトのあるものだったようだ。
「捨て子だと。お前は正当な公爵家の娘であり公女だ。誰がそんなことを言ったんだ」
「誰も言ってません。でも本に書いてありました。「捨て子」には明確な親がいないって。だからおばあ様が亡くなり親のいないたったひとりになった私は「捨て子」だっておもいましたの」
レミリアはそれを満面の笑顔で言い放つ。そう、これはレミリアのブラックジョークだった。レミリアにとって自分は捨て子と同じようなものだと公爵に告げたのだ。まさか12歳の娘がそんなことを言うと思わなかった公爵は呆然とした顔でレミリアを見つめていた。
あまりにしあわせなおうこくでおうさまもくにのひともみんなしあわせでした。
けれどおうさまがあるひ、びょうきになりました。
おうさまはねがいました。
このしあわせなおうこくがえいえんにつづいてほしい。
そのねがいをかみさまはかなえました。
そのくにはしあわせなままときをとめました。
えいえんにみんなしあわせにくらしましたとさ。
めでたし、めでたし
小さな頃にレミリアが母親に唯一読んでもらったおとぎ話。「れんごくの国」は彼女にとって内容はともかく変わるもののない特別なものだった。
レミリアの母親は隣国から急遽嫁いできたらしく、そのせいか家に母親のために準備されたものはほぼなにもなかった。だからいくら母親亡きあとにレミリアが母親のことを懐かしみたくても不自然なほどなにひとつその痕跡が残ってはいなかった。
だから、たった一度読んでもらった「れんごくの国」というおとぎ話以外にレミリアが母親を思い出せるものはなにもなかった。
このアトラス王国は昔は海の国と言われていた温暖な海洋国家だ。その国の公爵家にレミリア・オリビエール・ヴァーミリオンは生を受けた。そしてレミリアと言えば世にも不幸なご令嬢だった。
そもそも、母親が隣国の貴族であるということ以外は何も誰もレミリアに話してはくれなかったし、それを誰かに問いただすこともできないくらい家族というものはレミリアにとって希薄だった。家族は父親と義母と腹違いの妹。
レミリアにとってその中の誰も家族というほどの絆を築いている存在はいなかった。父親はレミリアには興味がなない人だった。レミリアが住んでいる本宅へ帰ることもなく別宅にいる義母と腹違いの妹の元に入り浸っていた。
腹違いの妹は生まれた時からとても病弱で空気の良い別宅に義母とふたりで住んでいた。妹の看病のため義母は公爵夫人としての責務をほぼ果たしてはいなかった。
家族なんて名ばかりの存在だった。だからレミリアは普通の両親と妹がどういうものか理解できない。ただ分かるのはレミリアにとってそれはおとぎ話くらいには遠い存在だということくらいだ。
公爵夫人の業務は本来隠居予定だった祖母である元公爵夫人が果たしていた。彼女はとても厳格な人だった。元々先帝の妹である彼女は高度な教育を受けた完璧な姫君であり、孫であるレミリアにもその水準を望んだ。
レミリアは祖母から一般的な愛情を受けたという記憶はない。あるのは苛烈で厳しい祖母からほぼ虐待に近い教育を叩きこまれたというだけだった。
プライドの人一倍高い完璧主義の祖母はレミリアを完璧な淑女する義務があると考えていた。レミリアのためというより公爵夫人の仕事も果たさない愚かな嫁の代わりにレミリアに公爵家を支えさせたかったのだと、祖母は死の間際にレミリアに話した。
幼いレミリアはその日々がとても辛くて何度も泣いて泣いて逃げ出したいと願った。けれどそれを慰めてくれる家族はいない。常にレミリアは孤独という友人以外を持ち得ていなかった。
レミリアは幼いながらもたったひとりで立ち向かう必要があった。
最初は毎晩泣いていた。辛くて辛くて、そして悲しくて。けれど泣いても抗っても彼女は救われなかった。そんな時隣国のことわざを勉強していて、その言葉に出会った。
「泣いて解決するなら泣けばいい。
怒って解決するなら怒ればいい。
泣いても怒ってもどうにもならないときは笑えばいい」
というものだった。
その日からレミリアは泣くことも怒ることもやめた。ただ笑うようにしたのだ。最初は騙されたかと思ったが笑うことでほんの少しだけ周りの空気の棘が取れた。
躾はとても厳しく、時に体罰まがいのこともされたが全て笑って耐えた。笑っていれば不幸でも幸せな気がしたのだ。笑っていればまるで幸せな人間でいられる気がしたのだ。
それを祖母に咎められたこともある。淑女たるものは感情のコントロールが必要だと。それでもレミリアはどんなに注意されても笑うことだけはやめなかった。
不幸なレミリアは笑って笑って幸せであると思いこんで生きていたから、それが出来なくなればもうきっと狂うしかその当時はなかったのだから。
レミリアが、大体の基礎を叩きこまれた12歳の夏、祖母は亡くなった。良い思い出はひとつもないがそれでもレミリアに唯一話しかけてくれる人だった。
愛情らしいものを感じたことはないけれどそれでもレミリアを見てくれていた唯一の人は死んでしまった。
祖母がいなくなり公爵夫人の業務を義母がするためにこちらへ来るのではと考えていたが、父である公爵は珍しくレミリアの元を訪れて静かに言った。
「お前の母は妹の看病で忙しい。だから今日からお前が公爵夫人の仕事の一部を行うように。それ以外は別途家令が行う。後もうひとつ……」
初めて話しかけてきた父は何の抑揚もない機械みたいにしゃべる人だとレミリアは思った。父親である公爵は金色の髪に青い瞳がサファイヤのような麗人で、背も高く甘い顔立ちで本来は厳しい言葉など口にしなそうな穏やかな人に見えたが、レミリアは彼の笑顔を見ることはできなかった。
そして、残念ながらレミリアは父親にひとつも似ていなかった。
レミリアはこの国では珍しい黒い髪に金色に輝く太陽みたいな大きな瞳をした少女だった。肌も真っ白というよりは健康的な小麦色で、繊細さや儚さとは無縁のなんとも存在感のある少女だった。
伝え聞く病弱な妹はレミリアと真逆で父親譲りの金髪に母親譲りのエメラルドの瞳をした白い肌の美しく儚げな美少女だと聞いていた。
(私が妹みたいな可憐な子だったらお父様は私を愛してくれたかしら、こんな機械みたいではなく笑いかけてくれたかしら)
レミリアは生まれてこのかた病気らしい病気等したことはなかった。健康はありがたいことだが、それが庇護欲などを掻き立てない要因のひとつなのかもしれないと急に切なくなった。
「お前に婚約の王命がきている。第二王子であるクリストファー殿下の王子妃になる予定だ。今度から王子妃になるために王宮へ定期的に通うように」
「……お父様。私聞きたいことがございます」
「質問か?」
短く答えた父親にレミリアはとても意地の悪い気持ちになっていた。
(この人を少し困らせてやろう)
「捨て子の私がどうして殿下の婚約者になどなれたのですか?」
レミリアの言葉に公爵は信じられないものをみるように見つめてきた。それくらいその言葉はインパクトのあるものだったようだ。
「捨て子だと。お前は正当な公爵家の娘であり公女だ。誰がそんなことを言ったんだ」
「誰も言ってません。でも本に書いてありました。「捨て子」には明確な親がいないって。だからおばあ様が亡くなり親のいないたったひとりになった私は「捨て子」だっておもいましたの」
レミリアはそれを満面の笑顔で言い放つ。そう、これはレミリアのブラックジョークだった。レミリアにとって自分は捨て子と同じようなものだと公爵に告げたのだ。まさか12歳の娘がそんなことを言うと思わなかった公爵は呆然とした顔でレミリアを見つめていた。
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